無機・分析化学実験Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 無機・分析化学実験Ⅱ
科目番号 0032 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 4
教科書/教材 無機分析化学実験 Ⅱ 実験書 (講義第1回目に配布), 実験・実習の安全-化学編(実教出版)
担当教員 茂野 交市,福地 賢治,野本 直樹

到達目標

 本科目は無機分析化学実験Iで習得した器具の使用方法,実験データの取扱い,計算方法を使って,基本的な定性・定量分析実験に関する知識と技術を習得する。次の3点が到達レベルである。
(1)定量分析(キレート滴定,酸化還元滴定,沈殿滴定)を実験できる。
(2)無機陽イオンの定性分析(系統的定性分析と陽イオンの各反応)を実験できる。
(3)報告書(レポート)の作成方法を実践できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(良)未到達レベルの目安
評価項目(1)定量分析のキレート滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定の類似点と相違点を全て理解し,実験を進めることができる。定量分析のキレート滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定の類似点と相違点を2/3を理解し,実験を進めることができる。定量分析のキレート滴定・酸化還元滴定・沈殿滴定の類似点と相違点を完全には理解していないが,実験を進めることができる。定量分析を理解していないため,実験を進めることができない。
評価項目(2)定性分析の系統的分析および陽イオンの各反応を理解し,実験を進めることができる。定性分析の系統的分析を理解し,実験を進めることができる。定性分析の陽イオンの各反応を理解し,実験を進めることができる。定性分析の系統的分析および陽イオンの各反応を理解していないため,実験を進めることができない。
評価項目(3)報告書(要旨・原理・方法・結果・考察・参考文献および課題)の作成方法を理解し,実験内容が明瞭に理解できる報告書を作成できる。報告書(要旨・原理・方法・結果・参考文献および課題)の作成方法を理解しているが,考察において更なる努力が必要な報告書を作成できる。報告書(原理・方法・結果・参考文献および課題)の作成方法を理解しているが,要旨・考察において更なる努力が必要な報告書を作成できる。報告書(要旨・原理・方法・結果・考察・参考文献および課題)の作成方法を理解していないため,報告書を作成できない。

学科の到達目標項目との関係

教育目標 (A) 説明 閉じる

教育方法等

概要:
【第1,2学期開講】
本科目は無機分析化学実験Iで習得した器具の使用方法,実験データの取扱い,計算方法を使って,基本的な定性・定量分析実験に関する知識と技術を習得する。
授業の進め方・方法:
【学習上の留意点・助言】実験は理工系学科の教育の根幹をなし,大きな意義を持つ。本実験では無機分析化学実験Iで習得した技術を定性・定量分析で実践する。すべての物質は日常生活とは異なり高濃度のため危険と考えてよい。しっかりとした心構えで臨み,予習をきちんと行うことが履修上の要点である。準備学習としては,テキスト・補助資料を通読のこと。特に安全委関わる部分(試薬の性質・反応など)を熟読しておくこと。レポート作成としては,関連する基礎知識,またなぜ結果がそうなったのかその原理を,また予想された結果と異なった理由・原因,疑問に思うこと(課題発見力)をしっかりと考察すること。
【成績評価方法】各実験テーマごとに実験結果報告書(小テスト含む)及び報告書(レポート)を提出させ,実験に対する姿勢(実験ノート,予習状況,当日の実験操作)と共に総合的に評価する。単位を取得するためには原則としてすべてのレポートを提出する必要がある。報告書の採点には,別紙のルーブリック資料がありますので,授業開始時に配布します。原則として,正当な理由なくして欠席した場合には単位を与えない。
注意点:
補助教材:「ダイナミックワイド図説化学」 (東京書籍),「溶液の化学と濃度計算」 立屋敷哲著 (丸善)
なお、以下の授業計画における○は座学、★は実験項目を示す。
また、実験は★定量分析⇒★定性分析の順に行う。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 【定量分析】
○キレート滴定の説明
★キレート滴定
(1)ZnO標準溶液の調製、(2)EDTA標準溶液の調製と標定ができる。
2週
★キレート滴定
(1)MgSO4・7H2O中のMgの定量、(2)宇部水道水中の硬度測定ができる。
3週 ○沈殿滴定の説明
★沈殿滴定
(1)硝酸銀の調製、(2)Mohr法による硝酸銀の標定ができる。
4週
★沈殿滴定
(1)Fajans法による硝酸銀の標定、(2)硝酸銀による塩化銅(Ⅱ)溶液の標定ができる。
5週 ○I2法による酸化還元滴定の説明
★酸化還元滴定
(1)I2標準溶液の調製、(2)Na2S2O3標準溶液の調製と標定ができる。
6週 ○KMnO4法による酸化還元滴定の説明
★酸化還元滴定
(1)Na2C2O4標準溶液の調製、(2)KMnO4溶液の標定、(3)モール塩の標定ができる。
7週
★定量実技試験
(1)定量分析の実技試験(H2O2の標定)
8週 【定性分析】
○金属イオンの反応の説明
★1族金属イオンの分析
(1)Ag+, Pb2+の反応について理解する。
4thQ
9週
★2族金属イオンの分析
(1)Cu2+, Bi3+の反応について理解する。
10週
★1,2族金属イオンの系統分析
(1)第1,2族金属イオンの系統分析ができる。
11週
★3族金属イオンの分析
(1)Al3+, Cr3+, Fe2+, Fe3+の反応について理解する。
12週
★4族金属イオンの分析
(1)Zn2+, Mn2+, Ni2+, Co2+の反応について理解する。
13週
★3,4族金属イオンの系統分析
(1)第3,4族金属イオンの系統分析ができる。
14週
★定性実技試験
(1)未知試料の系統分析
15週 まとめ
★後片付け
過去の小テストの解答および実技試験の説明講評を理解し、次回以降の操作に生かす。
全体の学習事項のまとめを行う。
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

実験レポート小テスト実技テスト態度(日報)合計
総合評価割合50201515100
知識の基本的な理解30155050
思考・推論・創造への適用力20510540
態度・志向性(人間力)0001010