制御工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学Ⅰ
科目番号 24031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 4th-Q 週時間数 4
教科書/教材 「シーケンス図を学ぶ人のために」 大浜庄司 著 (オーム社)、「大学講義テキスト 古典制御」 森 泰親 著 (コロナ社)
担当教員 日髙 良和

到達目標

 制御とは、システムの動作を利用者の目的にかなったものとするために、操作を行い調整することである。制御工学では、システムの制御に必要な基本的な事項について説明する。
 本科目の目的は、シーケンス制御及び制御系の表現方法等の制御工学の基礎を理解することである。
 到達目標は下記のようである。
 ・シーケンス制御 ①シーケンス制御用電気機器を説明できる。 ②シーケンス制御の基本制御回路のシーケンス図(ラダー図)の説明と作ることができる。③スイッチやモータなどの制御用のシーケンス図の説明と作ることができる。
 ・制御工学の基礎 ①ラプラス変換と逆ラプラス変換ができる。②伝達関数を用いてシステムの入出力表現ができる。③ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達なレベルの目安 (不可)
評価項目1シーケンス制御用電気機器の名称と記号及び機構と動作の説明ができる。シーケンス制御用電気機器の名称と図記号及び文字記号を示すことができる。シーケンス制御用電気機器の名称と図記号を示すことができる。シーケンス制御用電気機器の名称又は図記号を示すことがでない。
評価項目2自己保持回路又はインターロック回路を組み込んだシーケンス図の説明又は作ることができる。電磁リレーを使用した機器の動作と復帰のシーケンス図の説明又は作ることができる。押しボタンスイッチを使用した論理回路の動作と復帰のシーケンス図の説明又は作ることができる。シーケンス図の説明ができない。
評価項目3スイッチやモータなどを使った課題に対して、自己保持回路やインターロック回路を使用したシーケンス図の説明又は作ることができる。電磁リレーを使用した機器の動作と復帰のシーケンス図の説明又は作ることができる。押しボタンスイッチを使用した機器の動作と復帰のシーケンス図の説明又は作ることができる。押しボタンスイッチを使用した機器の動作と復帰のシーケンス図の説明又は作ることができない。
評価項目4ラプラス変換と逆ラプラス変換を用いて微分方程式を解くことができる。ラプラス変換表を使って、ラプラス変換又は逆ラプラス変換ができる。ラプラス変換又は逆ラプラス変換の定義が説明できる。ラプラス変換又は逆ラプラス変換の定義が説明できない。
評価項目5システムの入出力関係を表す微分方程式から、伝達関数を求めることができる。ラプラス変換されたシステムの入出力関係を表す式を使って、伝達関数を求めることができる。伝達関数を用いてシステムの入出力関係を説明できる。伝達関数の説明ができない。
評価項目6ブロック線図の等価変換ができる。ラプラス変換されたシステムの入出力関係を表す式を使って、ブロック線図を作成できる。ブロック線図に用いる記号の説明ができる。ブロック線図の説明ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
※実務との関係
本科目は、企業で生産設備の電気系設計開発を担当していた教員が、その経験を生かし、制御工学に必要なシステムの表現に関する基本的な事項とシーケンス制御について講義形式で授業を行う。
評価は、レポートと演習(前半期間の内容)及び定期試験によって行う。
授業の進め方・方法:
本科目は履修単位科目のため、授業は週2回の開講、全15回(定期試験を除く)の実施であり、本シラバスに示したとおりの内容で進める。
授業内容は次のようである。①前半の期間:生産現場で一般的に利用されているシーケンス制御の基本を説明する。 ②後半の期間:システムの表現に使用するラプラス変換とブロック線図および伝達関数を用いたシステムの入出力表現について説明する。
授業方法は、標準的な教科書を使用した必要事項の説明と例題による双方向型の方法とする。
注意点:
・本科目は、電気主任技術者資格取得(認定)に必要な科目(科目区分3)である。
・基本的な電気回路の微分方程式表現の回路方程式を理解しておくこと。
・微分方程式の解法と部分積分法を理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 1回目:授業の進め方と制御の分類と接点の種類について
2回目:シーケンス制御に用いる機器について
1回目:授業のスケジュールと評価方法を説明できる。
    制御の分類と接点の種類を説明できる。
2回目:シーケンス制御に用いられる主な電気機器と制御用器具の動作と図記号を説明できる。
10週 3回目:シーケンス図の書き方
4回目:自己保持回路とインタロック回路
3回目:論理回路のシーケンス図を用いて書き方を説明できる。
4回目:自己保持回路とインターロック回路を作ることができる。
11週 5回目:シーケンス制御回路の例(電動機の始動停止)
6回目:シーケンス制御回路の例(電動機の正逆回転)
5回目:電動機の始動停止制御回路を説明できる。
6回目:電動機の正逆回転制御回路を説明できる。
12週 7回目:演習(前半期間の内容)
8回目:演習解説とフィードバック制御系の概要
7回目:設問から重要な箇所を確認できる。
8回目:演習解説から重要な箇所を確認できる。
    制御要素の名称とフィードバック制御系の基本構成を説明できる。
13週 9回目:制御工学で用いる代表的な関数とラプラス変換
10回目:逆ラプラス変換について
9回目:デルタ関数とステップ関数を説明できる。
    ラプラス変換の定義と定理を説明できる。
10回目:ラプラス変換表を用いた逆ラプラス変換を説明できる。
14週 11回目:ラプラス変換と逆ラプラス変換の例
12回目:伝達関数について
11回目:ラプラス変換を用いた微分方程式の解法を説明できる。
12回目:システムの入出力表現を伝達関数を用いて説明できる。
15週 13回目:ブロック線図について
14回目:フィードバック制御システムの例
13回目:システムのブロック線図と等価変換の説明ができる。
14回目:システムの伝達関数やブロック線図の説明ができる。
16週 15回目:定期試験返却と解答解説 15回目:解答解説から重要な箇所を確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御伝達関数を用いたシステムの入出力表現ができる。4前12
ブロック線図を用いてシステムを表現することができる。4

評価割合

定期試験演習レポート合計
総合評価割合303040100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】 25251060
思考・推論・創造性【適用、分析レベル】 553040
汎用的技能0000
態度・志向性(人間力)0000
総合的な学習経験と創造的 思考力0000