電気機器ⅠA

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気機器ⅠA
科目番号 0075 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 宮入庄太著:最新電気機器学(丸善)
担当教員 碇賀 厚

到達目標

①ファラディーの法則に関する計算ができる
②理想変圧器に関する計算ができる。
③単巻変圧器に関する計算ができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
評価項目1ファラデーの法則の積分系の式が適用できる。電源投入時の磁気飽和のおそれが説明できる。ファラデーの法則の微分系の式が適用できる。グラフを見て正弦波関数の式が、導出できない。
評価項目2一次換算等価回路を作成して、一次側の諸量が算出できる。一次巻線と二次巻線の電圧電流の関係が理解できる。巻数比と電圧の関係が説明できない。
評価項目3定磁束保存の理が、3次巻線がある場合についても適用できる。定磁束保存の理が、2次巻線がある場合について適用できる。起磁力の式が書けない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
数学の三角関数や交流回路の深い理解は電気機器学習には不可欠である。1年次の数学の教科書をひもといて理解ができない箇所をわかるようにする努力を望みたい。
電気機器は,フレミングの法則からわかるとおり,3次元の空間把握に慣れること,またファラデーの法則からわかるように微分についての物理的な解釈ができることが,学習の前提となっている。力学におけるニュートンの法則が,自分の中での思考を繰り返して初めて身につくように,粘り強い思考の繰り返しをして初めて理解できるのが電気機器という学問である。
電気機器は授業を聞くだけでわかる学問では決してない。したがって教科書は,行間に隠れている意味まで正しく理解ができるように最低10回は読み込まなくてはいけない。その際,忘れてならないのは式の展開は自分で紙に書いてみて完全に理解すること,図も自分で書いて空間把握に努めることである。
社会の中で動力源は利便性からもっぱら電動機に頼っている。電動機の基本的な理解は電気技術者にとって必須である。難しいといって尻込みするのではなく,4年次の誘導機や同期機,さらに機器実験に取り組んでもらいたい。重電の分野では,電気機器が最重要科目であり,これをしっかり理解しておくと,5年次の送配電工学の学習は楽に進めることができる。
この科目は、電機メーカーで回転機やパワーエレクトロニクス関連機器の設計開発と生産管理を担当していた教員がその経験を活かし、電気機器の動作原理や特性について電気主任技術者に必要な知識を講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
説明3/4,演習1/4の割合で講義を行う。
注意点:
まとめと演習では,理解度テストを実施します。 その解答を元に,理解の不十分な箇所を復習し定期試験に備えてください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 変圧器の基礎 ファラデーの法則の積分形を変圧器に適用できる
2週 理想変圧器 理想変圧器の仮定を説明でき,諸量を算出できる
3週 CTとPT CTとPTの原理,並びに取り扱い方法を説明できる
4週 単巻 変圧器 単巻変圧器の電流計算ができる
5週 まとめと演習 これまでの学習内容の理解を深める
6週 実際の変圧器 漏れリアクタンスの計算ができる
7週 変圧器の冷却と発達の経緯 コンサベータ装備,鉄心の積層,珪素鋼板採用の理由を説明できる
8週 励磁回路 励磁電流波形,等価正弦波を描くことができ,励磁回路定数の導出ができる
4thQ
9週 変圧器のフェーザ図 変圧器のフェーザ図を描くことができる
10週 まとめと演習 これまでの学習内容の理解を深める
11週 電圧変動率 電圧変動率の公式を導出できる
12週 変圧器の効率 効率最大の条件を理解でき、最大効率を算出できる
13週 三相変圧器 第3次高調波の問題と解消法を説明できる
14週 まとめと演習 これまでの学習内容の理解を深める
15週 定期試験
16週 試験返却 試験問題の解説を通じて理解度を深める

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学電気・電子系分野電気回路理想変成器を説明できる。4
電力直流機の原理と構造を説明できる。4
変圧器の原理、構造、特性を説明でき、その等価回路を説明できる。4

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオ演習合計
総合評価割合80000020100
基礎的能力4000001050
専門的能力3000001040
分野横断的能力100000010