電気工学実験実習Ⅲ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 電気工学実験実習Ⅲ
科目番号 0048 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 実験テキスト
担当教員 橋本 基,岡本 昌幸,濱田 俊之,西田 克美,池田 風花

到達目標

①これまで学んだ知識・技術を適用して,実験実習の目的・原理が理解できる。
②実験実習の手法を習得して実施し、結果を得ることができる。
③実験実習の結果を整理・図表化等してレポートが作成できる。
④実習結果又は測定結果の妥当性や考察等について論理的に説明ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1実験実習の目的・原理を理解し、説明できる。実験実習の目的・原理について、一部理解できていないところもあるが、概略は説明できる。実験実習の目的・原理について最低限の項目を理解し、説明できる。実験実習の目的・原理を説明できない。
評価項目2実験実習の手法を習得し、自らの力で実施して結果を得ることができる。教員の僅かな助言により実験実習の手法を習得し、実施して結果を得ることができる。 教員の部分的な助言により実験実習の手法を習得し、実施して結果を得ることができる。教員の助言を受けても実験実習の手法を習得できず、実施して結果を得ることができない。
評価項目3実験実習の結果を整理・図表化してまとめ、レポートが作成できる。実験実習の結果について、最低限の整理・図表化ができており、体裁の整った実験レポートを作成することができる。実験実習の結果について、整理・図表化が不十分であるが、最低限の項目を実験レポートにまとめることができる。実験実習の結果を整理・図表化してレポートにまとめることができない。
評価項目4実験結果の妥当性や考察等を行い論理的に説明できる。実験結果の妥当性や考察等について、教員の僅かな助言により論理的に説明できる。実験結果の妥当性や考察等について、教員の一部分的な助言により論理的に説明できる。教員の助言を受けても実験結果の妥当性や考察等を行うことができず論理的に説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
通年開講
電気工学実験実習Ⅲでは、電子回路、電気機器、高電圧の3分野の実験実習を行う。
授業の進め方・方法:
電子回路、電気機器、高電圧の3分野について、実験を通して理解を深める。関連科目は、電子回路Ⅰ,電気機器Ⅰ・Ⅱ,高電圧工学である。座学の内容をしっかり復習して臨んでほしい。
注意点:
電気機器や高電圧実験では危険を伴うことが有るので、十分注意してください。レポートを提出期限内に提出できない場合は減点します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
2週 電子回路A. オペアンプによる増幅回路 反転増幅回路、非反転増幅回路が理解でき、増幅回路の周波数特性と入力インピーダンスの計測ができる。
3週 電子回路B. オペアンプを用いた各種演算回路 加算回路、減算回路、積分回路、対数変換回路が理解でき、入出力特性計測ができる。 
4週 電子回路C. トランジスタ増幅回路 トラジスタの静特性の測定と、増幅回路の設計および周波数特性の計測ができる。
5週 電子回路D. FET増幅回路 FETの静特性の測定と、増幅回路の設計および周波数特性の計測ができる。
6週 電子回路E. 正弦波発振回路  ハートレー、コルピッツ、ウイーンブリッジ発振回路が理解でき、その特性計測ができる。
7週 電子回路F. オペアンプを用いたアクティブフィルタ ローパスフィルタ、ハイパスフィルタ、ノッチフィルタが理解でき、その特性計測をができる。  
8週 機器1.単相変圧器の特性 無負荷試験、短絡試験により鉄損、銅損を求め、多様な負荷条件での効率計算を行う。
2ndQ
9週 機器2.三相変圧器の接続 Δ-Δ、Y-Y、Δ-Y、Δ-Y の各結線における各部の電圧・電流を測定し、各結線法の比較ができる。
10週 機器3.直流分巻電動機の運転 直流分巻電動機の始動法を修得し、界磁制御、電圧制御による速度制御特性を実験により求められる。
11週 機器4.直流発電機の無負荷特性 他励運転により、無負荷飽和曲線を測定し、次に自励にして実験を行い、自己励磁現象、臨界界磁抵抗について説明が出来る。
12週 機器5.直流直巻電動機の運転 直流直巻電動機の始動法を研修し、速度制御特性を実験により求められる。
13週 機器6.三相電力の測定 三相電力計を用いる方法、2電力計法などを用いた三相電力の測定ができる。
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 オリエンテーション
2週 電力1.照明工学実験 球形光束計及び長尺光度計にの構造を理解し、各種電球の光束及び光度測定を通じて、各種光源の光学的特性を比較検討できる。
3週 電力2.太陽電池の特性試験 太陽光発電設備の構造を理解し、太陽電池の電圧-電流特性及び発電特性の測定を行い、測定結果から太陽電池の発電特性について検討できる。
4週 電力3.系統連係インバータの特性試験 分散型電源を模擬した直流電源が商用電源系統に電力供給した場合の系統連係インバータの基本機能・動作・保護システムの基本特性の測定を行い、結果に対して比較・検討できる。
5週 電力4.衝撃電圧試験 雷電圧を模擬した衝撃電圧発生装置(インパルスジェネレーター)の原理、構造を理解し、50%フラッシオーバの測定を行い、測定結果に対して変動要因などの側面から検討できる。
6週 電力5.コロナ放電と気中火花放電特性試験 大気中のコロナ放電現象の観測及び電極形状や電圧の種類の違いによる火花放電電圧の測定を行い、結果に対して比較・検討できる。
7週 電力6.固体絶縁体の絶縁破壊特性試験 交流、直流高電圧による固体絶縁物の絶縁特性を試験する。試験結果から絶縁物の絶縁破壊における絶縁物の厚み、媒質効果について検討できる。
8週 機器1.直流発電機の負荷特性 直流発電機において、分巻、複巻の和動・差動の負荷特性を理解し、各発電機の負荷特性の測定・比較検討を行うことができる。
4thQ
9週 機器2.埋込磁石同期発電機の特性 埋込磁石同期発電機の特性を理解し、インバータ駆動の同期電動機に直結されたIPMSGの負荷特性及び負荷をPCSに置き換え(系統への)逆潮流を行ったときのPCS効率を測定し性能評価ができる。
10週 機器3.電気動力計によるIMの特性測定 誘導電動機のトルク特性を理解し、電気動力計を用いた三相誘導電動機の負荷特性を測定・検討できる。
11週 機器4.三相同期電動機の始動と特性試験 三相同期電動機の始動を行うことができる。同期電動機の位相特性を理解し、負荷試験により位相特性を測定・検討できる。
12週 機器5.サイリスタによる電力制御実験 サイリスタ交流位相制御の動作を理解し、実験により制御角と電圧の関係を求めることができる。
13週 機器6.誘導電動機のインバータ制御 誘導機のインバータ制御法を習得し操作できる。誘導電動機の特性を測定し検討することができる。
14週
15週
16週 まとめ
授業改善アンケート

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】増幅回路等(トランジスタ、オペアンプ)の動作に関する実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3

評価割合

レポート発表相互評価態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合80002000100
目的・原理が理解できる150000015
実験手法が理解できる150000015
実験結果の整理や図表化が出来る250000025
実験結果に対する考察が出来る。250000025
協力して実験が出来る000200020