基礎微生物学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 基礎微生物学
科目番号 43024 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 3
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「微生物学(基礎生物学テキストシリーズ4)」青木健次 著(化学同人)
担当教員 島袋 勝弥

到達目標

1. 原核生物、真核生物の微生物の違いを説明できる
2. 3ドメイン説に基づいて、微生物の分類ができる
3. 微生物の増殖曲線とそれに関わる環境因子について理解している
4. セントラルドグマと遺伝子工学に必要な知識を整理できる

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1真核生物と原核生物の細胞構造を描くことができ、各細胞小器官の機能を導き出せること真核生物と原核生物の細胞構造を描くことができ、いくつかの細胞小器官の機能を導き出せること真核生物と原核生物の細胞構造の違いを導き出せること真核生物と原核生物の細胞構造の違いを導き出せない
評価項目2微生物の分類、3ドメイン説を理解し、代表的な微生物15種類の分類を行うことができる微生物の分類、3ドメイン説を理解し、5種程度の微生物の分類が行えること微生物の分類、3ドメイン説を理解している微生物の分類、3ドメイン説を知らない
評価項目3微生物の増殖に影響を与える環境因子と増殖曲線について理解できる微生物の増殖に影響を与える環境因子について整理できる増殖曲線の概要を説明できる微生物の増殖曲線が書けない
評価項目4セントラルドグマと遺伝子工学に必要な知識を整理できる遺伝子工学に関わる用語を整理できるセントラルドグマについて概要を整理できるセントラルドグマについてまとめることができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
微生物はあらゆる環境に存在します。そのため、人間には想像もできないような「生き残る工夫」をしています。基礎微生物学では、様々な環境にいる微生物を紹介していきます。無限大に広がる不思議なミクロの世界を堪能しましょう。
授業の進め方・方法:
微生物という肉眼では見ることができない生き物について学んでいく。微生物に含まれる範囲は、原核生物から真核生物、そしてウイルスにまで広がっており、その多様性も無限大である。基礎微生物学では、基本的な微生物の分類および構造について学んでいく。
知識の定着を図るために、適宜小テストやレポートを課す。
注意点:
本講義は、1、2年生の基礎生物学の知識を前提としているので、基礎生物の内容をしっかりと復習し、授業に臨むこと。より深く理解するために「ベーシックマスター 微生物学」や「Brock微生物学」が参考になる。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微生物とは 本講義の全体的な流れを説明し、微生物に関する知識について確認する
2週 微生物学の歴史1 人類と微生物との関わりについて説明できる
3週 微生物学の歴史2 微生物学の発達について説明できる
4週 微生物の分類 微生物の分類について説明できる
5週 微生物細胞の構造と機能1 原核生物の構造と機能について説明できる
6週 微生物の種類と特徴1 真正細菌の種類と性状等について説明できる
7週 微生物の種類と特徴2 古細菌、極限環境微生物について説明できる
8週 中間まとめ 中間まとめとして試験を実施する
2ndQ
9週 微生物の種類と特徴3 ウイルスの構造、種類について説明できる
10週 微生物の増殖1 微生物の増殖曲線について説明できる
11週 微生物の増殖2 微生物のエネルギー源と環境要因について説明できる
12週 遺伝子、その伝達と発現 セントラルドグマについて説明できる
13週 突然変異 突然変異について説明できる
14週 遺伝子工学 遺伝子組み換え技術について説明できる
15週 定期試験 全範囲の試験を実施する
16週 試験返却 定期試験を返却し解説する

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。4
生物工学原核微生物の種類と特徴について説明できる。4
真核微生物(カビ、酵母)の種類と特徴について説明できる。4
微生物の増殖(増殖曲線)について説明できる。4
微生物の育種方法について説明できる。4
微生物の培養方法について説明でき、安全対策についても説明できる。4
アルコール発酵について説明でき、その醸造への利用について説明できる。4
食品加工と微生物の関係について説明できる。4
抗生物質や生理活性物質の例を挙げ、微生物を用いたそれらの生産方法について説明できる。4
微生物を用いた廃水処理・バイオレメディエーションについて説明できる。4

評価割合

レポート小テスト合計
総合評価割合4060100
知識の基本的な理解402060
思考・推論・創造への適用力04040
態度・志向性(人間力)000