卒業研究Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 卒業研究Ⅱ
科目番号 35016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 10
開設学科 制御情報工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:6 後期:14
教科書/教材
担当教員 伊藤 直樹,落合 積,三宅 常時,三谷 芳弘,久保田 良輔,長峯 祐子,江原 史朗,松坂 建治,内堀 晃彦

到達目標

①自主的に新しい情報や知識を習得し,課題への継続的な取り組みができる。
②研究の目的を理解し,実験を計画して遂行し,結果を整理して解析できる。
③研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,論文を作成できる。
④研究成果の資料を作成して発表し,説明・説得することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1複数の専門分野及び専門分野以外の情報源に自らアクセスでき,自身の専門分野の情報や知識を整備し,最新のものに更新できる。複数の専門分野の情報源にアクセスでき,自主的に専門分野の新しい情報や知識を習得できる。一つの専門分野の情報源にアクセスでき,自主的に専門分野の情報や知識を習得できる。専門分野の知識や情報を,自主的に習得できない。 225時間以上,研究できない。
評価項目2研究の目的を完全に理解でき,研究の目的を達成する為に必要となる全ての課題を抽出できる。 課題を解決する為に必要となる実験を,全て計画できる。 計画した実験を,全て遂行できる。 実験結果を分かり易く整理でき,適切に解析し,解析過程を分かり易く説明できる。研究の目的をほぼ理解でき,研究の目的を達成する為に必要となる複数の課題を抽出できる。 課題を解決する為に必要となる実験を複数計画でき,遂行できる。 実験結果を分かり易く整理でき,解析できる。研究の目的をある程度理解でき,研究の目的を達成する為に必要となる実験を一つ計画でき,遂行できる。 実験結果を整理でき,解析できる。研究の目的を理解できず,研究の目的を達成する為に必要となる実験を計画できない。 計画した実験を遂行できない。 実験結果を整理できず,解析できない。
評価項目3研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめることができ,構成・体裁が整った論文を作成できる。 説明に必要な分かり易い図表を作成できる。 考察が十分なされている事が分かる文章を書くことができる。 文章で主張の妥当性を完全に説明できる。研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめることができ,構成・体裁の間違いが3個以内の論文を作成できる。 説明に必要な図表を作成できる。 文章で主張の妥当性を説明できる。研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,論文を作成できる。研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめることができず,論文を作成できない。
評価項目4専門分野以外の聴衆が見て容易に分かる研究成果の資料を作成できる。 明瞭な声で,表現は分かり易く,全体を見渡しながら発表できる。 質問に対して適切に応答でき,複数の質問者を説得することができる。専門分野の聴衆が分かる研究成果の資料を作成できる。 聞きとれる声で,時々聴衆を見ながら発表できる。 質問に対して応答でき,一人の質問者を説得することができる。研究成果の資料を作成,発表でき,説明できる。研究成果の資料を作成できない。 聴衆の前で発表できない。 研究内容を理解できず,説明・説得することができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1~4学期開講
文献調査,研究の計画,研究の実施,研究結果の解析と考察,今後の取組等を通じて,自ら新しい情報を獲得して研究を計画・遂行できる能力の育成を行うとともに,課題に対する解決能力及び研究成果をまとめて説明・説得する力を養う。
授業の進め方・方法:
提示するテーマから取り組む研究テーマを選択して,1年間研究に取り組む。指導教員と相談しながら,研究を遂行するために必要な知識を獲得していき,研究計画も自ら立案できるようになる。得られた実験結果を解析し,報告できるようになる。一年間の研究成果を卒業論文に纏めることができる。また,わかりやすい表現でプレゼンテーションを行うことができる。
注意点:
1.スケジュール
 (1)研究準備(調査・予備実験など,4月)
 (2)調査・実験・データ整理・解析など(5月~2月)
 (3)卒業研究発表会
2.卒業研究論文
 卒業研究論文は,所定の様式(目的・方法・結果・考察・結論等)に従って作成し,提出すること
3.卒業研究発表
 (1)卒業研究発表は公開とし,学外者,教員及び制御情報工学科3・4・5年生の多人数を対象としてプレゼンテーションを行う
 (2)研究概要をA4要旨1枚にまとめ提出する
 (3)わかりやすい表現でプレゼンテーションを行う
4.学習到達目標(1)のレポート作成は4月,7月,10月,12月を標準とする。ただし,研究室毎に提出時期を変更したり,提出回数を増やす場合がある
5.各研究室およびテーマ名
  4年次卒業研究Ⅰの配属を継続し,研究テーマは年度初めに決定する.

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 落合 積 (1) 障がい者のための生活支援機器の開発
(2) 画像処理を利用した人体動作の検出とその応用に関する研究
(3) PICやAVR等のマイコンを応用したメカトロニクスシステムに関する研究
2週 三宅 常時 (1)非線型現象に関する研究
(2)組み込みシステムの教材開発
3週 内堀 晃彦 (1)手指障害者用パワーアシスト機器の開発
(2)多足歩行ロボットの足首部アクチュエータの開発
(3)高専スポーツ用デバイスの開発
4週 三谷 芳弘 画像処理・パターン認識に関する研究
5週 久保田 良輔 (1)進化的計算法の探索性能改善や工学的な応用に関する研究
(2)画像処理に関する研究
上記の遂行に必要な技術を習得する。
6週 江原 史朗 (1) 音による異常診断に関する研究
(2) スマートフォンアプリの開発
7週 長峯 祐子 非線形現象のダイナミクスの研究
8週 伊藤 直樹 (1)マイクロ波・ミリ波計測システムおよび要素デバイスの開発とその産業応用
(2)燃焼プラズマのためのマイクロ波・ミリ波計測における要素デバイスの開発
(3)高周波回路のための低損失材料と微細加工技術の開発
2ndQ
9週 松坂建治 (1)アナログ電子回路および集積回路の設計・開発に関する研究
(2)アルゴリズム開発に関する研究
上記研究の遂行に必要となる基礎知識および技術を習得する。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3
工学基礎工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)工学実験技術(各種測定方法、データ処理、考察方法)物理、化学、情報、工学における基礎的な原理や現象を明らかにするための実験手法、実験手順について説明できる。3
実験装置や測定器の操作、及び実験器具・試薬・材料の正しい取扱を身に付け、安全に実験できる。3
実験データの分析、誤差解析、有効桁数の評価、整理の仕方、考察の論理性に配慮して実践できる。3
実験テーマの目的に沿って実験・測定結果の妥当性など実験データについて論理的な考察ができる。3
実験ノートや実験レポートの記載方法に沿ってレポート作成を実践できる。3
実験データを適切なグラフや図、表など用いて表現できる。3
実験の考察などに必要な文献、参考資料などを収集できる。3
実験・実習を安全性や禁止事項など配慮して実践できる。3
個人・複数名での実験・実習であっても役割を意識して主体的に取り組むことができる。3
共同実験における基本的ルールを把握し、実践できる。3
レポートを期限内に提出できるように計画を立て、それを実践できる。3
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3
複数の情報を整理・構造化できる。3
特性要因図、樹形図、ロジックツリーなど課題発見・現状分析のために効果的な図や表を用いることができる。3
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3
グループワーク、ワークショップ等による課題解決への論理的・合理的な思考方法としてブレインストーミングやKJ法、PCM法等の発想法、計画立案手法など任意の方法を用いることができる。3
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3
事実をもとに論理や考察を展開できる。3
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3
目標の実現に向けて計画ができる。3
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3

評価割合

レポート実験データ卒業論文発表ポートフォリオその他合計
総合評価割合2030401000100
基礎的能力2030401000100
専門的能力0000000
分野横断的能力0000000