制御工学Ⅲ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御工学Ⅲ
科目番号 25005 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 5
開設期 1st-Q 週時間数 2
教科書/教材 「演習で学ぶ 基礎制御工学 新装版」 森 泰親 著(森北出版)
担当教員 日髙 良和

到達目標

本科目の目的は、システムの過渡応答と安定性、定常特性について理解することである。
到達目標は次のようである。 ①システムの過渡応答についてステップ応答を用いて説明できる。 ②フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。 ③システムの定常特性を定常偏差を用いて説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達なレベルの目安 (不可)
評価項目1基本制御要素を結合したシステムの過渡応答の計算と波形を描くことができる。比例・微分・積分の制御要素を結合したシステムの過渡応答の計算ができる。比例・微分・積分の制御要素のいずれかのステップ応答の説明ができる。システムの過渡応答の説明ができない。
評価項目2安定判別法を利用して、安定なシステムを設計することができる。システムの安定・不安定をラウス判別法または、フルビッツの判別法のいずれかを用いて判別できる。フィードバックシステムの安定判別法を説明できる。フィードバックシステムの安定性を説明できない。
評価項目3内部モデル原理を利用して、定常偏差をゼロとするシステム設計ができる。制御系の形に対する定常特性を説明できる。システムの定常特性を定常偏差を用いて説明できる。システムの定常特性を定常偏差を用いて説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (C) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
※実務との関係
本科目は、企業で生産設備の電気系設計開発を担当していた教員が、その経験を生かし、基本制御要素からなるシステムの過渡応答と安定性及び定常特性について講義形式で授業を行う。
また、学修単位科目であるため、事前・事後学習としてのレポート(評価対象)を課す。
評価は、事前・事後学習レポートと定期試験によって行う。
授業の進め方・方法:
本科目は学修単位科目・1単位のため、授業は週1回の開講、全8回の実施であり、本シラバスに示したとおりの内容で進める
授業内容は次のようである。①入力信号が急激に変化したときの過渡的なシステムの時間応答 ②信号入力後に時間が十分に経たときのシステムの定常状態について ③システムが正常に安定して動作するか否かを調べる方法について
授業方法は、標準的な教科書を使用した必要事項の説明と例題による双方向型の方法とする。
注意点:
・本科目は、電気主任技術者資格取得(認定)に必要な科目(科目区分3)である。
・事前・事後学習レポートは評価対象である。
・指数関数と行列の計算を用いるので、十分に理解しておくこと。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ・授業の進め方
・過渡応答について
・授業のスケジュールと評価方法を説明できる。
・システムの入力にδ関数とステップ関数を加えたときの応答を調べる方法を説明できる。
2週 ・基本制御要素(比例、微分、積分、むだ時間、1次遅れ)のインパルス応答とステップ応答について ・比例、微分、積分、むだ時間と1次遅れ要素からなるシステムのインパルス応答とステップ応答の図が描ける又はそのための計算ができる。
3週 ・基本制御要素(2次遅れ)の
インパルス応答とステップ応答について
・2次遅れ要素からなるシステムのインパルス応答とステップ応答の図が描ける又はそのための計算ができる。
4週 ・システムの安定性について ・フィードバックシステムの安定性をシステムの特性方程式の根から説明できる。
5週 ・安定判別法
 ラウスとフルビッツの安定判別法について
・ラウスとフルビッツの安定判別法を用いてシステムの安定判別が説明できる。
6週 ・定常特性について ・システムの定常特性を定常偏差を用いて説明できる。
7週 ・制御工学のまとめ ・制御工学性の重要な箇所を確認できる。
8週 ・定期試験返却と解答解説 ・試験問題の解説から重要な箇所を確認できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野制御システムの過渡特性について、ステップ応答を用いて説明できる。4
システムの定常特性について、定常偏差を用いて説明できる。4
フィードバックシステムの安定判別法について説明できる。4

評価割合

定期試験レポート合計
総合評価割合6040100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】 501060
思考・推論・創造性【適用、分析レベル】103040
汎用的技能000
態度・志向性(人間力)000
総合的な学習経験と創造的思考力000