卒業研究Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和06年度 (2024年度)
授業科目 卒業研究Ⅰ
科目番号 34027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 3
開設学科 制御情報工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 前期:3 後期:3
教科書/教材 C入門(培風館、浦 原田)
担当教員 伊藤 直樹,田辺 誠,松坂 建治

到達目標

(1)仕様どおりのプログラミングを作成できること。
(2)プログラ厶の検証により評価を行い、評価に関するレポートが作成できること。
(3)実験の目的・結果・考察をまとめた実験レポートをまとめるできること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1仕様を満たすプログラムを作成し評価することができる。仕様を満たすプログラムを考えることができ作成することができる。仕様を満たすプログラムを作成することができる。仕様を満たすプログラムを作成することができない。
評価項目2プログラムを検証を通して評価することができる。プログラムの検証を通して検討することができる。プログラムの検証をすることができる。プログラムの検証をすることができない。
評価項目3考察され整理した実験レポートをまとめることができる。実験結果を整理・解析・図表化した実験レポートを作成できる。実験の目的・結果・考察をまとめた実験レポートを作成できる。実験の目的・結果・考察をまとめた実験レポートを作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1~4学期開講
※実務との関係
この科目は企業で通信機器に搭載される回路の設計を担当していた教員が、その経験を活かし、組込みシステムの設計等について実習形式で授業を行うものである。本科目では組込みシステムのデバイスドライバーの開発に焦点をあて、H8マイコンによる制御の実習を通じて、複数の割り込み処理やデバッグ手法などの基本的な知識や技術を身につける。
授業の進め方・方法:
本科目はPBL方式で行う授業である。PBL(Project-Based Learning)とは、和訳では「課題解決型学習」であり、座学(講義形式教育)と一線を画するものである。高度情報化社会に代表される科学の進歩に対して、「講義」と「実験・演習」の積み上げ(詰め込み型教育、系統的教育)により教える量を増やしても、多岐にわたる学問分野を網羅できない。本学科では知識や技術の伝授よりも、個々の学生に適した方法論の習得と確立を重視する。この点で、PBLでは具体的な課題を設定するため、課題解決という目標に向かって学生は意欲的に取り組み、その過程で自分の方法論を獲得することができる。
 教員はまず学生に課題を出す。このとき幾つかのインストラクションは行うが、あくまで学生が自主的に学習して授業に積極的に参加することを求める。
注意点:
プログラミングの講義、データ構造とアルゴリズム、情報数学・情報処理、さらに電気回路・電子回路などの講義で学ぶプログラムやマイコン、回路の知識を実験を通して確認する。プログラミングによる情報技術の理解のみならず、センサーの特性に応じた計測・制御方法を習得する。さらに、デジタルオシロスコープ・ロジックアナライザーなどの測定器により信号を測定を通して、デバイスなどの基本的操作方法を説明する。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 説明・注意事項, 環境設定
課題1の提示(Ver.0からVer.1の派生開発:設計を元にした実装・検証)
実験を進めるにあたっての全体的注意事項と数値の取り扱い、各実験テーマの概略、レポートの作成方法について理解する。また、設計、開発、検証および報告書作成およびドキュメント管理に必要な環境設定ができる。
2週 [分析]
モデリング言語の理解
仕様書(Ver.0)のレビュー:設計の理解
ユースケース図、モジュール関連図(クラス図)、手順図(シーケンス図)やPAD図などの記法について、読み方を理解する。
与えられた仕様書を読み、システムの機能、構造、振舞いに関する設計について理解できる。また、不明な点をグループで共有し、レビュー表に記入できる。
3週 [分析]
仕様書(Ver.0)のレビュー:設計と実装音関連付け
仕様書(Ver.1)のレビュー
仕様書に書かれた設計とC言語による実装を関連付け、設計と実装との関係を理解できる。また、実装の対象となる仕様書(Ver.1)を読み、Ver.0との違いを確認できる。不明な点をグループで共有し、レビュー表に記入できる。
4週 [実装] 仕様書(Ver.1)の実装 仕様書(Ver.1)に与えられた設計に基づく実装方針を立て、C言語による実装を始めることができる。成果物の管理をgitで行うことができる。
5週 [実装・検証] 仕様書(Ver.1)の実装および成果物の検証 C言語で実装、ビルド、実行ができる。また、機能要件(定性的な性質)について目視で確認できる。成果物の管理をgitで行うことができる。
6週 [検証] 成果物(Ver.1)の検証 作成したシステムが課題で与えられた要件を満たすかどうか検証できる。非機能要件(定量的な性質)についてはオシロスコープを用いて測定できる。
7週 [報告] 課題1の報告書作成 実装・検証内容に関する報告書をmarkdown形式で作成できる。
8週 [報告] 課題1の報告書作成 実装・検証内容に関する報告書がmarkdown形式で作成できる。
2ndQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週 [分析] 課題2の提示(Ver.1からVer.2の派生開発:設計、実装および検証) 課題の要求について理解し、設計方針を立て、グループでの担当を決めることができる。
2週 [分析] タイマー機能の確認 課題の設計および実装に必要なタイマー機能についてハードウェアマニュアルとサンプルコードをもとに確認することができる。
3週 [設計] 仕様書(ver.2)の作成(個人)。 分担して仕様書(Ver.2)の作成を行い、成果物の管理をgitで行うことができる。
4週 [設計] 仕様書(ver.2)の作成(グループ) 仕様書の成果物についてグループでレビューを行い、整合性を確認するとともにレビュー表に記録することができる。成果物の管理をgitで行うことができる。
5週 [設計]・レビュー] 仕様書(ver.2)のレビュー(他グループ) 他グループの仕様書についてグループでレビューを行い、整合性を確認するとともにレビュー表に記録することができる。成果物の管理をgitで行うことができる。
6週 [設計]・レビュー] 仕様書(ver.2)のレビュー対応および再レビュー 他グループからのレビューに対応し、仕様書の修正を行うことができる。また、他グループのレビュー対応に対し、再レビューを行い、レビュー表に記録することができる。成果物の管理をgitで行うことができる。
7週 [分析] 与えられた仕様書(ver.2)に基づく実装方針の検討 他グループが作成した仕様書に基づく実装にあたり、実装方針を検討する。
8週 [実装] 仕様書(Ver.2)の実装 仕様書(Ver.2)に与えられた設計に基づく実装方針を立て、C言語による実装を始めることができる。成果物の管理をgitで行うことができる。
4thQ
9週 [実装・検証] 仕様書(Ver.2)の実装・検証 C言語で実装、ビルド、実行ができる。また、機能要件(定性的な性質)について目視で確認できる。成果物の管理をgitで行うことができる。
10週 [検証] 成果物(Ver.2)の検証 作成したシステムが課題で与えられた要件を満たすかどうか検証できる。非機能要件(定量的な性質)についてはオシロスコープを用いて測定できる。
11週 [検証] 成果物(Ver.2)の検証・考察 作成したシステムが課題で与えられた要件を満たすかどうか検証できる。非機能要件(定量的な性質)についてはオシロスコープを用いて測定できる。Ver.1との違いについて考察ができる。
12週 [報告] 課題2の報告書作成 実装・検証内容に関する報告書をmarkdown形式で作成できる。
13週 [報告] 課題2の報告書作成 実装・検証内容に関する報告書をmarkdown形式で作成できる。
14週 [報告] 課題2の報告書作成 実装・検証内容に関する報告書をmarkdown形式で作成できる。
15週 [まとめ] 一年間のまとめ・来年度の準備 一年間を振り返り、学習成果の自己評価ができる。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力情報系分野(実験・実習能力)情報系分野(実験・実習能力)標準的な開発ツールを用いてプログラミングするための開発環境構築ができる。4

評価割合

プログラミング検証レポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合303040000100
基礎的能力0000000
専門的能力303040000100
分野横断的能力0000000