無機化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 無機化学Ⅱ
科目番号 43018 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 2nd-Q 週時間数 2
教科書/教材 教科書:現代の無機化学(合原 眞ほか著、三共出版)、補助教材:無機化学演習(合原 眞ほか著、三共出版)
担当教員 野本 直樹

到達目標

無機化学は原子の構造や結合状態など物質の本質を理解する根幹となる科目である。本講義では無機化学Ⅰで学習した原子構造(ミクロ)の知識をベースとし、原子⇒分子⇒結晶、溶液という具合にスケールを拡げていく際に必要な考え方を習得する。以下の3点が到達目標である。
(1)化学結合の種類と構造が説明できる。
(2)結晶の種類と構造、固体中の電子の振る舞いが説明できる。
(3)酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎が説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安良好な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目(1)化学結合の種類と構造について図を用いて説明でき、種々の物質に適用できる。化学結合の種類と構造について説明でき、種々の物質に適用できる。化学結合の種類と構造について説明できる。化学結合の種類と構造について説明できない。
評価項目(2)結晶の種類と構造、固体中の電子の振る舞いについて図を用いて説明でき、種々 の物質に適用できる。結晶の種類と構造、固体中の電子の振る舞いについて説明でき、種々の物質に適 用できる。結晶の種類と構造、固体中の電子の振る舞いについて説明できる。結晶の種類と構造、固体中の電子の振る舞いについて説明できない。
評価項目(3)酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎について説明でき、種々の溶液に適用で きる(8割以上)。酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎について説明でき、種々の溶液に適用で きる(7割以上)。酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎について説明できる。酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
本講義では、無機化学Ⅰで学習した原子構造(ミクロ)の知識をベースとし、原子⇒分子⇒結晶、溶液という具合にスケールを拡げていく際に必要な考え方を学習します。具体的には、①原子が集まって「物質」を作るときの各種の結合様式を学びます。②次いで、原子やイオンあるいは分子がどのように集まって固体を形成しているのかについて学びます。③また、酸・塩基を中心とした電解質溶液の基礎についても学びます。
※実務との関係
この科目は企業で水処理装置の設計を担当していた教員が、その経験を生かし、化学結合や電解質溶液の基礎について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
憶えることはたくさんあるが、他の科目との関連性も高いため、興味を持って取り組んでほしい。単に記憶するのではなく、イメージしながら授業に取り組むと、身につきやすいので、意識して取り組むこと。期末試験の再試験は一切実施しない。毎回、復習として小テストを実施する。
注意点:
教科書や補助教材等をしっかり読み(予習)、授業を受け、レポートを作成(復習)する過程で、無機化学に興味をもつためのきっかけをつかんでもらいたいと思います。さらに、興味のある分野について種々の参考書や文献等で自主的に学習することができればすばらしいです。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 化学結合(1)
原子の結合形式について説明できる。
10週 化学結合(2) 共有結合について説明できる。
11週 化学結合(3) 金属結合、イオン結合、水素結合について説明できる。
12週 固体化学(1) 金属結晶について説明できる。
13週 固体化学(2) イオン結晶、共有結晶、分子結晶について説明できる。
14週 固体化学(3) 固体中の電子の概念、半導体について説明できる。
15週 溶液化学(1) 水に関する基本事項、酸と塩基の概念、電離平衡の概念、緩衝溶液、溶解度積について説明できる。
16週 "期末試験の答案返却・解答解説"
"全体の学習事項のまとめ"
試験問題の解説を通じて重要部分、誤答が多かった部分を説明できる。
特に重要部分の復習や講義全体の流れについて説明できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学イオン結合と共有結合について説明できる。4
基本的な化学結合の表し方として、電子配置をルイス構造で示すことができる。4
金属結合の形成について理解できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4
電子配置から混成軌道の形成について説明することができる。4
結晶の充填構造・充填率・イオン半径比など基本的な計算ができる。4
水素結合について説明できる。4

評価割合

期末試験小テスト合計
総合評価割合5050100
知識の基本的な理解304070
思考・推論・創造への適用力201030
態度・志向性000