分析化学Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 分析化学Ⅱ
科目番号 0035 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 後期 週時間数 2
教科書/教材 「溶液の化学と濃度計算」 立屋敷哲著 (丸善)
担当教員 小倉 薫

到達目標

1.重量分析や定性分析を説明することができる。
2.酸化還元反応が理解でき,酸化還元滴定の計算ができる。
3.キレート滴定やイオン交換,溶媒抽出の原理が理解でき,それらを利用した分析法を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
到達目標1重量分析や定性分析を4/5以上説明できる。重量分析や定性分析を3/4程度説明できる。重量分析や定性分析を2/3程度説明できる。重量分析や定性分析が理解できない。
到達目標2酸化還元反応が理解でき,酸化還元滴定の計算が4/5以上できる。酸化還元反応が理解でき,酸化還元滴定の計算が3/4程度できる。酸化還元反応が理解でき,酸化還元滴定の計算が2/3程度できる。酸化還元反応が理解できない。
到達目標3キレート滴定やイオン交換,溶媒抽出の原理が説明でき,それらを利用した分析法に関する計算を4/5以上できる。キレート滴定やイオン交換,溶媒抽出の原理が説明でき,それらを利用した分析法に関する計算を3/4程度できる。キレート滴定やイオン交換,溶媒抽出の原理が説明でき,それらを利用した分析法に関する計算を2/3程度できる。キレート滴定やイオン交換,溶媒抽出の原理が理解できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第3学期開講
化学分析に必要な基礎的な理論と操作の原理について説明する。また、分析化学Ⅰ、無機化学Ⅰ、Ⅱ、Ⅲ及び無機分析化学実験Ⅰ、Ⅱと合わせて分析化学に関する知識の有機的連携を目指す。
授業の進め方・方法:
授業中は集中して講義に取り組むこと。毎回、授業の終わりにその回の小テストを実施する。小テストは自らを律して授業に取り組む姿勢を態度・志向性(主体性と自己管理力)として評価に取り入れる。 講義の内容は分析化学に関する理論と計算がほとんどで,自身で繰り返し計算することによってその手法が身につく。面倒とは考えずに必ず計算を自らの手で行うこと。答えだけを見て分かった気になっても,実際に解けなければ意味がない。 分析化学を学ぶ上で滴定や酸化還元の概念の理解は不可欠である。また,各種の平衡反応に関する理解は様々な化学プロセスを解くための前提ともなる。これらに躓くとこの科目より後に学ぶ多くの専門科目の履修の際に,十分な理解が期待できない。自分自身の専門性の確立のためにしっかりと取り組んでもらいたい。やればできるはずです。
注意点:
小テスト、中間試験、期末試験ではそれまでに習ったことも出題する。一夜漬けで覚えたことをすぐに忘れるような学習ではなく、着実に身に付けることが求められる。再試験は実施しないが,平均点が極端に低い場合には実施を検討する。もし実施することがあれば,成績評価には本試験の得点を加味する。単位認定試験では学生ごとに理解が不足している範囲を指定して試験を行う。この時にも、前年度のその範囲の得点により合格点を指定する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 溶解平衡と溶解度積(小テスト実施) 重量分析に必要な溶解度・溶解度積が理解できる。
2週 重量分析(小テスト実施) 沈殿による物質の分離法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。
3週 陽イオンの定性分析(小テスト実施) 代表的な陽イオンの定性分析が理解できる。
4週 陰イオンの定性分析(小テスト実施) 代表的な陰イオンの定性分析が理解できる。
5週 酸化還元1(小テスト実施) 酸化・還元について理解する。酸化数について理解する。
6週 酸化還元2(小テスト実施) 酸化・還元の半反応式の求め方を理解する。(プリント)
7週 酸化還元3(小テスト実施) 酸化・還元の全反応式の求め方を理解する(プリント)。酸化還元滴定の原理を理解する。
8週 中間試験実施 1-7週までの範囲の試験を実施する。
4thQ
9週 中間試験の解説、酸化還元滴定(小テスト実施) 試験解説により,間違った箇所が理解できる。弱酸、弱塩
基についての各種平衡について理解している。
10週 錯体(小テスト実施) 錯体の生成について理解している。
11週 錯化滴定、キレート滴定(小テスト実施) 錯化滴定、キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。
12週 イオン交換(小テスト実施) イオン交換による分離方法に関する概略が理解できる。
13週 溶媒抽出(小テスト実施) 溶媒抽出を利用した分析法について理解している。
14週 総合演習 9週から13週にかけての演習を行う。
15週 定期試験 9-13週までの範囲を中心に全範囲の試験を実施する。中間試験までの範囲の一部も出題する。
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野分析化学いくつかの代表的な陽イオンや陰イオンの定性分析のための化学反応について理解できる。4
溶解度・溶解度積について理解し必要な計算ができる。4
沈殿による物質の分離方法について理解し、化学量論から沈殿量の計算ができる。4
錯体の生成について説明できる。4
陽イオンや陰イオンの関係した化学反応について理解し、溶液中の物質の濃度計算(定量計算)ができる。4
酸化還元滴定についての原理を理解し、酸化剤及び還元剤の濃度計算ができる。4
キレート滴定についての原理を理解し、金属イオンの濃度計算ができる。4
イオン交換による分離方法についての概略を説明できる。4
溶媒抽出を利用した分析法について説明できる。4

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合5050100
基礎的能力203050
専門的能力301040
態度・志向性(主体性と自己管理力)01010