有機化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 有機化学Ⅲ
科目番号 43021 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 基礎有機化学(H・ハート著、培風館)
担当教員 廣原 志保

到達目標

有機化学反応の基礎的な考え方から応用までを本講義を通じて理解すると同時に、有機化学反応を実験として取り組む際に、化学反応に対する基本的な知識を深める。
①有機化学IIIで扱う化合物の構造と命名が書ける。
②有機化学IIIで扱う化合物の自然現象を含んだ化学的性質を説明できる。
③有機化学IIIで扱う化合物の各種反応と合成及び反応機構を誘導できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
有機化学IIIで扱う化合物の構造と命名が書ける。化合物の構造と命名が全て書ける。化合物の構造と命名が3/5書ける。化合物の構造と命名が書けない。
有機化学IIIで扱う化合物の自然現象を含んだ化学的性質を説明できる。化合物の性質が全て説明できる。化合物の性質が3/5説明できる。化合物の性質が説明できない。
有機化学IIIで扱う化合物の各種反応と合成及び反応機構を誘導できる。化合物合成反応式、反応機構が全て書くことができる。化合物合成反応式、反応機構が3/5書くことができる。化合物合成反応式、反応機構が書くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機化学反応の基礎的な考え方から応用までを本講義を通じて理解すると同時に、有機化学反応を実験として取り組む際に、化学反応に対する基本的な知識を深める。エーテル類・カルボニル化合物を題材に、各化合物の命名法、特徴、合成法、人名反応および反応機構などを幅広く講義する。
授業の進め方・方法:
予習および復習をすること。
復習の確認として、小テストを行う。また課題も毎回課す。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 アルコール・フェノール・チオールの命名、性質
アルコール、フェノール、チオールの命名ができる。アルコール・フェノールの酸性度および塩基性度、アルコールの脱水反応によるアルケンの生成、アルコールとハロゲン化水素の反応を理解する。
2週 アルコール・フェノールの反応1 アルコール・フェノールの酸性度および塩基性度、アルコールの脱水反応によるアルケンの生アルコールとフェノールの違い、アルコールの酸化によるアルデヒドとケトンの生成反応について理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
3週 アルコール・フェノールの反応2 フェノールの芳香族置換反応および酸化反応、チオールの反応について理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
4週 エーテルとエポキシドの命名、性質 エーテルの命名・物理的性質・溶媒としての用途・Grignard試薬と有機金属化合物・エーテルの合成法を理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
5週 エーテルとエポキシドの反応 エーテル結合の開裂・エポキシドの反応・環状エーテル反応を理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
6週 アルデヒドとケトンの命名、反応 アルデヒド、ケトンの命名ができる。アルコールの付加反応を理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
7週 アルデヒドとケトンの反応 Gringnardの付加反応、カルボニルの還元反応、参加反応、アルドール縮合反応を理解し、反応式および反応機構を書くことができる。
8週 授業まとめ

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。3
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。3
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
基礎的能力255500035
専門的能力355500045
分野横断的能力105500020