合成化学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 合成化学
科目番号 45016 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 セミナーライブラリー化学4 演習 有機化学(杉森彰著、サイエンス社)
担当教員 廣原 志保

到達目標

本講義では、様々な有機合成反応の合成法、人名反応、反応機構などを幅広く講義し、化合物の構造式を考えながら目的化合物にたどりつくように、有機反応を基礎から応用へと話を展開してゆく。
①化合物の立体構造が説明できる。
②有機化合物を性質ごとに分類できる。
③多段階の合成反応式から目的化合物を誘導することができる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安
化合物の立体構造が説明できる。化合物の立体構造が説明できる。化合物の立体構造が1/2説明できる。化合物の立体構造が説明できない。
有機化合物を性質ごとに分類できる。化合物の性質ごとに分類できる。1/2の化合物において性質ごとに分類できる。化合物の性質ごとに分類できない。
多段階の合成反応式から目的化合物を誘導することができる。多段階反応により目的物の合成経路を導くことができる。多段階反応により目的物の合成経路を1/2導くことができる。多段階反応により目的物の合成経路を導くことができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
有機合成を行うには有機反応の豊富な知識と合成技術を習得しなければならない。本講義では、様々な有機合成反応の合成法、人名反応、反応機構などを幅広く講義し、化合物の構造式を考えながら目的化合物にたどりつくように、有機反応を基礎から応用へと話を展開してゆく。
授業の進め方・方法:
予習および復習をすること。復習の確認として、小テストを行う。また定期的にレポートを課す。
講義の内容は有機化学の化合物の物性と反応・反応機構を勉強し、本講義の終了時には目的化合物の合成を行うための多段階反応式が書けるようになる。
注意点:

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 有機化合物の立体構造 立体異性、立体構造、立体配置が理解でき、R,S表示を含める構造が書ける。
2週 有機反応 有機反応を分類別にわけることができる。
3週 炭化水素、ハロゲン化合物、アルコール、フェノール、エーテル 炭化水素、ハロゲン、アルコール、フェノール、エーテル化合物を用いた様々な反応が書ける。多段階反応が書ける。
4週 カルボニル化合物 カルボニル化合物を用いた様々な反応が書ける。多段階反応が書ける。
5週 カルボン酸 カルボン酸を用いた様々な反応が書ける。多段階反応が書ける。
6週 ニトロ化合物、アミン、有機金属化合物 ニトロ化合物、アミン、有機金属化合物を用いた様々な反応が書ける。多段階反応が書ける。
7週 期末試験
8週 まとめ 試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる。
また授業評価アンケートを行う。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野有機化学有機物が炭素骨格を持つ化合物であることを説明できる。4
代表的な官能基を有する化合物を含み、IUPACの命名法に基づき、構造から名前、名前から構造の変換ができる。4
σ結合とπ結合について説明できる。4
混成軌道を用い物質の形を説明できる。4
誘起効果と共鳴効果を理解し、結合の分極を予測できる。4
σ結合とπ結合の違いを分子軌道を使い説明できる。4
ルイス構造を書くことができ、それを利用して反応に結びつけることができる。4
共鳴構造について説明できる。4
炭化水素の種類と、それらに関する性質および代表的な反応を説明できる。4
芳香族性についてヒュッケル則に基づき説明できる。4
分子の三次元的な構造がイメージでき、異性体について説明できる。4
構造異性体、シスートランス異性体、鏡像異性体などを説明できる。4
化合物の立体化学に関して、その表記法により正しく表示できる。4
代表的な官能基に関して、その構造および性質を説明できる。4
それらの官能基を含む化合物の合成法およびその反応を説明できる。4
代表的な反応に関して、その反応機構を説明できる。4
高分子化合物がどのようなものか説明できる。4
代表的な高分子化合物の種類と、その性質について説明できる。4
高分子の分子量、一次構造から高次構造、および構造から発現する性質を説明できる。4
高分子の熱的性質を説明できる。4
重合反応について説明できる。4
重縮合・付加重合・重付加・開環重合などの代表的な高分子合成反応を説明でき、どのような高分子がこの反応によりできているか区別できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の反応を説明できる。4
ラジカル重合・カチオン重合・アニオン重合の特徴を説明できる。4
電子論に立脚し、構造と反応性の関係が予測できる。4
反応機構に基づき、生成物が予測できる。4

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
基礎的能力155500025
専門的能力305500040
分野横断的能力255500035