到達目標
高分子化合物は衣類・食品・プラスチックといった我々の生活の中で欠かせない有機化合物である。高分子化学Iでは,高分子化合物のあらまし,高分子材料の構造と基本物性,および重合反応の概念を紹介する。
1) 高分子化合物の分子構造,一般的性質と特徴を整理できる。
2) 高分子化合物の分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液を整理できる。
3) 高分子化合物の重合反応(逐次・連鎖重合)を考察できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
到達目標
1) | 分子構造,一般的性質,特徴を十分に整理できる。 | 分子構造,一般的性質,特徴をある程度整理できる。 | 分子構造,一般的性質,特徴を整理できる。 | 分子構造,一般的性質,特徴を整理できない。 |
到達目標
2) | 分子量,熱的・力学的性質,高分子溶液について十分に整理できる。 | 分子量,熱的・力学的性質,高分子溶液についてある程度整理できる。 | 分子量,熱的・力学的性質,高分子溶液について整理できる。 | 分子量,熱的・力学的性質,高分子溶液について整理できない。 |
到達目標
3) | 基本的な重合反応を的確に考察できる。 | 基本的な重合反応をある程度考察できる。 | 基本的な重合反応を考察できる。 | 基本的な重合反応を考察できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
私たちの身の回りに存在するプラスチック,繊維,ゴムなどは全て高分子と呼ばれる物質で構成されています。更に高分子には,人の手によって製造された人工物のみならず,天然繊維(絹,綿,羊毛),木材,穀物,動物性タンパクや,遺伝子などの天然物も該当しています。現在,高分子で作られた製品は,優れた機能や特質をもっているため,私たちがより豊かな生活を送れるよう,日常的に様々な場面で使用されています。更に優秀な高分子を開発するにはどのような物質を合成するべきか,企業の製品開発の分野では今後,ますます重要になると予測されます。
本講義を通じて学生諸君には高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について,基本的な内容を学修してもらい,この知識が将来,社会人として働いた折の一助になってもらいたいと思っています。
*実務との関係
この科目は公設機関で機能性繊維の開発を担当していた教員が、その経験を生かし、高分子化学について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
高分子化学はⅠ(第4学年)とⅡ(第5学年)にわかれていますが,両者で一つの体系を終了することになります。
予習および復習をすること。
レポートは提出期限を遵守するなどの点を、態度・志向性として評価に取り入れます。
注意点:
再試験は原則として実施しません。
本講義の質問は講義時間の他,何時でも受け付けます。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
高分子(ポリマー)とは 高分子の歴史と高分子の一般的性質 |
・主要な高分子の構造と名称を説明できる ・自然環境における高分子の安定性と問題点を説明できる ・高分子の歴史と一般的性質が説明できる(教科書p.1-9)
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2週 |
高分子間に働く力と低分子との比較 高分子のイメージと分類 |
・高分子間に働く力の説明ができる ・結晶・非晶領域について説明できる ・高分子の分類を説明できる ・固体構造を説明できる(教科書p.10-17)
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3週 |
高分子の分子構造と分子量 |
・立体規則性,分子量の算出,測定方法の説明ができる(教科書p.17-23)
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4週 |
高分子の熱的性質 |
・結晶構造と熱変化について説明できる ・高分子の結晶構造と熱変化,ガラス転移の説明ができる(教科書p.23-28)
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5週 |
力学的性質 高分子溶液 |
・力学的性質の特徴、線状高分子の溶媒への溶解過程について説明できる(教科書p.28-33)
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6週 |
高分子の合成(1) |
・逐次重合について説明できる(教科書p.34-38)
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7週 |
高分子の合成(2) |
・逐次・連鎖重合の重合様式の違いと特徴を説明できる(教科書p.38-42)
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8週 |
定期試験 試験返却 |
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の専門工学 | 化学・生物系分野 | 有機化学 | 高分子化合物がどのようなものか説明できる。 | 4 | |
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。 | 3 | |
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。 | 4 | 前5 |
高分子の熱的性質を説明できる。 | 4 | |
重合反応について説明できる。 | 3 | |
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。 | 3 | |
評価割合
| 総合テスト | 小テスト | レポート | 取組姿勢 | ポートフォリオ | 合計 |
総合評価割合 | 65 | 0 | 35 | 0 | 0 | 100 |
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】 | 35 | 0 | 20 | 0 | 0 | 55 |
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】 | 10 | 0 | 5 | 0 | 0 | 15 |
汎用的技能 【論理的思考力】 | 10 | 0 | 5 | 0 | 0 | 15 |
態度・志向性(人間力) 【自己管理力】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
総合的な学習経験と 創造的思考力 【創成能力】 | 10 | 0 | 5 | 0 | 0 | 15 |