卒業研究

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 卒業研究
科目番号 45013 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験・実習 単位の種別と単位数 履修単位: 10
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 通年 週時間数 前期:2 後期:2
教科書/教材
担当教員 小倉 薫,山﨑 博人,中野 陽一,髙田 陽一,廣原 志保,茂野 交市,島袋 勝弥,杉本 憲司,野本 直樹,小林 和香子,町田 峻太郎

到達目標

1. 自主的に新しい情報や知識を習得し,課題への継続的な取り組みができる。
2. 研究の目的を理解し,実験を計画して遂行し,結果を整理して解析できる。
3. 研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,論文を作成できる。
4. 研究成果の資料を作成して発表し,説明・説得することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1自主的に新しい情報や知識を習得し,課題への継続的な取り組みができる新しい情報や知識を習得し,課題への継続的な取り組みができる知識の習得や,課題への取り組みができる知識の習得や,課題への取り組みができない
評価項目2研究の目的を理解し,実験を計画して遂行し,結果を整理して解析できる研究の目的を理解し,実験を遂行し,結果を整理して解析できる研究の目的を理解し,結果を整理することができる研究の目的を理解し,結果を整理して解析できない
評価項目3研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,優れた論文を作成できる研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,良好な論文を作成できる研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,論文を作成できる研究の目的・方法・結果・考察・結論などをまとめて,論文を作成できない
評価項目4研究成果の資料を作成して優れた発表をし,分かりやすく説明・説得することができる研究成果の資料を作成して良好な発表をし,説明・説得することができる研究成果の資料を作成して発表し,説明・説得することができる研究成果の資料を作成して発表し,説明・説得することができない

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
下記のテーマから取り組む研究テーマを選択して,1年間研究に取り組む。指導教員と相談しながら,研究を遂行するために必要な知識を獲得していき,研究計画も自ら立案できるようになる。得られた実験結果を解析し,報告できるようになる。1年間の研究成果を卒業論文にまとめることができる。また,わかりやすい表現でプレゼンテーションを行うことができる。
授業の進め方・方法:
1. スケジュール
(1) 研究準備(調査・予備実験など、4月)
(2) 調査・実験・データ整理・解析など(5月~2月)
(3) 卒業研究発表会
2. 卒業研究論文
卒業研究論文は,所定の様式(目的・方法・結果・考察・結論等)に従って作成し,提出すること。
3. 卒業研究発表
(1) 卒業研究発表は公開とし,学外者,教員および物質工学科4・5年生の多人数を対象としてプレゼンテーションを行う。
(2) 研究概要をA4要旨1枚にまとめ提出する。
(3) わかりやすい表現でプレゼンテーションを行う。
4. 学習到達目標①のレポート作成は4月,7月,10月,12月を標準とする。ただし,研究室ごとに提出時期を変更したり,提出回数を増やす場合がある。
注意点:
到達目標①:卒業研究遂行のために必要な知識の獲得や,研究計画に関して定期的に作成したレポートで評価する。(20%)
到達目標②:実験データ・資料・レポートで指導教員が評価する。(30%)
到達目標③:卒業論文によって評価する。(40%)
到達目標④:卒業研究発表および発表予稿集で評価する。(10%)

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 小倉 薫 1. 機能性電解質の設計と合成
2. 分子の対称性と分子間相互作用の相関
3. 分子間相互作用の計化学的評価
2週 山﨑 博人 1. ノーリアを用いた新規CO2ガス分離膜の開発
2. 残留農薬試験における夾雑成分低減シクロデキストリン吸着剤の開発
3. シクロデキストリンを用いたPVAビニロン薄膜の開発
4. 高濃度アンモニアに耐性をもつ固定化細菌の硝酸態窒素変換による濃縮液肥の開発
3週 中野 陽一 1. バイオマスを活用した吸着材の開発
2. 自給式エアレーターの性能評価と開発
3. 硫酸還元菌を用いた食品廃棄物処理技術の開発
4.マイクロプラスチックの分布調査とその助教法の開発
4週 廣原 志保 がんセラノスティク用薬剤の開発
5週 茂野 交市 1. セラミックスの低温焼結化と応用に関する研究
2. 新規機能性セラミックスの開発
6週 髙田 陽一 1. 新規機能性界面活性剤の開発
2. 濡れ性の評価法と制御技術の開発
7週 島袋 勝弥 1. 分子モーターの回転制御法の開発
2. イオン輸送活性制御法の開発
8週 杉本 憲司 1. 環境DNAによる海藻草の定量評価
2. 環境DNAによる魚類の定量評価
3. 安定同位体比による炭素寄与評価
2ndQ
9週 野本 直樹 1. 開発途上国向けの下水処理技術の開発
2. 化学物質の微生物への影響評価
10週 小林 和香子 1. 細胞接着分子の細胞内輸送に関する研究
2. 癌誘導因子による癌細胞転移の機序に関する研究
3. 異所転移後解析モデル細胞の開発
11週 町田 峻太郎 1. 微細藻類による機能性オリゴ糖生産技術の開発
2. 微細藻類の飼料利用性評価
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力人文・社会科学国語国語専門の分野に関する用語を思考や表現に活用できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
報告・論文の目的に応じて、印刷物、インターネットから適切な情報を収集できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
収集した情報を分析し、目的に応じて整理できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
報告・論文を、整理した情報を基にして、主張が効果的に伝わるように論理の構成や展開を工夫し、作成することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
作成した報告・論文の内容および自分の思いや考えを、的確に口頭発表することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
課題に応じ、根拠に基づいて議論できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
相手の立場や考えを尊重しつつ、議論を通して集団としての思いや考えをまとめることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
新たな発想や他者の視点の理解に努め、自分の思いや考えを整理するための手法を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】分析化学実験代表的な定性・定量分析装置としてクロマト分析(特にガスクロ、液クロ)や、物質の構造決定を目的とした機器(吸光光度法、X線回折、NMR等)、形態観察装置としての電子顕微鏡の中の代表的ないずれかについて、その原理を理解し、測定からデータ解析までの基本的なプロセスを行うことができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
固体、液体、気体の定性・定量・構造解析・組成分析等に関して必要な特定の分析装置に関して測定条件を選定し、得られたデータから考察をすることができる。4前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
分野横断的能力汎用的技能汎用的技能汎用的技能日本語と特定の外国語の文章を読み、その内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
他者とコミュニケーションをとるために日本語や特定の外国語で正しい文章を記述できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
他者が話す日本語や特定の外国語の内容を把握できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
日本語や特定の外国語で、会話の目標を理解して会話を成立させることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
円滑なコミュニケーションのために図表を用意できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
円滑なコミュニケーションのための態度をとることができる(相づち、繰り返し、ボディーランゲージなど)。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
他者の意見を聞き合意形成することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
合意形成のために会話を成立させることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
書籍、インターネット、アンケート等により必要な情報を適切に収集することができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
収集した情報の取捨選択・整理・分類などにより、活用すべき情報を選択できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
収集した情報源や引用元などの信頼性・正確性に配慮する必要があることを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
情報発信にあたっては、発信する内容及びその影響範囲について自己責任が発生することを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
情報発信にあたっては、個人情報および著作権への配慮が必要であることを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
目的や対象者に応じて適切なツールや手法を用いて正しく情報発信(プレゼンテーション)できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
あるべき姿と現状との差異(課題)を認識するための情報収集ができる3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
複数の情報を整理・構造化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
課題の解決は直感や常識にとらわれず、論理的な手順で考えなければならないことを知っている。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
どのような過程で結論を導いたか思考の過程を他者に説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
適切な範囲やレベルで解決策を提案できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
事実をもとに論理や考察を展開できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
結論への過程の論理性を言葉、文章、図表などを用いて表現できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
態度・志向性(人間力)態度・志向性態度・志向性周囲の状況と自身の立場に照らし、必要な行動をとることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
自らの考えで責任を持ってものごとに取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
目標の実現に向けて計画ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
目標の実現に向けて自らを律して行動できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
日常の生活における時間管理、健康管理、金銭管理などができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
社会の一員として、自らの行動、発言、役割を認識して行動できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
チームで協調・共同することの意義・効果を認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
チームで協調・共同するために自身の感情をコントロールし、他者の意見を尊重するためのコミュニケーションをとることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
当事者意識をもってチームでの作業・研究を進めることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
チームのメンバーとしての役割を把握した行動ができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
リーダーがとるべき行動や役割をあげることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
適切な方向性に沿った協調行動を促すことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
リーダーシップを発揮する(させる)ためには情報収集やチーム内での相談が必要であることを知っている3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
法令やルールを遵守した行動をとれる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
他者のおかれている状況に配慮した行動がとれる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
技術が社会や自然に及ぼす影響や効果を認識し、技術者が社会に負っている責任を挙げることができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
高専で学んだ専門分野・一般科目の知識が、企業や大学等でどのように活用・応用されるかを説明できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力総合的な学習経験と創造的思考力工学的な課題を論理的・合理的な方法で明確化できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
公衆の健康、安全、文化、社会、環境への影響などの多様な観点から課題解決のために配慮すべきことを認識している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
要求に適合したシステム、構成要素、工程等の設計に取り組むことができる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
課題や要求に対する設計解を提示するための一連のプロセス(課題認識・構想・設計・製作・評価など)を実践できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
提案する設計解が要求を満たすものであるか評価しなければならないことを把握している。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11
経済的、環境的、社会的、倫理的、健康と安全、製造可能性、持続可能性等に配慮して解決策を提案できる。3前1,前2,前3,前4,前5,前6,前7,前8,前9,前10,前11

評価割合

レポート実験データ・資料・レポート卒業論文卒業研究発表会・発表予稿集合計
総合評価割合20304010100
知識の基本的な理解2410218
思考・推論・創造への適用力2920334
汎用的技能745521
態度・志向性(人間力)795021
総合的な学習経験と創造的思考力24006