遺伝子・細胞工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和03年度 (2021年度)
授業科目 遺伝子・細胞工学
科目番号 45020 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 5
開設期 3rd-Q 週時間数 2
教科書/教材 遺伝子工学 第2版 (新バイオテクノロジーテキストシリーズ) (NPO法人日本バイオ技術教育学会 (監修)、講談社)
担当教員 島袋 勝弥

到達目標

①制限酵素、ベクターおよび遺伝子導入方法についてを整理できる。
②生体分子の塩基配列による特異的検出方法(プローブの設計と標識法、ハイブリダイゼーション法の原理と実際およびハイブリダイゼーション法)についてを整理できる。
③遺伝子の解析方法、増幅方法および発生工学・再生医療への応用について整理できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1遺伝子工学の技法を相互に関連づけて説明し、カラムクロマトグラフィーおよびアミノ酸配列分析法などによるタンパク質同定方法についてについて整理できる。遺伝子工学の技法を相互に関連づけて説明し、カラムクロマトグラフィーについてについて整理できる。遺伝子工学の技法を相互に関連づけて説明できる。遺伝子工学の技法を相互に関連づけて説明できない。加えてカラムクロマトグラフィーおよびアミノ酸配列分析法などによるタンパク質同定方法についてについて整理できない。
評価項目2制限酵素、ベクターおよび遺伝子導入方法について整理できる。制限酵素、遺伝子導入方法についてについて、3種類のうち2種類について整理できる。制限酵素、ベクターおよび遺伝子導入方法について、3種類のうち1種類について整理できる。制限酵素、ベクターおよび遺伝子導入方法について整理できない。 
評価項目3プローブの設計と標識法、ハイブリダイゼーション法について整理できる。プローブの設計と標識法、ハイブリダイゼーション法について、3種類のうち2種類について整理できる。プローブの設計と標識法、ハイブリダイゼーション法について、3種類のうち1種類について整理できる。プローブの設計と標識法、ハイブリダイゼーション法について整理できない。
評価項目4遺伝子の解析方法、増幅方法および発生工学・再生医療への応用について整理できる。遺伝子の解析方法、増幅方法および発生工学への応用について3種類のうち2種類について整理できる。遺伝子の解析方法、増幅方法および発生工学への応用について3種類のうち1種類について整理できる。遺伝子の解析方法、増幅方法および発生工学・再生医療への応用について整理できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
病気の診断、バイオ医薬品の創製、遺伝子治療、細胞治療、再生医療など工学領域においても現在最も期待されている技術の一つがバイオテクノロジーである。本講義では、遺伝子や細胞の
操作などバイオテクノロジーに関する基本的知識や態度を習得する。
授業の進め方・方法:
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを課す。最近のバイオテクノロジーを理解するための基礎知識を整理し、最先端の技術についても紹介します。
注意点:
資料プリント(授業で扱う例題、まとめのノートなど)を整理し、繰り返して知識の定着に努めよう。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 遺伝子工学に使われる用語と酵素 遺伝子工学に使われる専門用語の意味を再確認し、遺伝子工学に必要な酵素たちを理解します。
2週 核酸の精製原理 生体試料からDNA,RNAを中秋つする方法の原理、使用し役について説明します。
3週 核酸の検出と定量 電気泳動法、PCR法について説明します。
4週 核酸の標識法とシークエンシング ハイブリダイゼーション法に利用するプローブの標識法と塩基配列解析法について説明します。
5週 ベクターの作製と導入 形質転換に使われるベクターの作製法とその細胞への導入法について説明します。
6週 細胞融合法と遺伝子工学による有用物質の産生 ハイブリドーマの作製法、遺伝子工学による生理活性物質などの産生について説明します。
7週 発生工学 遺伝子組み換え技術を利用した発生工学について説明します。
8週 テスト 本講義で学んだ知識を整理します。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野生物化学タンパク質、核酸、多糖がそれぞれモノマーによって構成されていることを説明できる。1
生体物質にとって重要な弱い化学結合(水素結合、イオン結合、疎水性相互作用など)を説明できる。2
単糖と多糖の生物機能を説明できる。1
単糖の化学構造を説明でき、各種の異性体について説明できる。1
グリコシド結合を説明できる。1
多糖の例を説明できる。1
脂質の機能を複数あげることができる。1後6
トリアシルグリセロールの構造を説明できる。脂肪酸の構造を説明できる。1
リン脂質が作るミセル、脂質二重層について説明でき、生体膜の化学的性質を説明できる。1
タンパク質の機能をあげることができ、タンパク質が生命活動の中心であることを説明できる。2
タンパク質を構成するアミノ酸をあげ、それらの側鎖の特徴を説明できる。2
アミノ酸の構造とペプチド結合の形成について構造式を用いて説明できる。2
タンパク質の高次構造について説明できる。2
ヌクレオチドの構造を説明できる。4
DNAの二重らせん構造、塩基の相補的結合を説明できる。4後1
DNAの半保存的複製を説明できる。4
RNAの種類と働きを列記できる。4
コドンについて説明でき、転写と翻訳の概要を説明できる。4
酵素の構造と酵素-基質複合体について説明できる。2
酵素の性質(基質特異性、最適温度、最適pH、基質濃度)について説明できる。2
補酵素や補欠因子の働きを例示できる。水溶性ビタミンとの関係を説明できる。1
解糖系の概要を説明できる。1
クエン酸回路の概要を説明できる。1
酸化的リン酸化過程におけるATPの合成を説明できる。1
嫌気呼吸(アルコール発酵・乳酸発酵)の過程を説明できる。1
各種の光合成色素の働きを説明できる。1
光化学反応の仕組みを理解し、その概要を説明できる。1
炭酸固定の過程を説明できる。1

評価割合

試験レポート合計
総合評価割合6040100
基礎的能力302050
専門的能力302050
分野横断的能力000