高分子化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 高分子化学Ⅰ
科目番号 0030 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「コンパクト高分子化学」宮下徳治著(三共出版発行)/プリント(演習問題)
担当教員 山﨑 博人

到達目標

高分子化合物は衣類・食品・プラスチックといった我々の生活の中で欠かせない有機材料である。高分子化学Iでは,高分子化合物のあらまし,高分子材料の構造と基本物性,重合反応の概念、および汎用樹脂の構造と性質を紹介する。従って,本科目での到達目標レベルは下記の通りである。
1) 高分子化合物の分子構造,一般的性質と,特徴(分子間にはたら力,分類)を整理できる。
2) 高分子化合物の分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液を整理できる。
3) 高分子化合物の重合反応(逐次・連鎖重合)を考察できる。
4) 汎用性ププラスチックの構造と特徴,基本的性質を整理できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安未到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
到達目標 ①分子構造,一般的性質と,特徴を十分に整理できる。分子構造,一般的性質と,特徴をある程度整理できる。分子構造,一般的性質と,特徴を整理できる。分子構造,一般的性質と,特徴を整理できない。
思考・推論・創造へ到達目標 ②分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液について十分に整理できる。分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液についてある程度整理できる。分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液について整理できる。分子量,熱的・力学的性質と,高分子溶液について整理できない。
到達目標 ③重合反応を的確に考察できる。重合反応をある程度考察できる。重合反応を考察できる。重合反応を考察できない。
到達目標 ④汎用性ププラスチックの構造と特徴,基本的性質を十分に整理できる。汎用性ププラスチックの構造と特徴,基本的性質をある程度整理できる。汎用性ププラスチックの構造と特徴,基本的性質を整理できる。汎用性ププラスチックの構造と特徴,基本的性質を整理できない。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(3) 説明 閉じる
教育目標 (C)① 説明 閉じる

教育方法等

概要:
 私たちの身の回りに存在するプラスチック,繊維,ゴムなどは全て高分子と呼ばれる物質で構成されています。更に高分子には,人の手によって製造された人工物のみならず,天然繊維(絹,綿,羊毛),木材,穀物,動物性タンパクや,遺伝子などの天然物も該当しています。現在,高分子で作られた製品は,優れた機能や特質をもっているため,私たちがより豊かな生活を送れるよう,日常的に様々な場面で使用されています。更に優秀な高分子を開発するにはどのような物質を合成するべきか,企業の製品開発の分野では今後,ますます重要になると予期されます。
 本講義を通じて,学生諸君には高分子化合物の示す特徴ある性質や機能について,基本的な内容を学修してもらい,この知識が将来,社会人として働いた折の一助になってもらいたいと思っています。
授業の進め方・方法:
高分子化学はⅠ(前期)とⅡ(後期)にわかれていますが,通年で一つの体系を終了することになります。 予習および復習をすること。
小テストは各週の講義内容の復習と応用を兼ね,講義の冒頭で15分程度実施します。
レポートは提出期限を遵守するなどの点を、態度・志向性として評価に取り入れます。
注意点:
再試験は原則として実施しません。
本講義の質問は講義時間の他,何時でも受け付けます。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 高分子とは
(1週のまとめレポート)
・身の回りの高分子について説明できる
・主要な高分子の構造と名称を説明できる(教科書p.1-5)
2週 高分子の歴史と高分子間に働く力
(1週の学習内容から小テスト)
・高分子の歴史について説明できる
・高分子の一般的性質、高分子間に働く力について説明できる (教科書p.5-9)
3週 高分子のイメージ
(2・3週のまとめレポート)
・ファンデルワールス力に作用する主な因子と物性について説明できる
・高分子のイメージを説明できる(教科書p.10-14)
4週 高分子の分類
(2・3週の学習内容から小テスト)
・結晶・非晶領域について説明できる
・熱的性質より分類し,説明できる
・固体構造を分類し,解説できる(教科書p.15-17)
5週 高分子の分子構造と分子量
(4・5週のまとめレポート)
・高分子の立体規則性につて説明できる
・高分子の分子量の算出・測定方法について説明できる (教科書p.17-23)
6週 高分子の熱的性質(1)
(4・5週の学習内容から小テスト)
・結晶構造と熱変化について説明できる
・高分子のガラス転移について説明できる (教科書p.23-29)
7週 高分子の熱的性質(2)
(6・7週のまとめレポート)
同上
8週 中間試験
2ndQ
9週 高分子の力学的性質
(試験返却・解答解説)
・試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる
・力学的性質の特徴について説明できる(教科書p.29-31)
10週 高分子溶液
(9・10週のまとめレポート)
・ 線状高分子の溶媒への溶解過程を説明できる(教科書p.31-33)
11週 高分子の合成(1)
(9・10週の学習内容から小テスト)
・高分子の重合様式の違いと、各々の反応の特徴を説明できる(教科書p.34-42)
12週 高分子の合成(2)
(11・12週のまとめレポート)
同上
13週 汎用樹脂(1)
(11・12週の学習内容から小テスト)
・PE,PPの分子構造,特徴および用途を説明できる
(教科書p.45-48)
14週 汎用樹脂(2)
(13・14週のまとめレポート)
・汎用樹脂の分子構造,特徴および用途を説明できる
15週 期末試験
16週 答案返却・解答解説 試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

中間試験期末試験小テストレポートポートフォリオ合計
総合評価割合353510200100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】5521013
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】5521013
汎用的技能 【論理的思考力】2020413057
態度・志向性(人間力) 【自己管理力】000404
総合的な学習経験と 創造的思考力 【創成能力】5521013