到達目標
1. 授業で学んだことや参考文献をふまえて自らの言葉で各実験テーマの原理を説明できる。
2. 授業で学んだことや参考文献をふまえて各実験テーマの手法(方法)を実践できる。
3. 図や表を用いて実験結果を正しく考察することができ、与えられた課題を調べることができる。
4. グループ内の人と協力しながら与えられた課題に熱心に取り組むことができる。
5. 行った実験を口頭で説明することができ、質問に正しく答えることができ、さらに知見を述べることができる。
6. 工程設計の内容についてすべて自分で計画、データ整理ができ、聴衆の前で発表及び質疑応答ができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 授業で学んだことや参考文献をふまえて自らの言葉で各実験テーマの原理を説明できる。 | 授業で学んだことをふまえて各実験テーマの原理を説明できる。 | 各実験テーマの原理を説明できる。 | 各実験テーマの原理を説明できない。 |
評価項目2 | 授業で学んだことや参考文献をふまえて各実験テーマの手法(方法)を実践できる。 | 授業で学んだことをふまえて各実験テーマの手法(方法)を実践できる。 | 各実験テーマの手法(方法)を実践できる。 | 各実験テーマの手法(方法)を実践できない。 |
評価項目3 | 図や表を用いて実験結果を正しく考察することができ、与えられた課題を調べることができる。 | 図や表を用いて実験結果を正しく考察することができる。 | 実験結果を正しく考察することができる。 | 実験結果を正しく考察することができない。 |
到達項目4 | グループ内のすべての人と協力しながら与えられた課題に熱心に取り組むことができる。 | グループ内の人と協力しながら与えられた課題に熱心に取り組むことができる。 | 与えられた課題に熱心に取り組むことができる。 | 与えられた課題に熱心に取り組むことができない。 |
到達項目5 | 行った実験を口頭で説明することができ、質問に正しく答えることができ、さらに知見を述べることができる。 | 行った実験を口頭で説明することができ、質問に正しく答えることができる。 | 行った実験を口頭で説明することができる。 | 行った実験を口頭で説明することができない。 |
到達項目6 | 工程設計の内容についてすべて自分で計画、データ整理ができ、聴衆の前で発表及び質疑応答ができる。 | 工程設計の内容についてデータ整理及び聴衆の前で発表及び質疑応答ができる。 | 工程設計の内容について聴衆の前で発表ができる。 | 工程設計の内容について計画、データ整理及び聴衆の前で発表がすべてできない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
化学工学実験は流動、精留、物質・熱収支の3つの実験と工程設計で実施を行う。
物理化学の講義で学ぶ固体、液体、気体の基本物性、状態および反応に関する理論を実験を通して確認する。物質に関する数量的な理解のみならず、基本的な測定法の原理と操作法を習得する。さらに幾つかの機器について機器分析実習を通じて、分析の基本的操作方法を説明する。
※実務との関係
この科目は大学で水処理施設及び企業で廃棄物施設の評価を担当していた教員が、その経験を生かし、化学工学の実験について授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
化学工学実験では実際の化学工場を意識した実験を行います。そのために、化学工場内の安全教育や服装なども厳しくチェックしていきます。また、座学で学んだ化学工学の知識を基に実際の実験でデータを取ってもらうとともに、工程設計で複数のパターンで演習を行ってもらいます。これによって、座学-実験-演習がリンクされ、より理解レベルの向上になります。
物理化学実験は得られた実験データを解析することで導かれた結果を考察する。実験結果には精度が求められるので、実験の前に手順を予習し、あらかじめ注意すべき点を考えておく必要がある。解析に用いる理論や考え方は物理化学の授業で学ぶことが基本となっている。実験を行うときはどの授業内容と関係しているのか考えながら取り組むことが望まれる。そうすれば授業の理解も進むだろう。
注意点:
実験に対する心構え
・あらかじめ実験書をよく読んで実験内容を理解する。
・実験中は常に観察を行い、読み取るべきデータはもちろん、気付いた現象を詳細に記録し、問題点なども書き留める。
・実験結果を整理し、作図や文献値との比較などによって、結果が良いのか悪いのかの判断を行う。不備や不良であれば追加で再実験を行う。
所持品の持ち込み等
・実験書、教科書、実験ノート、グラフ用紙(方眼、両対数、片対数)、筆記用具(定規含む)、ノートパソコン(必要ならば)、関数電卓等
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
ガイダンス |
学習の意義、実験の進め方、実験のテーマ内容、評価方法を説明できる。
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2週 |
燃焼熱測定 |
燃焼熱の測定方法として代表的なボンブの原理と実験方法を習得し、説明できる。
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3週 |
粘度測定 |
高分子溶液の粘度および密度測定を行い、ポアズイユの定理より平均分子量を求める方法を説明できる。
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4週 |
相平衡 |
固液平衡として固体の溶解度の実験から溶解熱を求める方法を説明できる。
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5週 |
反応速度 |
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。
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6週 |
電気化学 |
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解をとおして、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても理解できる。
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7週 |
流動及び円管内の境膜伝熱係数 |
流量・流速の測定方法、レイノルズ数、管摩擦係数について説明ができ、流量、流速、レイノルズ数、管摩擦係数の計算ができる。 温度の測定方法、境膜伝熱係数について説明ができ、境膜伝熱係数の計算ができる。
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8週 |
精留 |
蒸留操作の原理、エタノール濃度の分析方法について説明ができ、理論段数など蒸留塔に関する計算できる。
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2ndQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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後期 |
3rdQ |
1週 |
物質収支 |
都市ガスを用いて物質移動及びガス吸収について説明ができ、燃焼による物質収支と熱収支の計算をすることができる。
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2週 |
機器分析1 ガスクロマトグラフ |
ガスクロマトグラフの原理と解析法を学び、検量線作成と未知試料分析を習得し、説明できる。
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3週 |
機器分析2 分析方法の選定 |
気体、液体、固体の試料の分析を想定し、試料の採取、保存、前処理、測定機器、測定条件の選定をすることができる。
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4週 |
工程設計1 |
エクセルを用いてグループ毎に単位操作を組み合わせた計算ができ、工程設計に必要なチームワークの必要性、ルール、マナーを説明ができる。また、グループの一員として他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持って共同作業を進めることができる。
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5週 |
工程設計2 |
エクセルを用いてグループ毎に単位操作を組み合わせた計算ができ、工程設計に必要なチームワークの必要性、ルール、マナーを説明ができる。また、グループの一員として他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持って共同作業を進めることができる。
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6週 |
物理化学実験口頭試問 |
口頭試問で物理化学関連実験テーマについて説明できる
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7週 |
工程設計発表会及びまとめ |
パワーポイントを用いて、工程設計した内容が発表できる。 実施した化学工学関連実験テーマについて、全体的な内容が説明できる。
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8週 |
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4thQ |
9週 |
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10週 |
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11週 |
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12週 |
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13週 |
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14週 |
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15週 |
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16週 |
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
専門的能力 | 分野別の工学実験・実習能力 | 化学・生物系分野【実験・実習能力】 | 分析化学実験 | 代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。 | 4 | 後2,後3 |
物理化学実験 | 温度、圧力、容積、質量等を例にとり、測定誤差(個人差・器差)、実験精度、再現性、信頼性、有効数字の概念を説明できる。 | 4 | 前3 |
各種密度計(ゲールサック、オストワルド等)を用いて、液体および固体の正確な密度を測定し、測定原理を説明できる。 | 4 | 前3 |
粘度計を用いて、各種液体・溶液の粘度を測定し、濃度依存性を説明できる。 | 4 | 前3 |
熱に関する測定(溶解熱、燃焼熱等)をして、定量的に説明できる。 | 4 | 前2 |
分子量の測定(浸透圧、沸点上昇、凝固点降下、粘度測定法等)により、束一的性質から分子量を求めることができる。 | 4 | 前3 |
相平衡(液体の蒸気圧、固体の溶解度、液体の相互溶解度等)を理解して、平衡の概念を説明できる。 | 4 | 前4 |
基本的な金属単極電位(半電池)を組み合わせ、代表的なダニエル電池の起電力を測定できる。また、水の電気分解を測定し、理論分解電圧と水素・酸素過電圧についても説明できる。 | 4 | 前6 |
反応速度定数の温度依存性から活性化エネルギーを決定できる。 | 4 | 前5 |
化学工学実験 | 流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。 | 4 | 前7 |
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。 | 4 | 前8 |
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。 | 4 | 後1 |
評価割合
| 実験レポート | 小テスト | 口頭発表 | 工程設計発表 | 態度 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 5 | 5 | 10 | 10 | 100 |
知識の基本的な理解 | 30 | 5 | 3 | 5 | 0 | 43 |
思考・推論・創造への適用力 | 40 | 0 | 2 | 2 | 0 | 44 |
汎用的技能(コミュニケーションスキル) | 0 | 0 | 0 | 3 | 5 | 8 |
態度・志向性(責任感、リーダーシップ) | 0 | 0 | 0 | 0 | 5 | 5 |