代数A

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 代数A
科目番号 0008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 制御情報工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 新 線形代数(大日本図書)/ ドリルと演習シリーズ 線形代数(電気書院)
担当教員 石田 弘隆

到達目標

(1) ベクトルと内積の定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさや内積を求めることができる。
(2) ベクトルの成分表示を理解し、基本的な計算ができる。
(3) ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。
(4) 平面ベクトルの性質を理解し、平面上の直線・円の方程式を求めることができる。
(5) 空間のベクトルの性質を理解し、空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1ベクトルと内積の定義を説明することができ、ベクトルに関する様々な計算ができる。 さらに、ベクトルの性質を用いて、図形に関する性質を証明することができる。 ベクトルと内積の定義を説明することができ、大きな間違いがなく、ベクトルに関する様々な計算ができる。 ベクトルと内積の定義を説明することができ、ベクトルに関する基本的な計算ができる。 ベクトルや内積の定義を説明することができない。または、ベクトルに関する基本的な計算ができない。
評価項目2ベクトルの垂直条件成分表示について説明することができ、ベクトルに関する様々な計算ができる。 ベクトルの成分表示について説明することができ、大きな間違いがなく、ベクトルに関する様々な計算ができる。 ベクトルの成分表示について説明することができ、ベクトルに関する基本的な計算ができる。 ベクトルの成分表示について説明することができない。または、ベクトルに関する基本的な計算ができない。
評価項目3ベクトルの平行・垂直条件について説明することができ、この条件を利用して様々な計算問題や証明問題を解くことができる。 ベクトルの平行・垂直条件について説明することができ、大きな間違いがなく、この条件を利用して様々な計算問題や証明問題を解くことができる。 ベクトルの平行・垂直条件について説明することができ、この条件を利用して基本的な計算問題を解くことができる。 ベクトルの平行・垂直条件について説明することができない。または、条件を用いた基本的な計算問題を解くことができない。
評価項目4平面上の直線や円のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して計算問題や証明問題を解くことができる。平面上の直線や円のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して計算問題や証明問題を大きな間違いがなく解くことができる。平面上の直線や円のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して基本的な計算問題を解くことができる。平面上の直線や円のベクトル方程式を説明することができない。または、これらを利用して基本的な計算問題を解くことができない。
評価項目5空間内の直線・平面・球のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して計算問題や証明問題を解くことができる。空間内の直線・平面・球のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して計算問題や証明問題を大きな間違いがなく解くことができる。空間内の直線・平面・球のベクトル方程式を説明することができ、これらを利用して基本的な計算問題を解くことができる。空間内の直線・平面・球のベクトル方程式を説明することができない。または、これらを利用して基本的な計算問題を解くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1学期開講
線形代数学は工学全般で応用される極めて重要な基礎数学である。
本講義では、まず物理などでもなじみのある平面ベクトルに関する計算や平面図形への応用を扱う。次に、空間ベクトルについて学習し、平面ベクトルとの違いと平面ベクトル・空間ベクトルの集合に備わる演算の規則の類似性を理解していく。さらに、空間図形にも応用する。
授業の進め方・方法:
・授業の各回に対応する予習・復習の内容は以下の通りである。
第1回:(予習) 教科書 pp. 1-4の概要を把握。 (復習) ドリル1、2を演習。
第2回:(予習) 教科書 pp. 4-7の概要を把握。 (復習) ドリル3、4、5を演習。
第3回:(予習) 教科書 pp. 7-9の概要を把握。 (復習) ドリル12を演習。
第4回:(予習) 教科書 pp. 10-12の概要を把握。 (復習) ドリル7、8、13を演習。
第5回:(予習) 教科書 pp. 13-17の概要を把握。 (復習) ドリル6、9、10、11を演習。
第6回:(予習) 教科書 pp. 18-20の概要を把握。 (復習) ドリル17、18、19、20を演習。
第7回:(予習) 教科書 pp. 21-23の概要を把握。 (復習) ドリル5、15、16を演習。
第8回:(予習) 教科書 p. 24を演習。 (復習) 教科書 p. 25を演習。
第9回:(予習) 教科書 pp. 26-33の概要を把握。 ドリル22、23を演習。 (復習) ドリル24を演習。
第10回:(予習) 教科書 pp. 34-35の概要を把握。 (復習) ドリル25、26を演習。
第11回:(予習) 教科書 pp. 36-39の概要を把握。 (復習) ドリル27、28、29、30を演習。
第12回:(予習) 教科書 pp. 40-41の概要を把握。 (復習) ドリル31、32、33を演習。
第13回:(予習) 教科書 pp. 42-43の概要を把握。
第14回:(予習) 教科書 pp. 162を演習。 (復習) 教科書 p. 163を演習。

・CBT(computer based test)を週に1,2度の頻度で、試験時間10分程度、10点満点で実施する。各CBTの試験範囲は以下の通りである。実施日はwebclassを通じて連絡する。
第1回:教科書 pp. 1-7
第2回:教科書 pp. 7-9、ドリル12
第3回:教科書 pp. 10-13、ドリル7、8、13
第4回:教科書 pp. 12-14、ドリル9、11、12
第5回:教科書 pp. 15-16、ドリル6
第6回:教科書 pp. 18-19、ドリル17、18、19
第7回:教科書 pp. 31-33、ドリル24
第8回:教科書 pp. 34-35、ドリル25
第9回:教科書 pp. 36-39、ドリル27、28
第10回:教科書 pp. 40-41、ドリル31、32

・予習確認テスト
教科書pp.26~30の空間座標と空間ベクトルの基本に関する内容は授業中に講義せず, 各自で学習する。第9回の授業で予習確認テスト(試験時間は20分)を実施し、その成果を確認する。


注意点:
・授業のノートは必ず作成しましょう。次のようなサイクルで学習することを推奨します。
予習→授業→復習(ノート作成)→復習(教科書・ドリルの演習)→CBT→復習
理解できない点があれば、オフィス・アワーを利用して、遠慮なく担当教員に質問しましょう。

・上記の予習・復習内容は、本講義を受講する前後に行うべき最低限の学習です。
予習復習を繰り返さず試験前に慌てて試験準備をしても、数学の実力や考え方は身につきません。毎日の学習を欠かさず行って、はじめて単位を取得することができる科目であると考えてください。
教科書・ドリルの例題や問題を解答するときは、記述問題として解答を詳しく、説明を加えて書き, ノートに残すようにしてください. 問題の解答を確認するときは, 最終的な答えだけがあっているかを確認するだけでは不十分です.
例題:例題の解答と比べて,記述が不足していないかどうかを確認しましょう.
問題:例題の解答のようにきちんと記述できているか, 答えがあっているかを確認しましょう.

CBTを受験する前までに,何も参照せず(問題の書いた紙だけを置いた状態で)解答ができるようになっていれば, 満点をとることができるはずです.

※ CBTはこの講義の単位の到達目標にある「最低限の到達レベル」の問題と考えてください. また、「理想的な到達レベル」とは、教科書の章末問題や高校生向けの問題集(基礎レベル)にある問題を完全に解くことができることを指します。

・数学の勉強は、問題演習などで間違いや理解できていない箇所を把握し、これらの修正を繰り返していく作業となります。したがって、学習内容の理解には問題演習を積み重ねる必要があります。

・本講義に関する情報・連絡はwebclassに掲示します。見落とすことがないように注意してください。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 ガイダンス
ベクトル
ベクトルの和
・シラバスから学習の意義、授業の進め方、評価方法を理解できる。
・ベクトルの定義を理解し、ベクトルの和を求めることができる。
2週 ベクトルの差・定数倍 ・ベクトルの差や定数倍を求めることができる。
3週 ベクトルの成分 ・ベクトルの成分表示を理解し、ベクトルの成分表示による計算ができる。
4週 ベクトルの内積 ・内積の定義を理解し、内積を計算することができる。
5週 ベクトルの平行と垂直
ベクトルの図形への応用
・平行条件、垂直条件について理解する。
・点の位置ベクトルを理解し、内分点の位置ベクトルを求めることができる。
6週 直線のベクトル方程式 ・直線の方向ベクトルと法線ベクトルを理解し、
・直線の方程式を求めることができる。
・点と直線の距離を求めることができる。
7週 平面ベクトルの線形独立・線形従属 ・線形独立・線形従属の定義と性質を理解し、線形結合での表現や平面図形に関する問題を解くことができる。
8週 平面ベクトルに関する問題解説 ・平面ベクトルに関する種々の問題を解くことができる。
2ndQ
9週 空間のベクトルの内積
予習確認テスト
・空間のベクトル内積の定義を理解し、2つのベクトルのなす角などを求めることができる。
10週 空間内の直線の方程式 ・空間内の直線の方程式を求めることができ、2直線のなす角を求めることができる。
11週 平面の方程式 ・平面の方程式を求めることができ、2つの平面のなす角を求めることができる。
12週 点と平面の距離
球の方程式
・点と平面の距離を求めることができる。
・球の方程式を求めることができる。
13週 空間ベクトルの線形独立・線形従属 ・線形独立・線形従属の定義を理解し、空間図形に関する問題を解けるようになる。
14週 空間ベクトルに関する問題解説 ・空間ベクトルに関する種々の問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 答案返却・解答解説 ・試験問題の解説を通じて間違えた箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学ベクトルの定義を理解し、ベクトルの基本的な計算(和・差・定数倍)ができ、大きさを求めることができる。3前1,前2
平面および空間ベクトルの成分表示ができ、成分表示を利用して簡単な計算ができる。3前3,前8
平面および空間ベクトルの内積を求めることができる。3前4,前8,前9
問題を解くために、ベクトルの平行・垂直条件を利用することができる。3前5
空間内の直線・平面・球の方程式を求めることができる(必要に応じてベクトル方程式も扱う)。3前6,前8,前10,前11,前12

評価割合

期末試験CBT予習確認テスト口頭試問合計
総合評価割合6020155100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】101015540
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】25100035
汎用的技能 【論理的思考力】2500025
態度・志向性(人間力) 【 】00000
総合的な学習経験と 創造的思考力 【  】00000