到達目標
この講義では電気エネルギーの輸送時など高電圧の電気エネルギーを取り扱う場合に生じる各種物質の絶縁破壊現象のメカニズムや高電圧技術の産業応用における電気、材料、熱などとの関係を理解することを目的とする。
①気体の物理的特性を理解し、説明できる。
②気体の絶縁破壊機構を説明できる。
③液体及び固体、複合誘電体の絶縁破壊機構を説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | マクスウェルの速度分布や気体の拡散、両極性拡散について説明できる。 | 荷電粒子の発生原理について説明できる。 | 気体分子や荷電粒子との衝突により生じる各種現象について説明できない。 |
評価項目2 | 定常気体放電であるグロー放電やアーク放電の構造や特徴を説明できる。 | 火花電圧と圧力・ギャップ長の関係法則であるパッシェンの法則について説明できる。 | 気体放電の原理とその特徴について説明できない。 |
評価項目3 | 液体や固体、または複合誘電体下における高電圧機器の絶縁対策法を検討できる。 | 複合誘電体下における絶縁破壊現象について説明できる。 | 液体や固体における絶縁破壊理論を説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
JABEE (c)
説明
閉じる
教育目標 (C)①
説明
閉じる
教育方法等
概要:
高電圧工学では、高電圧を取り扱う際に生じる物質の絶縁破壊(放電)現象の理解が非常に重要です。放電は、雷など自然界で発生するものや電力機器の運用、送電時にも発生します。また、放電によりプラズマ化した気体は半導体や環境浄化など幅広い産業で利用されています。この講義では、高電圧事象である放電現象の仕組みや送電機器の原理について学ぶとともに、高電圧発生原理や絶縁試験方法、そのほか、高電圧に限定せず放電現象を利用した様々な産業応用技術について幅広く学んでいきます。
授業の進め方・方法:
講義を中心に行う。必要に応じて演習やレポート課題を課す。
注意点:
受講にあたって、予習復習をすること。講義の内容は高電圧工学ではあるが絶縁破壊は電子部品から電機機器、高電圧設備でも発生します。したがって、気中の絶縁破壊(放電)機構の基本から、電気機器の絶縁技術や高電圧の発生方法、測定技術などの基本知識を学びます。
レポートは提出期限をを厳格に守る習慣を付けることで態度・志向性として評価に取り入れます。
授業計画
|
|
週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
高電圧工学の基礎と気体の性質 |
高電圧工学は電気理論、電気材料、電子工学、熱力学などの総合的な学問であることを理解する。気体分子の特徴を理解し、気体分子の速度分布及び衝突過程について説明できる。
|
2週 |
荷電粒子の発生と消滅 |
気体の中の荷電粒子の発生消滅原理(励起、電離、電子付着、解離)について説明できる。
|
3週 |
気体の放電理論 |
気体の放電原理を理解し、タウンゼント放電及びストリーマ放電について説明できる。
|
4週 |
火花放電 |
火花放電と最小放電電圧、パッシェンの法則について説明できる。
|
5週 |
定常気体放電 |
グロー放電とアーク放電の発生原理と特性について説明できる。
|
6週 |
液体及び固体の放電理論 |
液体及び固体の放電発生機構と特性について説明できる。
|
7週 |
複合体、誘電体の放電理論 |
複合三重点、誘電体の放電発生の起点となる理由を説明できる。
|
8週 |
期末試験 |
試験を行う。
|
4thQ |
9週 |
試験返却と解答解説まとめ |
全体の学習事項のまとめと授業評価アンケート調査を行う。
|
10週 |
|
|
11週 |
|
|
12週 |
|
|
13週 |
|
|
14週 |
|
|
15週 |
|
|
16週 |
|
|
モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
基礎的能力 | 20 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 30 |
専門的能力 | 50 | 0 | 0 | 0 | 0 | 20 | 70 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |