制御工学Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 制御工学Ⅱ
科目番号 25004 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 1st-Q 週時間数 4
教科書/教材 「大学講義テキスト 古典制御」 森 泰親 著 (コロナ社)
担当教員 日髙 良和

到達目標

本科目の目的は、システムの周波数特性と過渡特性、安定判別法、定常特性について理解することである。
到達目標は次のようである。 ①システムの周波数特性について、ベクトル軌跡を用いて説明できる。 ②システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。 ③システムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。 ④フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 ⑤システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達なレベルの目安 (不可)
評価項目1基本制御要素を結合したシステムの周波数特性について、ベクトル軌跡を用いてゲインと位相の関係が説明できる。基本制御要素を結合したシステムのベクトル軌跡が描ける又はそのための計算ができる。比例・微分・積分・1次遅れのいずれかの制御要素のベクトル軌跡が描ける又はそのための計算ができる。ベクトル軌跡が描けない又はそのための計算ができない。
評価項目2基本制御要素を結合したシステムの周波数特性について、ボード線図を用いてゲインと位相の関係が説明できる。基本制御要素を結合したシステムのボード線図が描ける又はそのための計算ができる。比例・微分・積分・1次遅れのいずれかの制御要素のボード線図が描ける又はそのための計算ができる。ボード線図が描けない又はそのための計算ができない。
評価項目3基本制御要素を結合したシステムの過渡特性についてステップ応答を用いて説明できる。基本制御要素を結合したシステムのステップ応答が描ける又はそのための計算ができる。比例・微分・積分・1次遅れの制御要素のいずれかのステップ応答が描ける又はそのための計算ができる。ステップ応答が描けない又はそのための計算ができない。
評価項目4安定判別法を利用して、安定なシステムを設計することができる。フィードバックシステムの安定・不安定をラウス判別法または、フルビッツの判別法のいずれかを用いて判別できる。フィードバックシステムの安定判別法を説明できる。フィードバックシステムの安定性を説明できない。
評価項目5内部モデル原理を利用して、定常偏差をゼロとするシステム設計ができる。制御系の形に対する定常特性を説明できる。システムの定常偏差を求めることができる。システムの定常特性を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
本科目は、企業で生産設備の制御系設計開発を担当していた教員が、その経験を生かし、基本制御要素からなるシステムの周波数特性と過渡特性、安定性及び定常特性について講義形式で授業を行うものである。
学修単位科目であるため、事前・事後学習としてのレポート(評価対象)を課す。
評価は、事前・事後学習レポートと演習(前半期間の内容)、定期試験によって行う。
授業の進め方・方法:
本科目は学修単位科目・2単位のため、授業は週2回の開講、全15回の実施であり、本シラバスに示したとおりの内容で進める
授業内容は次のようである。①入力信号にsin波を用いた時のシステムの応答(ベクトル軌跡とボード線図)について説明する。 ②入力信号が急激に変化したときの過渡的なシステムの応答(過渡特性)について説明する。 ③システムが正常に安定して動作するか否かを調べる方法(安定判別法)について説明する。 ④信号入力後に時間が十分に経たときのシステムの状態(定常特性)について説明する。
授業方法は、標準的な教科書を使用した必要事項の説明と例題による双方向型の方法とする。
注意点:
・本科目は、電気主任技術者資格取得(認定)に必要な科目(科目区分3)である。
・事前・事後学習レポートは評価対象である。
・dB(デシベル)と行列の計算を十分に理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 1回目:授業の進め方 制御基礎要素について
2回目:周波数応答とベクトル軌跡について
   (比例、積分、微分、むだ時間)
1回目:基本要素である比例、積分、微分、むだ時間、
   1次遅れ、2次遅れ要素を説明できる。
2回目:周波数応答を調べる方法について説明できる。
   比例、積分、微分、むだ時間の各要素の
   ベクトル軌跡について説明できる。
2週 3回目:ベクトル軌跡について(一次遅れ、二次遅れ)
4回目:ボード線図について
   (比例、積分、微分、むだ時間)
3回目:一次遅れと二次遅れの各要素のベクトル軌跡に
   ついて説明できる。
4回目:比例、積分、微分、むだ時間の各要素の
   ボード線図について説明できる。
3週 5回目:ボード線図について(一次遅れ要素)
6回目:ボード線図について(二次遅れ要素)
5回目:一次遅れ要素のボード線図について
   説明できる。
6回目:二次遅れ要素のボード線図について
   説明できる。
4週 7回目:演習(前半期間の内容)
8回目:演習解説、過渡応答について
        (比例、積分、微分、むだ時間)
7回目:設問から重要な箇所を確認できる。
8回目:演習解説から重要な箇所を確認できる。
   システムの入力にδ関数とステップ関数を
   加えたときの応答を調べる方法を説明できる。
5週 9回目:一次遅れ要素の過渡特性について
10回目:二次遅れ要素の過渡特性について
9回目:一次遅れ要素のインパルス応答とステップ
    応答の図が描ける又はそのための計算が
    できる。
10回目:二次遅れ要素のインパルス応答とステップ
    応答の図が描ける又はそのための計算が
    できる。
6週 11回目:システムの安定性について
12回目:システムの安定判別法について
11回目:フィードバックシステムの安定性を
    システムの特性方程式の根から説明できる。
12回目:ラウスとフルビッツの安定判別法を用いて
    システムの安定判別が説明できる。
7週 13回目:定常特性について
14回目:制御系の形と内部モデル原理
13回目:システムの定常特性を定常偏差を用いて
    説明できる。
14回目:制御系の形と定常偏差を0にする
    内部モデル原理について説明できる。
8週 15回目:定期試験返却と解答解説 15回目:試験問題の解説から重要な箇所を
    確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4前4,前5
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4前7
システムの周波数特性について、ボード線図を用いて説明できる。4前2,前3
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4前6

評価割合

演習定期試験レポート合計
総合評価割合303040100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】 25251060
思考・推論・創造性【適用、分析レベル】553040
汎用的技能0000
態度・志向性(人間力)0000
総合的な学習経験と創造的思考力0000