電気計測Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 電気計測Ⅰ
科目番号 0033 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「電子情報通信レクチャーシリーズ 電磁気計測」 岩崎俊著 (コロナ社)
担当教員 碇 智徳

到達目標

電気(電圧・電流・抵抗)の物理量の測定方法及び各種計測器の構造と動作原理等について学習し、電気・電子計測に関する理論や計測に必要な知識と手法を習得することを目標とする。
①計測の基礎(計測の分類法、精度や誤差の定義、単位の成立ち)について説明できる。
②電圧、電流の測定について説明できる。また、測定方法による各種物理量を計算できる。
③電力の測定について説明できる。また、測定方法による物理量を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1間接測定における誤差を理解し、誤差限界や相対標準偏差を計算できる。実際の物理量の測定について、計測方法を分類することができる。 計測方法や誤差の分類を6割程度説明できる。計測の基礎について、説明できない。
評価項目2エアトン分流器を理解し、多レンジ電流計を設計できる。分流器や倍率器における、倍率や内部抵抗を計算できる。分流器や倍率器の役割を説明できる。電圧・電流の測定について、説明できない。
評価項目3電力の測定について、電流計と電圧計の挿入する位置による優位性を理解し、回路を選択できる。内部抵抗を無視した場合の消費電力の相対誤差を計算できる。電流計と電圧計を用い、それぞれの内部抵抗を含めて計算した場合に負荷抵抗で消費される電力を計算できる。電力の測定について、説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
前半は電気に関係する物理量やその評価について学習し、後半は電気工学実験実習で利用する計測技術を中心に学習する。そのため、ここで学んだ内容を実験実習の考察等で活かすことができる。
授業の進め方・方法:
第二学年で取り組む実験実習の内容も含んでいるため、電圧計や電流計等の計器類をイメージしながら授業を受けることで理解の促進が見込まれる。
また、自学自習の内容としてレポートを課す。授業の初めにレポート課題の内容について、プレゼンテーションしてもらうので自力で調べて内容を理解しておく必要がある。レポート提出については、期限を厳守すること。
注意点:
授業内容としては、原理等の基礎を取り組むので、授業時間内に理解できるようにしっかりと集中して、毎回必ずノートを取り、話を聞いてほしい。その場で解決しようという心意気が大切です。授業に出席している限りは、寝ないように、手を動かしながら、しっかり話を聞いてください。試験前には自学自習用のレポートを返却するので、自分で板書したノートと併せて勉強することで内容を身につけてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 計測の基礎 1
・計測の目的と意義
・計測系の基本的な構造
・授業の進め方、評価方法を理解する。
・計測の目的と意義及び計測系の基本的な構造を説明できる。
2週 計測の基礎 2
・計測方法の分類
・計測方法の分類(アナログ計測/ディジタル計測,直接測定/間接測定,偏位法/零位法)を説明できる。
3週 計測の基礎 3
・誤差
・誤差とその表現方法を説明できる。
4週 計測の基礎 4
・誤差の統計処理
・誤差の統計処理を理解し、計測値の処理が行える。
5週 計測の基礎 5
・間接測定における誤差
・測定値の質の表現
・間接測定における誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。
・分解能や精度を説明できる。
6週 単位系と計測標準
・単位系の基礎
・SI単位系
・計測標準
・SI単位系における基本単位と組立単位を説明できる。
・計測標準とトレーサビリティの関係を説明できる。
7週 直流の測定 1
・アナログ指示計器
・分流器
・倍率器
・指示計器の動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。
・分流器・倍率器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法を説明できる。
8週 小テスト 学修内容が身についている。
2ndQ
9週 答案返却
直流の測定 2
・アナログ電子電圧・電流計
・ディジタル電圧計・電流計
・A/D変換を用いたディジタル計器の動作原理を説明できる。
10週 直流の測定 3
・電流の測定
・電圧・電位差の測定
・各測定における負荷効果の影響を理解し、相対誤差を計算できる。
11週 直流の測定 4
・電力の測定
・電圧計・電流計を用いた直流電力測定において電力量を計算し、有効な回路を選択できる。
12週 抵抗の測定 1
・抵抗とコンダクタンス
・抵抗器の種類
・導体の抵抗率及び導電率を計算できる。
・抵抗器の種類とその特徴を説明できる。
13週 抵抗の測定 2
・電圧降下法
・直読形抵抗計
・電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。
・直読形抵抗計を説明できる。
14週 抵抗の測定 3
・低抵抗及び高抵抗の測定
・面抵抗の測定
・低抵抗及び高抵抗の測定方法を説明できる。
・四探針法とファンデアパウ法を説明できる。
15週 定期試験 学修内容が身についている。
16週 答案返却・解答解説
学修事項のまとめ
試験問題の解説により、間違った箇所を理解する。学修事項のまとめを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路電荷と電流、電圧を説明できる。4
オームの法則を説明し、電流・電圧・抵抗の計算ができる。4
キルヒホッフの法則を用いて、直流回路の計算ができる。4
合成抵抗や分圧・分流の考え方を用いて、直流回路の計算ができる。4
電力量と電力を説明し、これらを計算できる。4
電子回路演算増幅器の特性を説明できる。3
計測計測方法の分類(偏位法/零位法、直接測定/間接測定、アナログ計測/ディジタル計測)を説明できる。4
精度と誤差を理解し、有効数字・誤差の伝搬を考慮した計測値の処理が行える。4
SI単位系における基本単位と組立単位について説明できる。4
計測標準とトレーサビリティの関係について説明できる。4
指示計器について、その動作原理を理解し、電圧・電流測定に使用する方法を説明できる。4
倍率器・分流器を用いた電圧・電流の測定範囲の拡大手法について説明できる。4
A/D変換を用いたディジタル計器の原理について説明できる。4
電圧降下法による抵抗測定の原理を説明できる。4

評価割合

試験小テストレポート態度合計
総合評価割合4040155100
基礎的能力303015580
専門的能力10100020
態度・志向性(人間力)00000