電子工学B

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電子工学B
科目番号 0069 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「電子デバイス工学(第2版)」 古川静二郎、荻田陽一郎、浅野種正 著(森北出版)
担当教員 仙波 伸也

到達目標

①pn接合(ダイオード)のエネルギー帯構造を理解し、整流特性について説明できる。
②バイポーラトランジスタのエネルギー帯構造を理解し、その静特性を説明できる。
③接合型電界効果トランジスタの構造を理解し、その動作を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1整流特性とを説明でき、拡散電位と逆方向飽和電流を求め、整流特性との関係を説明できる。空乏層とエネルギー帯構造の特徴を用いて、整流特性を説明できる。pn接合(ダイオード)の空乏層の形成を説明できる。pn接合(ダイオード)の空乏層の形成を説明できない。
評価項目2エネルギー帯構造と関連付けて、活性領域と飽和領域の違いを説明できる。エネルギー帯構造と関連付けて、バイポーラトランジスタの静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造とその静特性を説明できる。バイポーラトランジスタの構造とその静特性を説明できない。
評価項目3接合型電界効果トランジスタの静特性とピンチオフ電圧、相互コンダクタンスの関係を説明できる。接合型電界効果トランジスタの静特性とピンチオフ電圧の関係を説明できる。接合型電界効果トランジスタの構造とその動作を説明できる。接合型電界効果トランジスタの動作を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第4学期開講
この授業ではデバイスの基本構造となるpn接合について考えます。この構造は発光ダイオードや太陽電池にも応用されます。さらに、構造を複雑化させた2種類のトランジスタについて考えます。主にデバイスの動作原理を理解することに重きを置きますが、実験実習とリンクして、初歩的なデバイスの扱い方も学びます。実験実習ではライントレーサーを作製しますので、その回路原理が説明できるようになってもらいたいです。
授業の進め方・方法:
補助プリント及び演習問題を補助教材として授業を進めます。
注意点:
 化学、物理の知識が重要です。必要に応じて復習してください。
 予習および復習をすることを心掛けてください。学習成果をレポートで確認しますが、必ず自分の力で解決するように努めてください。学習成果の評価には本試験の得点を加味します。
 クラス全体の到達度が低い場合を除いて、再試験は実施しません。実施する場合は、本試験の得点を加味します。
 授業中の携帯等、不必要な物の使用は禁止します。発見した場合は没収します。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 pn接合とダイオード① pn接合の構造及びエネルギーバンドについて説明できる。
2週 pn接合とダイオード② pn接合を用いたダイオードの総合的な電圧-電流特性について説明できる。
3週 pn接合とダイオード③ 拡散電位と過剰少数キャリヤの拡散による電流について説明できる。
4週 pn接合とダイオード④ 整流特性と図式解析法について説明できる。
5週 発光ダイオード 半導体の発光現象と発光ダイオードについて説明できる。
6週 太陽電池 太陽電池の光起電力効果について説明できる。
7週 バイポーラトランジスタ① トランジスタの構造とエネルギーバンド図について説明できる。
8週 バイポーラトランジスタ② トランジスタにおけるキャリヤの流れ及び静特性について説明できる。
4thQ
9週 バイポーラトランジスタ③ スイッチング動作と飽和領域の関係について説明できる。
10週 バイポーラトランジスタ④ 図式解析法を用いた電圧・電流の算出方法について説明できる。
11週 接合形FET① 接合形FETの動作原理について定性的に説明できる。
12週 接合形FET② 静特性および相互コンダクタンスについて説明できる。
13週 フォトダイオード フォトダイオードの特徴とその応用性について説明できる。
14週 まとめ
15週 定期試験
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電子工学pn接合の構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてpn接合の電流―電圧特性を説明できる。4
バイポーラトランジスタの構造を理解し、エネルギーバンド図を用いてバイポーラトランジスタの静特性を説明できる。4
電界効果トランジスタの構造と動作を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合80000020100
知識の基本的な理解5000001060
思考・推論・創造への 適用力300000535
汎用的技能0000000
態度・志向性(人間力)0000055
総合的な学習経験と 創造的思考力0000000