電子回路ⅠＡ

科目基礎情報

学校	宇部工業高等専門学校	開講年度	2017
授業科目	電子回路ⅠＡ
科目番号	0020	科目区分	専門 / 必修
授業形態	講義	単位の種別と単位数	履修単位: 1
開設学科	電気工学科	対象学年	4
開設期	後期	週時間数	2
教科書/教材	「電子回路」　桜庭一郎、大塚敏、熊耳忠著　(森北出版）
担当教員	岡本 昌幸

到達目標

①等価回路を用いて、トランジスタ増幅回路の特性（利得や周波数特性等）を解析することができる。
②増幅回路のバイアス方法を説明できる。
③演算増幅器を理解し、その基本的な演算回路を設計することができる。

ルーブリック

	理想的な到達レベルの目安	標準的な到達レベルの目安	未到達レベルの目安
評価項目1	所望の特性を得るために抵抗やバイパスコンデンサ・カップリングコンデンサの値を設計できる。	小信号等価回路において利得および周波数特性が解析できる。	トランジスタを含む増幅回路に対し、hパラメータを用いた小信号等価回路を書くことができない。
評価項目2	バイアスの安定係数を考慮して自己バイアス回路における回路定数を設計できる。	バイアスの安定係数を求めることができる。	バイアス回路を含む増幅回路に対し、直流等価回路および（小信号）交流等価回路を書くことができない。
評価項目3	周波数特性を考慮した上で所望の演算を行う演算増幅回路の設計ができる。	微分・積分回路の周波数特性を解析できる。	理想オペアンプによる反転増幅、加算、微分、積分回路の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (c) （数学・自然科学）

教育目標 （Ｃ）① （立案能力）

教育方法等

概要:

基本的なアナログ電子回路について学ぶ。トランジスタを含む増幅回路に対し、ｈパラメータを用いた小信号等価回路を導き、回路動作を求める方法を説明する。また演算増幅器（オペアンプ）を用いた各種演算回路について学ぶとともに、演算増幅器などの集積回路の内部回路について学ぶ。

授業の進め方・方法:

各種回路の説明を行った後、例題を用いた回路動作の解析を行うとともに、演習問題を解く。

注意点:

予習・復習をすること。理解度の確認のため，演習・レポート課題を課すので，有効に活用すること。
電子回路の理論について深く理解するためには，テブナンの定理や4端子回路網など電気回路の理論を再度復習することが重要となる。電子回路の教科書で理解できない箇所は，過年度に学習した電気回路の教科書を参考にするなどして当該科目の学力向上に努めること。

授業計画

		週	授業内容	週ごとの到達目標
後期
	3rdQ
		1週	電子回路の基礎①	バイポーラトランジスタ・FETの特性が理解できる。
		2週	電子回路の基礎②	FETの線形等価回路が理解できる。
		3週	電子回路の基礎③	トランジスタの４端子等価回路が理解できる。
		4週	増幅回路の基礎①	FETの自己バイアス回路が理解できる。
		5週	増幅回路の基礎②	バイアスにおける安定係数が理解できる。
		6週	増幅回路の基礎③	等価回路を用いたFET増幅回路の動作量の求め方が理解できる。
		7週	増幅回路の基礎④	等価回路を用いたトランジスタ増幅回路の動作量の求め方が理解できる。
		8週	帯域増幅回路①	帯域増幅回路における中域周波数特性が理解できる。また入出力容量を考慮した高域周波数特性が理解できる。
	4thQ
		9週	帯域増幅回路②	結合容量を考慮した低域周波数特性が理解できる。
		10週	帯域増幅回路③	ミラー効果と帯域増幅回路の総合特性が理解できる。
		11週	周波数選択増幅回路①	LC並列共振回路の性質が理解できる。
		12週	周波数選択増幅回路②	単一同調増幅回路の電圧利得が理解できる。
		13週	負帰還増幅回路①	負帰還増幅回路の利得、利得の安定化、周波数特性の改善法が理解できる。また負帰還による非直線ひずみの改善、入出力インピーダンスの変化が理解できる。
		14週	負帰還増幅回路②	直列直列注入帰還回路の電圧利得とパスコンの関係が理解できる。また並列並列注入帰還回路の電圧利得が理解できる。
		15週	期末試験
		16週	試験返却と解説	試験解説により，間違った箇所を理解する。

評価割合

	試験	発表	相互評価	態度	レポート	その他	合計
総合評価割合	80	0	0	0	20	0	100
基礎的能力	0	0	0	0	0	0	0
専門的能力	80	0	0	0	20	0	100
分野横断的能力	0	0	0	0	0	0	0