物理化学Ⅲ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 物理化学Ⅲ
科目番号 0037 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 前期:4
教科書/教材 「PEL 物理化学」福地賢治 編著(実教出版)
担当教員 髙田 陽一

到達目標

1. 相平衡の基礎となる相律を理解して、純物質および2成分系の状態図を説明できる。
2. 数式と図を用いて化学平衡、反応速度、反応解析法を説明できる。
3. 電池の熱力学と実用電池の種類、および電気分解を説明できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1相律から計算した自由度を用いて、純物質および2成分系の状態図を詳細に説明できる。相平衡の基礎となる相律を理解して、純物質および2成分系の状態図を説明できる。相平衡の基礎となる相律を理解して、純物質の状態図を説明できる。相平衡の基礎となる相律を理解できず、純物質の状態図を説明できない。
評価項目2数式と図を用いて化学平衡、反応速度、反応解析法を適切に説明できる。数式を用いて化学平衡、反応速度、反応解析法を説明できる。化学平衡、反応速度、反応解析法の概念を説明できる。化学平衡、反応速度、反応解析法の概念を説明できない。
評価項目3電池の熱力学と実用電池の種類を説明でき、電気分解について説明できる。電池の熱力学と実用電池の種類を説明できる。電池の基礎を説明できる。電池の基礎を説明できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第1学期開講
物理化学Ⅰ・Ⅱで学んだ内容をもとに、純成分系および2成分系の相平衡と状態図を学ぶ。また、化学平衡と反応速度について数式を用いた説明を学ぶ。さらに、電池の基礎と応用範囲、電気分解を学ぶ。
授業の進め方・方法:
物理化学は化学を理論的に捉える学問であり、正しく理解することが重要となる。物理化学Ⅰ・Ⅱを基礎として化学熱力学を応用することで理解を深める。例題を中心に基礎問題を理解して、章末の演習問題を解くことに力を注いでほしい。
注意点:
ここで学ぶ内容は物理化学Ⅰ・Ⅱを基礎としているので、内容をしっかり復習しておくこと。また、計算問題を多く解くので、授業で行った計算は簡単なものでも一度は必ず自分で計算してみること。日頃から勉強を進めて小テストに臨み、レポートは確実に提出すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 7章 相平衡と溶液(1) 相転移と相律を説明できる。
2週 7章 相平衡と溶液(2) 純物質の相平衡を説明できる。
3週 7章 相平衡と溶液(3) 2成分系の気相-液相平衡条件と溶液の性質を説明できる。
4週 7章 相平衡と溶液(4) 2成分系の気相-液相状態図を説明できる。
5週 7章 相平衡と溶液(5) 束一的性質を説明できる。
6週 9章 化学平衡(1) 化学平衡を説明でき、平衡組成を計算できる。
7週 9章 化学平衡(2) 化学平衡への諸条件の影響をルシャトリエの原理から説明できる。
8週 10章 反応速度 反応速度の速度式を説明できる。
2ndQ
9週 11章 反応解析(1) 複合反応の速度式および各種近似法を説明できる。
10週 11章 反応解析(2) 化学反応とエネルギーの関係を説明できる。
11週 12章 電池と電気分解(1) 電池の基礎を説明できる。
12週 12章 電池と電気分解(2) 電池の熱力学を説明できる。
13週 12章 電池と電気分解(3) 実用電池の種類と特徴を説明できる。
14週 12章 電池と電気分解(4) 電気分解とその応用例を説明できる。
15週 定期試験 これまで学んだ内容を復習し、問題を解くことができる。
16週 試験返却 返却された定期試験を見直し、間違った問題を正しく理解できる。

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の専門工学化学・生物系分野物理化学2成分の状態図(P-x、y、T-x、y)を理解して、気液平衡を説明できる。4
束一的性質を説明できる。4
蒸気圧降下、沸点上昇より、溶質の分子量を計算できる。4
凝固点降下と浸透圧より、溶質の分子量を計算できる。4
相律の定義を理解して、純物質、混合物の自由度(温度、圧力、組成)を計算し、平衡状態を説明できる。4
平衡の記述(質量作用の法則)を説明できる。4
諸条件の影響(ルシャトリエの法則)を説明できる。4
均一および不均一反応の平衡を説明できる。4
反応における自由エネルギー変化より、平衡定数・組成を計算できる。4
平衡定数の温度依存性を計算できる。4
反応速度の定義を理解して、実験的決定方法を説明できる。4
反応速度定数、反応次数の概念を理解して、計算により求めることができる。4
微分式と積分式が相互に変換できて半減期が求められる。4
連続反応、可逆反応、併発反応等を理解している。4
律速段階近似、定常状態近似等を理解し、応用できる。4
電池反応と電気分解を理解し、実用例を説明できる。4

評価割合

試験レポート小テスト合計
総合評価割合603010100
知識の基本的な理解4010555
思考・推論・創造への適用力2020545