解析ⅡA

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 解析ⅡA
科目番号 0004 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「新線形代数」 高遠節夫・他著 (大日本図書)
担当教員 三浦 敬

到達目標

高学年の数学や物理および専門科目の基礎となる科目である.第2学年で学んだ代数の続きとして,行列の固有値・固有ベクトル,対角化を学ぶ.
これらについて,基本的な問題を解くことができ,概念を理解および説明できるレベルを到達目標とする.
①線形変換の定義を理解し,線形変換を表す行列を求めることができる.
②合成変換や逆変換,回転を表す行列を求めることができる.
③固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列の対角化ができる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可) 未到達レベルの目安
評価項目1線形変換の定義を理解し,線形変換の応用に適用することができる.線形変換の定義を理解し,線形変換を表す行列を求め,説明することができる.線形変換の定義を理解し,線形変換を表す行列を求めることができる.線形変換の定義を理解しておらず,線形変換を表す行列を求めることができない.
評価項目2合成変換や逆変換,回転を表す行列を求めることができ,それらの応用に適用することができる.合成変換や逆変換,回転を表す行列を求めることができ,説明することができる.合成変換や逆変換,回転を表す行列を求めることができる.合成変換や逆変換,回転を表す行列を求めることができない.
評価項目3固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列の対角化を用いた応用に適用することができる.固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列の対角化ができる.またそれらを説明することができる.固有値・固有ベクトルを求めることができ,行列の対角化ができる.固有値・固有ベクトルを求めることができず,行列の対角化ができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1学期開講.
本講義では,行列の応用として線形変換,固有値,固有ベクトル,行列の対角化を扱う.これらは,高学年で学ぶ解析学の応用である,ベクトル解析や微分方程式の理論に必要な概念であるばかりでなく,工学の基礎ともなる理論である.
授業の進め方・方法:
線形変換のもつ性質は,その行列の固有値・固有ベクトルを求めることで全てが解明される.すなわち,拡大・縮小の方向とその倍率によって図形の変換は決定される.行列がどんなに複雑であっても基底を取り替えることにより行列は非常に見やすい形に変形される.このことは,今後,専門科目で行列を扱うときに大きな武器になるであろう.応用範囲の広い固有値の概念を是非ともマスターしてほしい.
注意点:
この科目で扱う内容は,今後学ぶ数学や物理および専門科目に直接使われるものであるため,内容をしっかりと身につけることが必要となる.そのためには,授業の予習,復習を欠かさず行い,問題集を活用して自発的に問題演習に取り組むことが重要となる.
また,今までに学んだ数学の内容が基礎となるので,しっかりと復習し,弱点を克服しておくことが肝要である.
継続的な学習の確認として小テストを実施する.小テストを実施するときは,事前にアナウンスをするのでしっかりと勉強すること.なお,小テストの試験範囲は問題集から指定する.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
シラバスから,学習の意義,授業の進め方,評価方法を理解できる.
2週 線形変換(1)
線形変換の定義を理解できる.
3週 線形変換(2)
線形変換の性質を理解できる.
4週 線形変換(3)
合成変換と逆変換を理解し,それらを求めることができる.
5週 線形変換(4)
回転を表す線形変換を理解し,求めることができる.
6週 線形変換(5)
直交変換を理解できる.
7週 線形変換(6)
線形変換のまとめとして問題演習を行う.線形変換に関する基本的な問題を解くことができる.
8週 固有値(1)
固有値・固有ベクトルの定義を理解できる.
2ndQ
9週 固有値(2)
2次正方行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.
10週 固有値(3)
3次正方行列の固有値・固有ベクトルを求めることができる.
11週 固有値(4)
行列の対角化を理解できる.
12週 固有値(5)
行列の対角化を理解し,計算することができる.
13週 固有値(6)
対称行列の対角化を理解できる.
14週 固有値(7) 対角化の応用について.2次形式の標準形や行列のべき乗を計算できる.
15週 第1学期末試験
16週 答案返却・解説
全体の学習事項のまとめ
授業改善アンケート実施
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合5025250000100
知識の基本的な理解【知識・記憶,理解レベル】302020000070
思考・推論・創造への適用力【適用,分析レベル】1055000020
汎用的技能【論理的思考力】1000000010