線形代数ⅠB

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 線形代数ⅠB
科目番号 42008 科目区分 一般 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 4th-Q 週時間数 4
教科書/教材 「新 線形代数 改訂版」高遠節夫 他 著(大日本図書)/ 「ドリルと演習シリーズ 線形代数」日本数学教育学会 高専・大学部会 教材研究グループ TAMS 編著 (電気書院)
担当教員 白土 智彬,川村 晃英,三浦 敬

到達目標

(1) 行列の定義を理解し、行列の演算が計算できる。
(2) 行列の行基本変形を用いて、連立一次方程式を解くことができる。
(3) 逆行列の定義を理解し、2次, 3次の正方行列の逆行列を求めることができる。
(4) 行列式の定義および性質を理解し、4次以下の行列式の値を計算できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベル(良)最低限の到達レベルの目安(可)」未到達レベルの目安(不可)
評価項目1行列の定義を説明でき、行列の和、差、定数倍および積の計算が正確かつ迅速に行える。行列の定義を説明でき、行列の和、差、定数倍および積の計算が大きな間違いなく行える。行列の定義を説明でき、行列の和、差、定数倍の計算が行える。行列の定義を説明できない。または、行列の和、差、定数倍を求めることができない。
評価項目2行基本変形を用いて、3変数までの任意の連立一次方程式を正確に解くことができる。行基本変形を用いて、3変数までのおおよその連立一次方程式を大きな間違いなく解くことができる。行基本変形を用いて、2変数の連立一次方程式をおおよそ解くことができる。行基本変形を用いた連立一次方程式を解く手法を実行できない。
評価項目3逆行列の定義を説明することができ、3次の正方行列の逆行例を2通り以上の方法で求めることができる。 逆行列の定義を説明することができ、3次の正方行列の逆行例を大きな間違いなく求めることができる。 逆行列の定義を説明することができ、2次正方行列の逆行例を求めることができる。 逆行列の定義を説明することができない。または、2次正方行列の逆行例を求めることができない。
評価項目4行列式の定義を説明することができ、4次以下の任意の行列式を正確に求めることができる。行列式の定義を説明することができ、3次の正方行列の行列式を大きな間違いなく求めることができる。行列式の定義を説明することができ、2次正方行列の行列式を求めることができる。 行列式の定義を説明することができない。または、2次正方行列の行列式を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形代数学は工学全般、情報技術等で幅広く応用される重要な数学の分野である。本講義では、行列の定義を学び、行列に関する演算、掃き出し法による連立1次方程式の解法、逆行列に関して学ぶ。さらに行列式を定義し、その性質を学ぶ。また、応用として余因子展開を用いた逆行列の計算や、クラメルの公式による連立1次方程式の解法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
本講義では行列を学ぶ。行列の基本的な計算(和、差、定数倍および積)から始まり、逆行列の概念と求め方、連立1次方程式の行列を用いた解法を学ぶ。さらに行列式の基本的な性質を学び、その図形的な意味や,先の連立1次方程式とのつながりも学ぶ。
注意点:
日々の予習・復習をしっかり意識すること。教科書・ドリルなどの問題を繰り返し解くことが重要である。そのことにより計算が正確にできるようになる。次に、公式の導出方法や定理の証明を理解することで、行列や行列式の仕組みがわかり、概念的な理解を深め応用力を身につけることができる。授業の内容で理解できない部分は、教員に質問し解決するようにすること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
4thQ
9週 ガイダンス
行列の定義
行列の和・差、数との積
行列の積
転置行列
シラバスから学習の意義、授業の進め方、評価方法を理解できる。
行列の定義を理解する。行列の和・差、数との積を理解し、計算できる。
行列の積の定義を理解し、計算できる。零因子を理解し、行列の積と数の積の違いを理解する。
10週 逆行列
消去法
逆行列の定義を理解し、2次の正則行列の逆行列を求めることができる。
消去法を理解し、これを用いて連立1次方程式を解くことができる。
11週 逆行列と連立1次方程式
行列の階数
消去法を用いて、逆行列を計算できる。逆行列を利用して、連立1次方程式を解くことができる。
行列の階数の定義を理解し、その計算ができる。行列の階数を用いて、行列の正則性を判定できる。
12週 2次と3次の行列式とその性質
n次の行列式とその性質
2次と3次の行列式の定義を理解し、行列式を計算することができる。行列式に関する様々な性質を理解できる。
n次正方行列の行列式の定義と性質を理解し、行列式を計算することができる。
13週 行列の積の行列式
行列式の展開
行列の積の行列式に関する性質を理解し、行列式に関する性質を証明できる。
行列式の展開を用いて、行列式を求めることができる。
14週 行列式と逆行列
連立一次方程式と行列式
余因子行列の性質を理解し、正則行列の逆行列を求めることができる。
クラメルの公式を理解し、連立1次方程式を解くことができる。
3つの空間ベクトルが線形独立であるための条件を理解し、その判定を行うことができる。
15週 行列式の図形的意味
問題解説
行列式の図形的意味を理解し、平行六面体の体積を求めることができる。
行列式に関する種々の問題を解くことができる。
16週 期末試験
答案返却・解答解説
試験問題の解説を通じて間違えた箇所を理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。3後1,後2
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。3後3,後4,後5,後6,後11
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。3後7,後8,後9,後10,後12,後13,後14

評価割合

期末試験レポート合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】202040
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】202040
汎用的技能 【論理的思考力】101020