到達目標
コンピュータシステムの全体機能は、コンピュータの高速な情報処理能力を担うハードウェアとコンピュータの幅広い問題適応能力を担うソフトウェアと呼ぶ機能を組み合わせたコンピュータシステムとして実現する。本講義では、ソフトウェアを開発する上で必要となるオペレーティングシステムについて説明する。到達目標は、(1)オペレーティングシステムの原理・機能を図解できる、(2)割込み機能の概要を図解できる、(3)プロセス管理などのオペレーティングシステムの基本的な事項を理解し図解することである。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限のレベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
オペレーティングシステムの概要の説明 | オペレーティングシステムの原理・機能・構成・モジュールについて図解ができる。 | オペレーティングシステムの原理・機能・構成について図解ができる。 | オペレーティングシステムの原理・機能について図解ができる。 | オペレーティングシステムの原理・機能について図解ができない。 |
評価項目2
オペレーティングシステムの概要の説明 | オペレーティングシステムの割込みの概要・要因・処理について図解が出来る。 | オペレーティングシステムの割込みの概要・要因について図解が出来る。 | オペレーティングシステムの割込みの概要について図解が出来る。 | オペレーティングシステムの割込みの概要について図解ができない。 |
評価項目3
プロセス管理の役割について説明 | プロセス管理・プロセス割付・プロセスコンテキストについて図解ができる。 | プロセス管理・プロセス割付について図解ができる。 | プロセス管理について図解ができる。 | プロセス管理について図解ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
第3学期開講
コンピュータの全体機能は、コンピュータの情報処理を担うハードウェアとコンピュータの幅広い問題処理能力を担うソフトウェアとを組み合わせたコンピュータシステムとして実現される。ソフトウェアが対象とする問題は多岐にわたるが、その中でも低レベルで扱いにくいハードウェア上に高性能で使いやすいコンピュータシステムを実現するという問題は、コンピュータシステムの開発研究の歴史の初期のころから研究されてきた重要なものである。この問題を解決するソフトウェアがオペレーティングシステムである。
コンピュータの仕組みを理解しようとお思った際、オペレーティングシステムの仕組みを理解せずに済ますわけには行かない。逆に、オペレーティングシステムのシステムがわかってくれば、コンピュータシステムの仕組みもわかってくる。オペレーティングシステムはハードウェアとアプリケーションソフトウェアをつなぐ要の役割を果たしており、そこを抑えることが出来ればコンピュータシステムの全体像が見えてくる。
本講義は前期に開講されたオペレーティングシステムの内容の続きであり、前期の概論的内容からより詳細な内容を学習する。
授業の進め方・方法:
自学自習のためのレポートを課す。
課題に付いては自らの探求を求める。
レポートの内容を試験範囲に含める。
注意点:
情報工学、電子工学、電気回路の知識が必要である。
計算機工学では主にコンピュータのハードウェアの観点からの説明であるが、本講義はハードウェアの基礎的な知識を基に必要におおじて引用し説明をおこなう。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
講義の概要とその進め方および評価方法について説明する。 プロセスの生成と消去について説明する。 |
前期開講のオペレーテングシステムに引き続いての講義の概要が理解できる。 プロセスの生成手順、消去手順が理解できる。
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2週 |
マルチタスクについて説明する。 プロセススケジューリングについて説明する。 |
プロセス間プロセススイッチについて理解できる。 プロセスの性質により分類され、プロセス湿気ジューリングが理解できる。
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3週 |
プロセススケジューリングとプロセス状態遷移について説明する。 スケジューリングアルゴリズムの役割について説明する。 |
プロセス管理手順により理解できる。 スケジューリングアルゴリズムの選定指標につい理解できる。
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4週 |
中 間 試 験 スケジューリングアルゴリズムの横取りありの場合について説明する。 |
スケジューリングアルゴリズムの優先度横取りの場合について理解する。
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5週 |
スケジューリングアルゴリズムの横取りなしの場合について説明する。 スレッドについて説明する。 |
ラウンドビン、FCFS、SJFについて理解できる。 プロセスとスレッドの関係が理解できる。
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6週 |
並行プロセスについて説明する。 排他制御について説明する。 |
プロセスの同期と相互排除の理解ができる。 共有資源の排除・協調について理解ができる。
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7週 |
セマフォについて説明する。 モニタについて説明する。 |
P-V操作の理解ができる。 モニタによる相互排除が理解できる。
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8週 |
期末試験 期末返却・解答解説 |
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解し、授業をまとめることができる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 情報系分野 | システムプログラム | コンピュータシステムにおけるオペレーティングシステムの位置づけを説明できる。 | 4 | |
プロセス管理やスケジューリングなどCPUの仮想化について説明できる。 | 4 | |
排他制御の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | |
記憶管理の基本的な考え方について説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | 演習課題 | 合計 |
総合評価割合 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 100 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
専門的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |