制御情報工学実習Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 制御情報工学実習Ⅱ
科目番号 32025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実習 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 制御情報工学科 対象学年 2
開設期 通年 週時間数 3
教科書/教材 プリント配布
担当教員 長峯 祐子,内堀 晃彦

到達目標

H8マイコンを用いて,制御に関する基礎的な知識とプログラミング技術を身に付けることを目的とする.
本科目の到達目標は以下の通りである.
(1) H8マイコンを構成する基本要素について,その名称を挙げることができる.
(2) 実習で取り扱ったセンサ,アクチュエータの構造について説明することができる.
(3) サンプルプログラムが与えられた場合,実習で取り扱った一部のハードウェアを目的通りに動作させるプログラムを作成することができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1H8マイコンを構成する基本要素の名称と役割を説明することができる。H8マイコンを構成する基本要素について、部分的にその名称と役割を説明することができる。H8マイコンを構成する基本要素について、その名称を挙げることができる。H8マイコンを構成する基本要素について、その名称を挙げることができない。
評価項目2実習で取り扱った全てのセンサ、アクチュエータの構造と原理を説明することができる。実習で取り扱った一部のセンサ、アクチュエータの構造と原理を説明することができる。実習で取り扱ったセンサ、アクチュエータの構造について説明することができる。実習で取り扱ったセンサ、アクチュエータの構造を説明することができない。
評価項目3実習で取り扱った全てのハードウェアを目的通りに動作させるプログラムを作成することができる。実習で取り扱った一部のハードウェアを目的通りに動作させるプログラムを作成することができる。サンプルプログラムが与えられた場合,実習で取り扱った一部のハードウェアを目的通りに動作させるプログラムを作成することができる。実習で取り扱ったハードウェアを動作させるプログラムを作成することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1~3学期 開講
この授業では、H8 マイコン実習キットと C 言語によるプログラミングを用いた実習を行います。
授業の進め方・方法:
この実習では、H8マイコンに関する様々な要素技術を習得してもらいたいと思います。3年次以降の実習で必要不可欠な技術ですので、しっかり取り組んでもらいたいと思います。
注意点:
第2学期、第3学期末に補講を実施しますので、注意すること。
安全管理上、実習中は制服ならびに靴を着用していない者は実習が受けられず、欠席扱いとなることに注意すること。
教材は他学生も使用するので、丁寧に取り扱うこと。
教材はグループ単位で1セット配布するので、グループ内で譲り合いながら円滑に利用すること(占有しない)。
各自でUSBを購入し、作成したプログラムやドキュメントを自己管理すること。
特に、USBメモリ、配布プリント、教科書等、実習に必要な持参物を忘れたものは、自己管理力に欠けているとみなし、実習技術から減点する。
PCは共用するので、原則PCへのデータ等の保存を禁止する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
概要・環境設定
H8マイコンと実習機材
シラバスから学習の意義、授業の進め方、評価方法を理解できる。プログラム編集、クロスコンパイル、ダウンロードおよび実行手順を把握できる。
H8マイコンの概要と実習機材の取り扱いについて理解できる.
2週 LEDの点灯① ポートへの出力を行うプログラムを作成・実行し、その結果を確認することができる。
3週 LEDの点灯② LED の概念および制御に関する内容について理解し、与えられた課題に取り組み解決することができる。
4週 オシロスコープ入門 オシロスコープの使い方を習得し、ポートの出力信号を実際に確認することができる。
5週 7セグメントLEDの制御① 7セグメントLEDの点灯を時系列で変化させるプログラムを作成・実行し、その結果を確認することができる。
6週 7セグメントLEDの制御② ダイナミック点灯の概念について理解し、7セグメントLEDのダイナミック点灯に関する簡単なプログラムを作成することができる。
7週 レポート① LED と 7セグメント LED に関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決し、その結果をレポートとしてまとめることができる。
8週 スイッチ① ポートへの入力を受け付けるプログラムを作成・実行し、その結果を確認することができる。
2ndQ
9週 スイッチ② ビット演算を用いて、特定のビット値のみを取り出す方法を理解できる。
10週 スイッチ③ ビット演算を応用し、LED、7セグメントLED、スイッチを連動させたプログラムを作成・実行し、その結果を確認することができる。
11週 総合演習① LED及びSWに関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決することができる。
12週 総合演習② LED及びSWに関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決することができる。
13週 DCモーター① DCモータの原理を理解するとともに、モータを動かすプログラムを作成・実行し、その動作を確認することができる。
14週 DCモーター② DCモータの原理を理解するとともに、プッシュスイッチ及び、トグルスイッチでモータを動かすプログラムを作成・実行し、その動作を確認することができる。
15週 (補講日)レポート② SW、及び、DCモーター に関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決し、その結果をレポートとしてまとめることができる。
16週
後期
3rdQ
1週 ロータリーエンコーダ① ロータリーエンコーダの原理を理解するとともに、ロータリーエンコーダの出力を確認するプログラムを作成・実行し、その結果をオシロスコープで確認することができる。
2週 ロータリーエンコーダ② エンコーダの出力を用いて、モータの回転方向を算出するプログラムを作成・実行し、その結果を確認することができる。
3週 ロータリーエンコーダ③ DCモーターとエンコーダに関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決することができる。
4週 車両型ロボット 車両型ロボットを用いて、車両を制御し前進、後退、停止などの動作を行うためのプログラムを作成することができる。
5週 A/D変換① A/D変換の概念、基本操作について理解できる。
6週 A/D変換② フォトリフレクタ信号のA/D変換について理解できる。
7週 A/D変換③ フォトリフレクタ信号をA/D変換して、車両型ロボットの簡単な制御を行うことができる。
8週 (補講日)レポート③
授業改善アンケートの実施
ロータリーエンコーダー、及び、A/D 変換と車両型ロボットの制御に関する実習内容を復習し、与えられたレポート課題に取り組み解決し、その結果をレポートとしてまとめることができる。
全体のまとめを行う.
また、授業改善アンケートを実施する。
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学情報系分野プログラミング代入や演算子の概念を理解し、式を記述できる。3
プロシージャ(または、関数、サブルーチンなど)の概念を理解し、これらを含むプログラムを記述できる。3
変数の概念を説明できる。3
データ型の概念を説明できる。3
制御構造の概念を理解し、条件分岐を記述できる。3
制御構造の概念を理解し、反復処理を記述できる。3
与えられた問題に対して、それを解決するためのソースプログラムを記述できる。4
ソフトウェア生成に必要なツールを使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。4
与えられたソースプログラムを解析し、プログラムの動作を予測することができる。4
主要な言語処理プロセッサの種類と特徴を説明できる。3
ソフトウェア開発に利用する標準的なツールの種類と機能を説明できる。3
プログラミング言語は計算モデルによって分類されることを説明できる。3
主要な計算モデルを説明できる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを設計できる。3
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを設計することができる。3
要求仕様に従って、いずれかの手法により動作するプログラムを実装することができる。3
要求仕様に従って、標準的な手法により実行効率を考慮したプログラムを実装できる。3
ソフトウェアアルゴリズムの概念を説明できる。3
与えられたアルゴリズムが問題を解決していく過程を説明できる。3
同一の問題に対し、それを解決できる複数のアルゴリズムが存在しうることを説明できる。3
整列、探索など、基本的なアルゴリズムについて説明できる。3
時間計算量によってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。3
領域計算量などによってアルゴリズムを比較・評価できることを説明できる。3
コンピュータ内部でデータを表現する方法(データ構造)にはバリエーションがあることを説明できる。3
同一の問題に対し、選択したデータ構造によってアルゴリズムが変化しうることを説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造の概念と操作を説明できる。3
リスト構造、スタック、キュー、木構造などの基本的なデータ構造を実装することができる。3
ソフトウェアを中心としたシステム開発のプロセスを説明できる。3
ソースプログラムを解析することにより、計算量等のさまざまな観点から評価できる。3
同じ問題を解決する複数のプログラムを計算量等の観点から比較できる。3
計算機工学整数を2進数、10進数、16進数で表現できる。4
その他の学習内容少なくとも一つの具体的なコンピュータシステムについて、起動・終了やファイル操作など、基本的操作が行える。4
分野別の工学実験・実習能力情報系分野【実験・実習能力】情報系【実験・実習】与えられた問題に対してそれを解決するためのソースプログラムを、標準的な開発ツールや開発環境を利用して記述できる。3
ソフトウェア生成に利用される標準的なツールや環境を使い、ソースプログラムをロードモジュールに変換して実行できる。3
ソフトウェア開発の現場において標準的とされるツールを使い、生成したロードモジュールの動作を確認できる。3
フローチャートなどを用いて、作成するプログラムの設計図を作成することができる。3
問題を解決するために、与えられたアルゴリズムを用いてソースプログラムを記述し、得られた実行結果を確認できる。3
与えられた仕様に合致した組合せ論理回路や順序回路を設計できる。3
基礎的な論理回路を構築し、指定された基本的な動作を実現できる。3
論理回路などハードウェアを制御するのに最低限必要な電気電子測定ができる。3
標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。3
要求仕様にあったソフトウェア(アプリケーション)を構築するために必要なツールや開発環境を構築することができる。3
要求仕様に従って標準的な手法によりプログラムを設計し、適切な実行結果を得ることができる。3

評価割合

試験発表相互評価レポートポートフォリオ実習技術合計
総合評価割合00050050100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】0002502045
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】0002502045
態度・志向性(人間力) 【主体性、自己管理力】000001010