化学工学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 化学工学Ⅰ
科目番号 44027 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 1st-Q 週時間数 2
教科書/教材 「化学工学概論」小菅人慈 実況出版
担当教員 杉本 憲司

到達目標

1)国際単位系に基づいて、長さ、質量、圧力など単位換算の説明及び計算ができる。
2)反応を伴わない物質収支のブロック図の説明、物質収支式の作成及び計算ができる。
3)反応を伴う物質収支のブロック図の説明、物質収支式の作成及び計算ができる
4)管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。
5)流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。
6)流体輸送の動力の説明及び計算ができ、必要な動力を求めることができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1長さ、質量、圧力など複数の単位換算の方法が4つ以上説明及び計算ができる。長さ、質量、圧力など複数の単位換算の方法が3つ以上説明及び計算ができる。単位換算の方法が説明できる。単位換算についてすべて説明及び計算ができない。
評価項目2反応を伴なわない物質収支で、バイパス、リサイクル、合流、分離すべてのブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴なわない物質収支で、バイパス、リサイクル、合流、分離のうち3つ以上のブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴なわない物質収支で、バイパス、リサイクル、合流、分離のうち2つ以上のブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴なわない物質収支で、ブロック図が説明できず、物質収支式の作成ができない。
評価項目3反応を伴なう物質収支で、燃焼、中和反応、合流すべてのブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴なう物質収支で、燃焼、中和反応、合流のうち2つ以上のブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴なう物質収支で、燃焼、中和反応、合流のうち1つ以上のブロック図が説明、物質収支式の作成及び計算ができる。反応を伴う物質収支で、ブロック図が説明できず、物質収支式の作成ができない。
評価項目4管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができる。管径と流速・流量の計算ができる。管径と流速・流量・レイノルズ数の計算がすべてできない。
評価項目5同じ系内で3つ以上の流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。流れのエネルギー収支やエネルギー損失が複合した計算が1つできる。流れのエネルギー収支の計算ができる。流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算がすべてきない。
評価項目6流体輸送の動力の説明ができ、計算がすべてできるとともに、必要な動力を求めることができる。流体輸送の動力の説明ができ、計算がすべてできる。流体輸送の動力の説明ができる。流体輸送の動力の説明及び計算がすべてできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1学期開講
基礎工学の1つである化学工学は「化学」で生まれた成果を化学工場で製品として生産するプロセスについて、経済性、制御性、安全性から環境問題までふくめてその基礎理論と応用を学ぶことが重要である。
※実務との関係
この科目は企業で廃棄物処理施設や水域生態系の評価を担当していた教員が、その経験を生かし、化学装置設計の基礎となる物質収支と流動の原理について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
化学工学Ⅰで学ぶ単位換算や物質収支と流動は4年生以降に学ぶ化学工学の授業や実験で必要になりなる。授業は理論と演習を実施するが、演習問題とその類似問題を自分で反復して解くこと。
授業の一部は動画を用いるが、動画については予習や復習に動画を活用して欲しい。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを実施します。
注意点:
化学工学Ⅰでは単位換算、物質収支、流動の知識とともに物理化学で学ぶ知識も必要であるため関連する教科書を利用すること。
授業で計算をすることがあるので、関数電卓を持参すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 0. ガイダンス
1. 化学工学とは、SI単位系,単位の換算
・単位換算表を用いずに、SI接頭語の換算およびSI基本単位とSI誘導単位の換算ができる
・単位換算表を用いて、非SI単位の物理量をSI単位に換算できる
・単位換算の方法について説明ができる。
・単位換算について計算ができる。
2週 2.化学反応を伴わない物質収支 ・反応を伴わない物質収支式が説明でき、計算ができる。
3週 3. 化学反応を伴う物質収支1 ・反応を伴わない物質収支の収支式が説明でき計算ができる。
・リサイクルやパージのある物質収支の計算ができる。
・燃焼反応における過剰空気率など、化学反応を伴う場合のプロセスの物質収支を計算できる
4週 4. ニュートンの粘性法則、流れの状態とレイノルズ数 ・ニュートン流体の性質を説明できる
・レイノルズ数を計算でき、層流と乱流の判断ができる
5週 5. 流れのエネルギー収支、流体輸送の動力、円管内の摩擦損失 ・流れのエネルギー収支を計算できる
・流体輸送の軸動力を計算できるファニングの式を用いて円管内の流れによる摩擦損失を計算できる
6週 6. 管付属物による摩擦損失 継手などによる摩擦損失、代表的な継手や弁の種類を挙げることができ、それらによる摩擦損失を計算できる。
7週 7.流体輸送装置 代表的な流体輸送装置の種類を挙げることができる。
8週 8 .定期試験

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学SI単位への単位換算ができる。4前1
物質の流れと物質収支についての計算ができる。4前2
化学反応を伴う場合と伴わない場合のプロセスの物質収支の計算ができる。4前2,前3
管径と流速・流量・レイノルズ数の計算ができ、流れの状態(層流・乱流)の判断ができる。4前4
流れの物質収支の計算ができる。4前4
流れのエネルギー収支やエネルギー損失の計算ができる。4前5,前6
流体輸送の動力の計算ができる。4前7

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合7030100
知識の基本的な理解552075
思考・推論・創造への適用力151025
態度・志向性(人間力)000