有機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成31年度 (2019年度)
授業科目 有機化学Ⅰ
科目番号 42025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 ハート基礎有機化学(H.ハート著・培風館発行)/プリント
担当教員 山﨑 博人

到達目標

有機化学物質に関する基礎的な名称・構造・特徴・反応,そして反応原理について説明する。また,有機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲ・Ⅳおよび有機化学実験と合わせて,有機化学に関する知識の有機的連携を目指す。
 この有機化学Ⅰでは,「2章 アルカンとシクロアルカン」と「3章 アルケンとアルキン」の範囲を学習する。
①アルカンとシクロアルカンの構造と命名・置換反応・酸化反応を説明できる。〔2章〕
②アルカンとシクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性を的確に説明できる。〔2章〕
③アルケンとアルキンの命名・cisーtrans異性・求電子付加・ホウ水素化・酸化について説明できる。〔3章〕
④アルケンとアルキンに特有な反応(付加環化など)と,求電子付加の反応機構を説明できる。〔3章〕

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目 ①アルカンとシクロアルカンの構造と命名・置換反応・酸化反応を十分説明できるアルカンとシクロアルカンの構造と命名・置換反応・酸化反応をある程度説明できるアルカンとシクロアルカンの構造と命名・置換反応・酸化反応を説明できるアルカンとシクロアルカンの構造と命名・置換反応・酸化反応を説明できない
評価項目 ②アルカンとシクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性を十分説明できるアルカンとシクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性をある程度説明できるアルカンとシクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性を説明できるアルカンとシクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性を説明できない
評価項目 ③アルケンとアルキンの命名・cisーtrans異性・求電子付加・ホウ水素化・酸化について十分説明できるアルケンとアルキンの命名・cisーtrans異性・求電子付加・ホウ水素化・酸化についてある程度説明できるアルケンとアルキンの命名・cisーtrans異性・求電子付加・ホウ水素化・酸化について説明できるアルケンとアルキンの命名・cisーtrans異性・求電子付加・ホウ水素化・酸化について説明できない
評価項目 ④アルケンとアルキンに特有な反応(付加環化など)と,求電子付加の反応機構を論理的に誘導できるアルケンとアルキンに特有な反応(付加環化など)と,求電子付加の反応機構を誘導できるアルケンとアルキンに特有な反応(付加環化など)と,求電子付加の反応機構をある程度誘導できるアルケンとアルキンに特有な反応(付加環化など)と,求電子付加の反応機構を論理的に誘導できない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期開講。
*実務との関係:この科目は公設機関で機能性繊維の開発を担当していた教員が、その経験を生かし、有機化学について講義形式で授業を行うものである。
 元来,有機化学は,生命体(動植物)より得られる医薬や染料などの物質のみを扱う学問でした。その後,自然界より得られる化合物のみならず,化学者の手によって新たにつくられた有機化学物質までその中に含むようになり,現在の「有機化学は炭素化合物の化学である」という定義になりました。従って,この講義を通じて有機化学の知識を習得することは,私たちの身の回りの素材・医薬品・エネルギー資源・材料・生命体などにかかわる有機化学物質の名称・構造・特徴・反応を理解することにつながります。
 学生諸君は,ただ単に勉強だと考えると少し億劫になるとは思いますが,「新しい知識を身につけるのだ」という意気込みで,臨めばまた,やる気が違ってくると思いますよ。
授業の進め方・方法:
予習および復習をすること。
授業の冒頭で、理解度を定着させるため、前回学習した内容のチェックテストを行います。
注意点:
再試験は原則として実施しません。
本講義の質問は講義時間の他,何時でも受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 2章 アルカンとシクロアルカン(本講義のガイダンス) ・アルカンの定義,構造と特徴について説明できる
2週 IUPAC規則と物理的性質
(命名法の小テスト,その1・2)
・IUPAC規則によるアルカン,シクロアルカンの命名ができる
・アルカンの物理的性質が説明できる
3週 同上 同上
4週 立体配座 ・アルカン,シクロアルカンの立体配座・cisーtrans異性を説明できる
5週 同上 同上
6週 アルカンの反応
総合復習
・アルカンの酸化,燃焼,ハロゲン化の反応を説明できる
・理解不足な箇所を解決できる
7週 中間試験
8週 3章 アルケンとアルキン
(試験返却・解答解説)
・試験解説により,間違った箇所を理解できる
・アルケン,アルキンの定義・分類・構造と特徴を説明できる
4thQ
9週 アルケン・アルキンの命名 ・命名法の説明できる
・アルケンのcisーtrans異性について説明できる
10週 アルケン・アルキンの反応1 ・付加反応と置換反応の比較について説明できる
・Markovnikov則について説明できる
11週 同上 ・アルケンへの求電子付加反応・反応機構を説明できる
12週 アルケン・アルキンの反応2 ・アルケンのホウ水素化について説明できる
・アルケンの共役系への付加
13週 同上 ・アルケンの酸化
・アルキンの付加反応を説明できる
14週 総合復習 ・理解不足な箇所を解決できる
15週 定期試験
16週 答案返却・解答解説 ・解説から間違った箇所を理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。3
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。3
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。3
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。3
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。3
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。3
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

中間試験期末試験チェックテスト・取組姿勢レポートポートフォリオその他合計
総合評価割合454510000100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】3535500075
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】1010000020
態度・志向性(人間力) 0050005