無機・分析化学実験Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機・分析化学実験Ⅰ
科目番号 0031 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 4
教科書/教材 無機分析化学実験 I 実験書 (講義第1回目に配布), 実験・実習の安全-化学編(実教出版)
担当教員 茂野 交市,福地 賢治

到達目標

 本科目は高専における初めての実験科目であり、実験に対する基本的な心構えや基本的な操作方法を学ぶ。次の4点が到達レベルである。
(1) 実験を行うにあたって安全に関する基本的知識を理解し、安全第一の意識を定着することができる。
(2) 化学実験の際に使用する実験器具の名称を理解し、基本的な計算ができる。
(3) 基本的な実験器具および化学薬品の使用方法を理解し、実際に使用することができる。
(4) 化学実験における基本的なレポートを作成できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安
評価項目(1)安全に関する基本的知識を理解し、実験室においては助言なしに安全第一の態度を実践できる。安全に関する基本的知識を理解し、実験室においては多少の意識欠如はあるが、自ら気づいて助言なしに安全第一の態度を実践できる。安全に関する基本的知識を理解し、実験室においては多少の意識欠如があり助言が必要ではあるが安全第一の態度を実践できる。安全に関する基本的知識を理解しておらず、実験室において安全第一の態度を実践できない。
評価項目(2)化学実験の際に使用する実験器具の名称をほぼ10割理解し、基本的な計算がほぼ10割できる。化学実験の際に使用する実験器具の名称を8割以上理解し、基本的な計算が8割以上できる。化学実験の際に使用する実験器具の名称を6割以上理解し、基本的な計算が6割以上できる。化学実験の際に使用する実験器具の名称を6割未満しか理解しておらず、基本的な計算が6割未満しかできない。
評価項目(3)基本的な実験器具および化学薬品の使用方法を習得し、実際の操作では助言なしに遂行することができる。基本的な実験器具および化学薬品の使用方法を習得し、実際の操作では多少のミスはあるが自ら気づいて助言なしに遂行することができる。基本的な実験器具および化学薬品の使用方法を習得し、実際の操作では多少のミスがあり助言が必要ではあるが遂行することができる。基本的な実験器具および化学薬品の使用方法を習得しておらず、実際の操作を行うことができない。
評価項目(4)報告書(要旨・原理・方法・結果・考察・参考文献および課題)の作成方法を理解し,実験内容が明瞭に理解できる報告書を作成できる。報告書(要旨・原理・方法・結果・参考文献および課題)の作成方法を理解しているが,考察において更なる努力が必要な報告書を作成できる。報告書(原理・方法・結果・参考文献および課題)の作成方法を理解しているが,要旨・考察において更なる努力が必要な報告書を作成できる。報告書(要旨・原理・方法・結果・考察・参考文献および課題)の作成方法を理解していないため,報告書を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【第1,2学期開講】
本科目は高専における初めての実験科目であり、実験に対する基本的な心構えや基本的な操作方法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
【学習上の留意点・助言】実験は理工系学科の教育の根幹をなし,大きな意義を持つ。本科目は高専における初めての実験科目であり、実験に対する基本的な心構えや基本的な操作方法を学ぶ。本科目で習得した内容が今後高学年でより高度な実験を行う際の基盤となるため、非常に重要となることは容易に想像できるであろう。準備学習としては,テキスト・補助資料を通読し、予習をきちんと行うこと。特に安全に関わる部分を熟読しておくこと。レポート作成としては,関連する基礎知識,またなぜ結果がそうなったのかその原理を,また予想された結果と異なった理由・原因,疑問に思うこと(課題発見力)をしっかりと考察すること。
【成績評価方法】各実験テーマごとに各実験テーマごとに実験結果報告書(小テスト含む)及びレポートを提出させ,実験に対する姿勢(実験ノート,予習状況,当日の実験操作)と共に総合的に評価する。単位を取得するためには原則としてすべてのレポートを提出する必要がある。原則として正当な理由なくして欠席した場合には単位を与えない。
注意点:
補助教材:「ダイナミックワイド図説化学」 (東京書籍),「溶液の化学と濃度計算」 立屋敷哲著 (丸善)
なお、以下の授業計画における○は座学、★は実験項目を示す。
また、実験は★基本操作⇒★基礎定量分析(中和滴定)⇒★応用操作⇒★基礎定性分析(金属イオンの反応)の順に行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 実験全体の説明
○安全教育1
実験を進めるうえでの注意事項を各実験テーマの概略,レポートの作成方法について理解する。
危険物の取り扱い、危険な操作の際の注意点について理解する。
2週 ○ろ過の方法説明
★基本操作(1)(2)(3)
(1)駒込ピペット・メスシリンダーの使い方、(2)粒状炭の脱色実験(ろ過の方法)、 (3)溶液温度の測定(バーナーの使用法)について理解する。
3週 ○濃度の計算
★基本操作(4)(5)
(4)精密天秤の使用法、(5)試薬の調製1(NaCl水溶液)(メスフラスコの使い方)について理解する。
4週 ○濃度の計算
★基本操作(6)(7)
(6)試薬の調製2(HCl水溶液、H2SO4水溶液)、(7)1滴の体積について理解する。
5週 ○測容容器に関する説明
★基本操作(8)
(8)メスピペット・ホールピペット(+安全ピペッター)について理解する。
6週 ○中和滴定の説明
★中和滴定(1)
(1)試薬の調製3(シュウ酸標準溶液、NaOH水溶液)について理解する。
7週 ○イオン交換の説明
★中和滴定(2)
(2)陽イオン交換樹脂による陽イオンの除去(酸試料溶液の作成)について理解する。
8週 ★中和滴定(3) (3)NaOH水溶液の評定+標定されたNaOHと酸試料溶液の中和滴定について理解する。
2ndQ
9週 ○安全教育2
★応用操作(1)
(1)ガラス細工について理解する。
10週
★応用操作(2)
(2)気体の発生実験(2-a)アンモニアと(2-b)二酸化炭素について理解する。
11週
★応用操作(3)(4)
(3)光触媒、(4)モール塩の合成について理解する。
12週 ○金属イオンの反応の説明
★金属イオンの反応(1)(2)
(1)Ag+, Pb2+の反応、(2)Cu2+, Bi3+の反応について理解する。
13週
★金属イオンの反応(3)(4)
(3)Al3+, Cr3+, Fe2+, Fe3+の反応、(4)Zn2+, Mn2+, Ni2+, Co2+の反応について理解する。
14週
★基礎実験実技テスト
今までに行った実験のなかから重要なものいくつかについて1人ずつ実技テストを行う。
15週 まとめ 過去の小テストの解答および実技試験の説明講評を理解し、次回以降の操作に生かす。
全体の学習事項のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

実験レポート小テスト実技テスト態度(日報・安全)合計
総合評価割合50201515100
知識の基本的な理解30155050
思考・推論・創造への適用力20510540
態度・志向性(人間力)0001010