無機化学Ⅰ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2018
授業科目 無機化学Ⅰ
科目番号 0036 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 2
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「現代の無機化学」合原 眞、井出 悌、栗原寛人 著(三共出版)
担当教員 小倉 薫

到達目標

1.物質を構成する基本単位である原子の構造について説明できる。
2.各元素の性質が原子核を取り巻く電子の振る舞いによることを周期表と関連付けて説明できる。
3.元素の組み合わせからなる化合物の結合について説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1原子の構造について図を用いて説明でき、種々の物質に適用できる。原子の構造について説明でき、種々の原子に適用できる。原子の構造について説明できる。原子の構造について説明できない。
評価項目2電子の振る舞いについて図を用いて説明でき、種々の元素に適用できる。電子の振る舞いについて説明でき、種々の元素に適用できる。電子の振る舞いについて説明できる。電子の振る舞いについて説明できない。
評価項目3化合物の結合について図を用いて説明でき、種々の化合物に適用できる。化合物の結合について説明でき、種々の化合物に適用できる。化合物の結合について説明できる。化合物の結合について説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
無機化学は原子の構造や結合状態など、物質の本質を理解する根幹となる。ここでは、物質を構成する最小単位である原子の成り立ちを学び、原子の性質がどのようにして決まるのかを学習する。また、原子が結合して生じる「分子」とはどのようなものなのかを学ぶ。 
授業の進め方・方法:
授業中は集中して講義に取り組むこと。毎回、授業の終わりにその回の小テストを実施する。小テストは自らを律して授業に取り組む姿勢を態度・志向性(主体性と自己管理力)として評価に取り入れる。 講義の内容は原子の成り立ちと化学結合に関するもので、化学を学ぶ上で基本中の基本ともいえる部分である。自分自身の専門性の確立のためにしっかりと取り組んでもらいたい。やればできるはずです。
注意点:
小テスト、中間試験、期末試験ではそれまでに習ったことも出題する。一夜漬けで覚えたことをすぐに忘れるような学習ではなく、着実に身に付けることが求められる。再試験は実施しないが,平均点が極端に低い場合には実施を検討する。もし実施することがあれば,成績評価には本試験の得点を加味する。単位認定試験では学生ごとに理解が不足している範囲を指定して試験を行う。この時にも、前年度のその範囲の得点により合格点を指定する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 無機化学とは?(小テスト実施) 無機化学を学ぶことの意義が理解できる。
2週 原子構造1 (小テスト実施) 原子の種類と質量、放射性崩壊が理解できる。
3週 原子構造2 (小テスト実施) 質量欠損と原子力が理解できる。
4週 水素原子模型1 (小テスト実施) 水素の原子スペクトルが理解できる
5週 水素原子模型2 (小テスト実施) Bohrの水素原子模型が理解できる。
6週 水素原子の波動関数 (小テスト実施) 原子軌道が波動関数で表現されることが理解できる。
7週 量子数と電子状態 (小テスト実施) 原子軌道中の電子の状態が4つの量子数で表現されることが理解できる。
8週 中間試験 1-7週の範囲の試験を実施する。
2ndQ
9週 中間試験の解説、原子の電子配置と周期表 (小テスト実施) Pauliの排他原理、Hundの規則が理解できる。
10週 原子の性質1 (小テスト実施) 原子の大きさ、イオン化エネルギーが理解できる。
11週 原子の性質2 (小テスト実施) 電子親和力(電子付加エンタルピー)、電気陰性度の大きさが理解できる。
12週 化学結合1 (小テスト実施) 原子の結合形式の違いと分子軌道法が理解できる。
13週 化学結合2 (小テスト実施) 原子軌道の重なりにより生じる結合性軌道、反結合性軌道が理解できる。
14週 化学結合3 (小テスト実施) 等核二原子分子と異核二原子分子の成り立ちが理解できる。
15週 定期試験(期末試験) 9-14週までの範囲を中心に全範囲の試験を実施する。中間試験までの範囲の一部も出題する。
16週 試験返却

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野無機化学主量子数、方位量子数、磁気量子数について説明できる。4
電子殻、電子軌道、電子軌道の形を説明できる。4
パウリの排他原理、軌道のエネルギー準位、フントの規則から電子の配置を示すことができる。4
価電子について理解し、希ガス構造やイオンの生成について説明できる。4
元素の周期律を理解し、典型元素や遷移元素の一般的な性質を説明できる。4
イオン化エネルギー、電子親和力、電気陰性度について説明できる。4
代表的な分子に関して、原子価結合法(VB法)や分子軌道法(MO法)から共有結合を説明できる。4

評価割合

試験小テスト合計
総合評価割合5050100
基礎的能力203050
専門的能力301040
態度・志向性(主体性と自己管理力)01010