化学工学Ⅳ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 化学工学Ⅳ
科目番号 45006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 「化学工学概論」小菅人慈 実況出版
担当教員 中野 陽一

到達目標

化学工学Ⅳの到達目標は以下の通り。
1)基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率などの関係する計算ができる。
2)吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解している。
3)バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解している。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安(不可)
評価項目1抽出の原理、三角線図、抽出平衡、単抽出の説明と計算がそれぞれ3件以上を説明できる。抽出の原理、三角線図、抽出平衡、単抽出の説明と計算がそれぞれ2件できる。抽出の原理、三角線図、抽出平衡、単抽出の説明と計算がそれぞれ1件できる。抽出の原理、三角線図、抽出平衡、単抽出の説明と計算ができない。
評価項目2吸着の原理、吸着等温線の作成、吸着材の説明、固定層吸着の原理のうち3件以上を理解して説明できる。吸着の原理、吸着等温線の作成、吸着材の説明、固定層吸着の原理のうち2件を理解して説明できる。吸着の原理、吸着等温線の作成、吸着材の説明、固定層吸着の原理のうち1件を理解して説明できる。吸着の原理、吸着等温線の作成、吸着材の説明、固定層吸着の原理を理解して説明できない。
評価項目3膜分離の原理と構造を3件以上説明できる。膜分離の原理と構造を2件、説明できる。膜分離の原理と構造を1件、説明できる。膜分離の原理と構造を説明できない。
評価項目4固体・粉体分離の原理と構造を3件以上説明できる。固体・粉体分離の原理と構造を2件、説明できる。固体・粉体分離の原理と構造を1件以、説明できる。固体・粉体分離の原理と構造を説明できない。
評価項目5反応装置の原理、種類、操作方法について3件以上説明でき、2件以上の反応装置の計算ができる。反応装置の原理、種類、操作方法について2件説明でき、1件以上の反応装置の計算ができる。反応装置の原理、種類、操作方法について1件説明できる。反応装置の原理、種類、操作方法について説明できない。反応装置の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
単位操作の中で、抽出、吸着、膜分離、固体分離について学習し、反応装置の分類と操作および簡単な設計ができるようになる。
 学修単位で授業を進めるので、自学自習が必要である。自学自習を実施しているかを、毎回の授業で復習の確認小テストで確認する。
※実務との関係
この科目は企業で廃棄物処理施設の評価を担当していた教員が、その経験を生かし、吸着及び膜分離などの原理について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
教科書を用いた対面授業で行う。(状況によってはオンデマンド授業)
この科目は学修単位科目のため、事前、事後の学習を毎回の予習・復習の課題で確認する。
注意点:
化学工学は「化学」で生まれた成果を化学工場で製品として生産するプロセスについて、経済性、制御性、安全性から環境問題までふくめてその基礎理論と応用を学ぶことが重要である。この化学工学分野のうち、化学装置設計の基礎のうち抽出、吸着、分離及び反応器について学ぶ。
化学工学Ⅳの授業では化学工学Ⅰで学んだ単位換算の知識とともに物理化学で学ぶ知識も必要であるため関連する教科書を利用すること。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス
抽出の原理、三成分系相図(三角図)、抽出平衡
三角図を用いて抽出平衡を説明できる。
2週 単抽出 三角図を用いて単抽出の抽出率が計算できる。
3週 吸着の原理、吸着材の種類、吸着等温式、固定層吸着の原理 代表的な吸着材の特徴と吸着等温線を説明できる。
固定層吸着の原理を説明できる。
4週 膜分離の原理、分離膜の種類と構造 代表的な分離膜の種類を挙げることができ、その特徴と用途を説明できる。
5週 固体・粉体の分離 粒径分布について説明ができる。
沈降についてストークス径について計算ができる。
ろ過について計算ができる。
6週 反応と反応装置の分類
反応の化学量論
槽型と管型、回分式、連続式、完全混合流れ、押出し流れなどの操作の特徴を説明できる。
定容系および非定容系における、反応率と成分のモル分率の関係を計算できる。
7週 反応器の種類とその構造、操作方法(回分、連続装置、多段、管型) 反応器の種類とその構造および操作方法について説明できる。
8週 期末試験 授業内容を理解および説明が出来るか評価する。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野化学工学基本的な抽出の目的や方法を理解し、抽出率など関係する計算ができる。4後1,後2
吸着や膜分離の原理・目的・方法を理解できる。4後3,後4,後5
バッチ式と連続式反応装置について特徴や用途を理解できる。4後6,後7

評価割合

ワーク課題ワーク課題の確認小テスト予習・復習の確認小テスト期末試験合計
総合評価割合10202050100
基礎的能力510102550
専門的能力510102550
分野横断的能力00000