電気工学実験実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2019
授業科目 電気工学実験実習Ⅱ
科目番号 0078 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 4
開設学科 電気工学科 対象学年 3
開設期 通年 週時間数 4
教科書/教材 自作した実験書を使用する。
担当教員 碇賀 厚,岡本 昌幸,仙波 伸也,碇 智徳

到達目標

①電気工学の基礎理論について実験・実習・演習を通じて習得する。
②各種実験機器の使用方法と実験方法及び実験を安全に行うための基礎知識を習得する。
③実験結果を実験レポートとしてまとめることができる。
④実験結果を工学的に考察し、説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1自らの力で、目的に応じた実験方法を説明でき、その方法を用いて結果を得ることができる。教員による僅かな助言を受けることによって、目的に応じた実験方法を説明でき、その方法を用いて結果を得ることができ る。教員による部分的な助言・修正を受けることによって、目的に応じた実験方法を説明でき、その方法を用いて結果を得ることができる。教員による助言を受けても、目的に応じた実験方法を説明できない、またはその方法を用いて結果を得ることができない。
評価項目2結果を整理して、表や図にまとめ、その特徴や傾向について考察できる。結果を整理して、表や図にまとめ、その特徴や傾向を説明できる結果を整理して、表や図にまとめることができる。結果を整理して、表や図にまとめることができない。
評価項目3詳細な説明がなされ、丁寧に体裁が整えられた実験レポートを作成する ことができる。最低限の説明がなされ、体裁の整った実験レポートを作成することができる。説明が不十分であったり、体裁が少し乱れているが、最低限の項目をレポートにまとめることができる。実験内容をレポートにまとめることができない。
評価項目4自らの力で、実験を通して得られた専門知識を説明できる。教員による僅かな助言を 受けることによって、実験を通して得られた専門知識を説明できる。教員による部分的な助言・修正を受けることによって、実験を通して得られた専門知識を説明で きる。教員による助言を受けても、実験を通して得られた専門知識を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
一年を通して、週に一回、電気工学の基礎事項の実験・実習・演習を行う。
授業の進め方・方法:
この授業の概要は、以下のとおりである。
(前期)
 電気磁気学と電気(電子)回路に関するテーマに関する実験を行います。
(後期)
 電子工学に関するテーマの実験を行います。またもの創りテーマとして、ライントレーサの作製を行います。
 
注意点:
実験はグループで行います。実験完了のためにメンバーと協力して、それぞれの役割をしっかりと果たしてください。そし て、チームで協同できる力を大切にしてください。お互いの貢献度を相互評価してもらいます。  各実験では報告書を作成してもらいます。体裁の整った報告書を書ける力を身につけるために、自分の力で書く努力をして ください。提出期限を守ってください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験説明(前期分) 実施要領、計器の取り扱い、レポートの書き方等について説明することができる。
2週 DC電位差計による計器の補正 DC電位差計を用いてDC電圧計、電流計の目盛補正を行い、指示計器の確かさを調べることができる。
3週 導体の固有抵抗測定 ダブルブリッジを用いて低抵抗測定法を修得し、各導体の固有抵抗(抵抗率)を求めることができる。
4週 周波数の測定 交流ブリッジによる周波数測定方法を修得し、交流ブリッジについての理解できる。
5週 キャパシタンスの特性測定 キャパシタンスCの性質を理解しRC直列回路における振幅-周波数特性と位相-周波数特性が理解できる。
6週 インダクタンスの特性測定 インダクタンスLの性質を理解しRL直列回路における振幅-周波数特性と位相-周波数特性が理解できる。
7週 等電位線
模型電極間の電位分布を測定し、等電位線、電気力線を求めて電極付近の電界の状態が理解できる。
8週 単相電力測定
単相電力計により電気製品の消費電力を測定し、その使用法を習得するとともに、電圧計、電流計により負荷の力率を測定しその概念を理解する。
2ndQ
9週 磁界の測定 ヘルムホルツコイルの中心軸上の磁束密度をガウスメータを用いて測定し、その分布を調べて電流による磁界についての理解を深める。
10週 基本論理演算回路

TTL,CMOSの電気的な特性計測を理解し、基本論理演算(AND,OR,NOT,NAND,NOR)の真理値表が作成できる。
11週 論理回路の相互変換
NANDまたはNORだけで他の論理演算を行う接続(相互変換)と論理式の回路化ができる。
12週 直列共振および並列共振回路の特性
RLC直列共振回路、RLC並列共振回路の周波数に対する電流・位相特性を測定し、共振現象を理解する。
13週 RL回路およびRC回路の過渡特性
RL直列回路、RC直列回路に流れる電流の時間特性を測定し、過渡現象を理解する。
14週 電気回路の演習
記号法による交流回路計算法についての演習を行う。
15週 まとめ 全体の学習事項の概要を説明できる。
16週
後期
3rdQ
1週 実験説明(後期分) 実施要領、計器の取り扱い、レポートの書き方等について説明できる。
2週 ダイオードの静特性 ダイオードの電圧-電流特性を測定し、その特徴と使い方を説明できる。
3週 バイポーラトランジスタの静特性 バイポーラトランジスタの静特性を測定し、その特徴と使い方を説明できる。
4週 接合形電界効果トランジスタの静特性 接合形電界効果トランジスタの静特性を測定し、その特徴と使い方を説明できる。
5週 MOS形電界効果トランジスタの静特性 MOS形電界効果トランジスタの静特性を測定し、その特徴と使い方を説明できる。
6週 受光素子の特性 CDS光導電セル・フォトトランジスタの特性を測定し、その特徴と使い方を説明できる。
7週 組み合わせ論理回路 論理回路の設計(真理値表から論理式を求め、回路化する)を行うことができる。
8週 フリップフロップ 基本的なフリップフロップ(RS,RST,JK,D,T)について論理的な動作を説明できる。
4thQ
9週 カウンタとシフトレジスタ カウンタ(16進、10進、12進)、シフトレジスタ(5ビット)のタイミングチャートを作成し、その原理を説明できる。
10週 電子工作① 回路パターン図作成ソフト(PCBE)の使い方を説明できる。
11週 電子工作② 光センサーを利用したライントレーサーの回路原理を説明できる。
12週 電子工作③ PCBEを用いて回路のパターン図を作製することができる。
13週 電子工作④ エッチングにより回路基板を作製することができる。
14週 電子工作⑤ 部品をハンダ付けし、ライントレーサーを完成させることができる。
15週 学習事項(後期分)のまとめ
授業改善アンケートの実施
学習事項(後期分)のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力自然科学物理電気オームの法則から、電圧、電流、抵抗に関する計算ができる。4
ジュール熱や電力を求めることができる。4
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
専門的能力分野別の工学実験・実習能力電気・電子系分野【実験・実習能力】電気・電子系【実験実習】電圧・電流・電力などの電気諸量の測定が実践できる。4
抵抗・インピーダンスの測定が実践できる。4
オシロスコープを用いて実際の波形観測が実施できる。4
電気・電子系の実験を安全に行うための基本知識を習得する。4
ブリッジ回路の平衡条件を適用し、実験結果を考察できる。4
インピーダンスの周波数特性を考慮し、実験結果を考察できる。4
共振について、実験結果を考察できる。4
論理回路の動作について実験結果を考察できる。4
ダイオードの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
トランジスタの電気的特性の測定法を習得し、その実験結果を考察できる。4
ディジタルICの使用方法を習得する。4
分野横断的能力態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3

評価割合

試験発表相互評価態度レポート成果品合計
総合評価割合00058510100
知識の基本的な理解000050555
思考・推論・創造への適応力000035540
汎用的能力0000000
態度・志向性0005005
総合的な学習経験と創造的思考力0000000