法学B

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 法学B
科目番号 0073 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 「はじめての法律学 HとJの物語 第5版」松井茂記・松宮孝明・曽野裕夫(有斐閣アルマ)、「法学六法」石川明 他編集(信山社)
担当教員 濵本 千恵子

到達目標

①法律上の家族について説明できる。民法上の家族の規定と、現実社会における家族の問題を説明できる。
②基本的人権の意味を説明できる。また、「新しい人権」、とりわけ自己決定権について自己の見解をまとめ、他者に説明することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限のレベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1法律上の「家族」と、現実社会の「家族」の在り方が必ずしも一致しないという現状について、自己の見解を説明できる。家族であることから生じる権利と義務を答えることができる。自分自身を起点として、自己の「法律上の家族」を答えることができる。法律上の家族の範囲を答えられない。
評価項目2生命や身体に関する自己決定について憲法で保障すべきかどうか、自己の見解を説明できる。1つの権利を「人権」として憲法で保障することの効果を説明できる。基本的人権の歴史的な位置づけを説明できる。基本的人権がどのような経緯で必要とされるに至ったのか説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
「法学」の講義全体としては「憲法」、「刑法」、「民法」を主軸に、関連する法律を確認する。本講義では、「憲法」の役割や、近代憲法制定の歴史的背景、現代社会における憲法問題を学ぶ。ただし講義の中で法律相談を行うわけではない。具体的なケースを上げながら、法律の根底にある「法の目的・役割」を探っていく。
授業の進め方・方法:
講義は教科書、および配布資料を中心に進める。教員が一方的に話すのではなく、可能な限り学生の発言をうながす。講義の際には自己の見解をまとめたり、その見解をさらに班ごとで検討する機会をもうけたいと考えている。原則的に一つの単元が終了した際には小テストを行う。また、学修単位科目であるので、講義外の事前・事後学習が必要である。事前学習の内容について、授業の最初に確認のための小テストを行うこともある。
注意点:
日本は法の支配する立憲国家である。日本における様々な制度の背景には法が存在し、これらの制度が我々の生活を支えている。法学を学習する際には、我々の生活と法が密接な関係にあることを念頭に置く必要がある。成績は、学期末の試験に加え、講義の際に行う小テスト、講義中のグループワークの成果を総合的に評価する。小テストは、原則として一つの単元が終了するごとに行うので、講義の中で、しっかりと講義の内容を理解しておく必要がある。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 民法Ⅲ 法学Aの復習。法律上の家族の範囲について説明できる。
2週 民法Ⅲ 民法と現実社会のずれを理解し、現在、どのような法律改正が行われているかを説明できる。
3週 憲法Ⅰ 基本原理 近代憲法の制定過程、「人の支配」から「法の支配」への変遷について説明できる。
4週 憲法Ⅰ 基本原理 大日本帝国憲法と日本国憲法の役割の違いを説明できる。日本国憲法の基本原理を説明できる。
5週 憲法Ⅱ 統治機構 日本における三権分立と国民主権のかかわりを説明できる。
6週 憲法Ⅲ 基本的人権 基本的人権の意味と意義を説明できる、また、その世界的位置づけを説明できる。自由権と社会権の違いを、双方が主張されるに至った歴史的背景を含めて説明できる。
7週 憲法Ⅲ 基本的人権 基本的人権にかかわる問題についてほかの学生と議論を行い、自己の見解を説明できる。
8週 定期試験 第3学期の内容について試験を行う。
2ndQ
9週 定期試験返却・解説 試験を返却し、解説を行う。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学社会地理歴史的分野近代化を遂げた欧米諸国が、19世紀に至るまでに、日本を含む世界を一体化していく過程について、その概要を説明できる。3
公民的分野自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。3
現代社会の考察現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。3

評価割合

試験小テスト発表レポート・宿題合計
総合評価割合50201515100
基礎的能力3010101060
専門的能力20105540
分野横断的能力00000