到達目標
無機化学は原子の構造や結合状態など物質の本質を理解する根幹となる科目である。本講義では無機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで学習した原子や結晶、溶液(ミクロ)の知識をベースとし、より具体的な無機物質への知見を拡げていく際に必要な考え方を習得する。以下の2点が到達目標である。
(1)無機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで学習した原子→分子→結晶・溶液への拡張の考え方を具体的な演習を解く形で説明できる。
(2)典型元素と遷移元素についてより的確なイメージを持ち、説明できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 原子・分子・結晶・溶液について的確なイメージを持ち、図を用いて説明でき、種々の物質に適用できる。 | 原子・分子・結晶・溶液について的確なイメージを持ち説明でき、種々の物質に適用できる。 | 原子・分子・結晶・溶液について的確なイメージを持ち説明できる。 | 原子・分子・結晶・溶液について的確なイメージを持ち説明できない。 |
評価項目2 | 典型元素と遷移元素について的確なイメージを持ち、多数の元素の物性の違いを説明できる。 | 典型元素と遷移元素について的確なイメージを持ち、一部の元素の物性の違いを説明できる。 | 典型元素と遷移元素について的確なイメージを持ち、説明できる。 | 典型元素と遷移元素について的確なイメージを持たず、説明できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【第4学期開講】本講義では、無機化学Ⅰ・Ⅱ・Ⅲで学習した原子や結晶、溶液(ミクロ)の知識を定着させるとともに、それらをベースとし、より具体的な無機物質への知見を拡げていく際に必要な考え方を学習します。
この科目は企業でセラミックス材料及びプロセスの開発を担当していた教員が、その経験を生かし、基礎となる無機化学について講義形式で授業を行うものです。
授業の進め方・方法:
多くの学生が積極的に授業に参加してもらえるように気軽に意見を求めたりすることがよくあります。理解を定着させ、さらに自ら説明できるようになるためにレポートを課すことがよくあります。今の時期から技術英語に慣れるように、授業で出てくる英単語を覚えましょう。
注意点:
教科書や補助教材等をしっかり読み(予習)、授業を受け、レポートを作成(復習)する過程で、無機化学に興味をもつためのきっかけをつかんでもらいたいと思います。さらに、興味のある分野について種々の参考書や文献等で自主的に学習することができればすばらしいです。なお、学期内に成績を再評価する場合があります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
4thQ |
9週 |
01-02 原子構造
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原子構造に関する演習問題を解き、説明することができる。
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10週 |
03-04 化学結合 |
化学結合に関する演習問題を解き、説明することができる。
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11週 |
05-06 固体化学 |
固体化学に関する演習問題を解き、説明することができる。
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12週 |
07-08 溶液化学 |
溶液化学に関する演習問題を解き、説明することができる。
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13週 |
09-10 電気化学 |
電気化学に関する演習問題を解き、説明することができる。
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14週 |
11-12 錯体化学 |
錯体化学に関する演習問題を解き、説明することができる。
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15週 |
13-14 元素の化学 |
元素の化学に関する演習問題を解き、説明することができる。
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16週 |
"期末試験の答案返却・解答解説" "全体の学習事項のまとめ" |
試験問題の解説を通じて特に重要部分、誤答が多かった部分を復習し、説明できる。 特に重要部分の復習や講義全体の流れについて説明できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 無機化学 | 元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。 | 4 | |
配位結合の形成について説明できる。 | 4 | |
錯体化学で使用される用語(中心原子、配位子、キレート、配位数など)を説明できる。 | 4 | |
錯体の命名法の基本を説明できる。 | 4 | |
配位数と構造について説明できる。 | 4 | |
代表的な錯体の性質(色、磁性等)を説明できる。 | 4 | |
代表的な元素の単体と化合物の性質を説明できる。 | 4 | |
評価割合
| 期末試験 | レポート(簡易小テスト含む) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
知識の基本的な理解 | 40 | 20 | 60 |
思考・推論・創造への適用力 | 20 | 10 | 30 |
態度・志向性 | 0 | 10 | 10 |