電気工学実験実習Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 電気工学実験実習Ⅰ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 自作した実験書を使用する。
担当教員 成島 和男,岡本 昌幸,仙波 伸也,碇 智徳,濱田 俊之

到達目標

①電気工学の基礎理論について実験・実習・演習を通じて習得する。
②各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための基礎知識を習得する。
③実験結果を実験レポートとしてまとめることができる。
④実験結果を工学的に考察し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1電気工学の基礎理論について、全ての実験の原理を理解し、他者に十分に説明できる電気工学の基礎理論について、テキスト中の原理の8割程度は理解できる。電気工学の基礎理論について、テキスト中の原理の6割程度は理解できる。電気工学の基礎理論について、理解できていない。
評価項目2各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための基礎知識を十分に習得でき、実験を個人でも遂行できる。各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための基礎知識を概ね、習得でき、実験を遂行できる。各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための、必要最小限度の基礎知識を習得でき、教員の助けを借りながらも実験を遂行できる。各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための基礎知識の習得について不十分であり、実験を行うことができない。
評価項目3実験結果を明瞭・簡潔にまとめることができ、読み手にもどのような実験を行ったのか理解できる実験レポートを作成できる。実験結果を実験レポートとして、図表を用いて工学的な評価を含めつつ、的確にまとめることができる。実験結果を実験レポートとして、図表を用いて形式通りには、まとめることができる。実験結果を実験レポートとしてまとめることができない。
評価項目4実験結果を工学的に本質を突いた考察ができ、明瞭、簡潔に説明できる。実験結果を工学的に、的確に考察し、明確に説明できる。実験結果を工学的に考察し、説明できる。実験結果を実験レポートとしてまとめられず、必然的に、工学的に考察、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (D) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
一年を通して、週に一回、電気工学の基礎事項の実験・実習・演習を行う。
授業の進め方・方法:
この授業の概要は、以下のとおりである。
(前期)
電子工作(テスタの製作)を通して、回路製作技術を養う。さらに電気回路の基礎理論についての実験を行い、テスタを使用した測定技術を習得するとともに、計算と実測の違いについて学ぶ。
(後期)
直流回路の基礎理論についての実験を行い、電圧計、電流計を用いた測定技術を習得するとともに、データ整理、報告書のまとめ方も習得する。また、交流回路についての実験を行い、インダクタンスと静電容量の働きを理解するとともに、オシロスコープの測定技術を習得する。
注意点:
実験は、技術者にとって、必要不可欠な仕事である。従って、将来、技術者を目指す諸君にとって実験は、重要科目である。また、高価な設備を使用するため、独学は困難である。これらのことをよく考え、実験に対して、決して、おろそかな態度をとってはならない。特に実験中の傍観は、絶対に禁物である。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験実習の心得(前期分) 実験実習について、スケジュール(前期分)及び注意事項等について理解する。
2週 テスタの使い方 一年次に作製したテスタの動作確認を行い、テスタの使用方法を習得する。
3週 直並列接続の合成抵抗 直並列接続された抵抗の合成抵抗を求める方法を習得する。
4週 抵抗の直列接続と分電圧 直列接続された抵抗の合成抵抗と各抵抗の分電圧を求める方法を習得する。
5週 抵抗の並列接続と分路電流 並列接続された抵抗の合成抵抗と各抵抗の分路電流を求める方法を習得する。
6週 直並列回路の電圧・電流 直並列接続された抵抗の合成抵抗と分電圧、分路電流を求める方法を習得する。
7週 演習①
第8-10週に行う実験について、理論的背景を復習する。
8週 キルヒホッフの法則①
キルヒホッフの法則(ブランヂ電流法)を用いて、複数の電源を含む回路の電圧・電流を求める方法を習得する。
2ndQ
9週 キルヒホッフの法則② キルヒホッフの法則(ノード電圧法)を用いて、複数の電源を含む回路の電圧・電流を求める方法を習得する。
10週 Δ-Y変換

Δ-Y接続された抵抗を含む回路の電圧・電流を解析する方法を習得する。
11週 直流電流・電圧の測定①
直流電圧計・電流計を用いた測定を通して、機器の特性、誤差と誤差率について理解する。
12週 直流電流・電圧の測定②
前回11回で行った実験を、本格的なレポートにまとめることができる。
13週 演習②
電気工学に関係の深い数学についての演習を行う。
14週 演習③
電気回路についての演習を行う。
15週 まとめ 実験実習Ⅰ前期のまとめを行う
16週
後期
3rdQ
1週 実験実習の心得(後期分) スケジュール(後期分)及び注意事項等について理解する。また、レポートのまとめ方の概要を理解する。
2週 電流計の内部抵抗と分流器 分流器を理解し、多レンジ電流計の原理について理解する。
3週 電圧計の内部抵抗と倍率器 倍率器を理解し、多レンジ電圧計の原理について理解する。
4週 直流電力の測定 直流電圧計・電流計を用いた直流電力の測定を通して、回路の組み方と誤差との関係について理解する。
5週 重ね合わせの理 重ね合わせの理について実験を通して理解する。
6週 相反の定理 相反の定理について実験を通して理解する。
7週 テブナンの定理 テブナンの定理について、実験を通して理解する。
8週 電気回路演習① 演習により電気回路の計算ができる。
4thQ
9週 直流ブリッジ回路 ブリッジ回路の平衡条件について、実験を通して理解する。
10週 オシロスコープ①
・直流波形の測定
オシロスコープの原理を理解するとともに、直流波形観測時の使い方を習得する。
11週 オシロスコープ②
・交流波形の測定
オシロスコープの原理を理解するとともに、交流波形観測時の使い方を習得する。
12週 オシロスコープ③
・位相測定(RL直列回路)
抵抗とインダクタンスの電流・電圧の関係を測定し、インダクタンスの働きを理解する。
13週 オシロスコープ④
・位相測定(RC直列回路)
抵抗とコンデンサの電流・電圧の関係を測定し、静電容量の働きを理解する。
14週 オシロスコープのまとめ オシロスコープの操作方法についてのまとめと確認を行い、実験手順書を作成できる。
15週 学習事項(後期分)のまとめ
授業改善アンケートの実施
学習事項(後期分)のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合0005095100
知識の基本的な理解000005050
思考・推論・創造への適応力000004545
汎用的能力0000000
態度・志向性0005005
総合的な学習経験と創造的思考力0000000