化学工学実験

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 化学工学実験
科目番号 0044 科目区分 専門 / 必修
授業形態 実験 単位の種別と単位数 履修単位: 2
開設学科 物質工学科 対象学年 4
開設期 通年 週時間数 2
教科書/教材 自作プリント実験書、化学工学-解説と演習-(化学工学会編・朝倉書店)、Excelで化学工学の解法がわかる本(吉村忠志)
担当教員 杉本 憲司

到達目標

1.流動、伝熱、精留、物質・熱収支の原理及び方法が説明できること。
2.流動、伝熱、精留、物質・熱収支のデータ整理及び考察ができること。
3.流動、伝熱、精留、物質・熱収支及び工程設計においてチーム内の人と協力して実験と実施できること。
4.工程設計の内容について計画、データ整理、聴衆の前で発表及び質疑応答ができること。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目14つの実験テーマの原理及び方法がすべて説明できる。3つの実験テーマの原理及び方法がすべて説明できる。2つの実験テーマの原理及び方法がすべて説明できる。4つの実験テーマの原理及び方法がすべて説明できない。
評価項目24つの実験テーマの実験データの整理及び考察についてすべて説明できる。3つの実験テーマの実験データの整理及び考察についてすべて説明できる。2つの実験テーマの実験データの整理及び考察についてすべて説明できる。4つの実験テーマの実験データの整理及び考察についてすべて説明できない。
評価項目34つの実験テーマ及び工程設計において、チーム内のすべての人と協力して実施できる。3つの実験テーマ及び工程設計において、チーム内の3人以上の人と協力して実施できる。2つの実験テーマ及び工程設計において、チーム内の2人以上の人と協力して実施できる。4つの実験テーマ及び工程設計において、誰とも協力して実施できない。
到達項目4工程設計の内容についてすべて自分で計画、データ整理ができ、聴衆の前で発表及び質疑応答ができる。工程設計の内容についてデータ整理及び聴衆の前で発表及び質疑応答ができる。工程設計の内容について聴衆の前で発表ができる。工程設計の内容について計画、データ整理及び聴衆の前で発表がすべてできない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
化学工学実験は流動、伝熱、精留、物質・熱収支の4つの実験と工程設計で実施を行う。
授業の進め方・方法:
 化学工学実験では実際の化学工場を意識した実験を行います。そのために、化学工場内の安全教育や服装なども厳しくチェックしていきます。また、座学で学んだ化学工学の知識を基に実際の実験でデータを取ってもらうとともに、工程設計で複数のパターンで演習を行ってもらいます。これによって、座学-実験-演習がリンクされ、より理解レベルの向上になります。
注意点:
 基礎工学の1つである化学工学は「化学」で生まれた成果を化学工場で製品として生産するプロセスについて、経済性、制御性、安全性から環境問題までふくめてその基礎理論と応用を学ぶことが重要である。また、インターンシップや工場見学の際に必要な工場内の規律や安全教育などについても説明ができるようになること。
 化学工学実験では化学工学Ⅰで学んだ単位換算、物質収支の知識とともに物理化学で学ぶ知識も必要であるため関連する教科書を利用すること。
 また、実験結果について計算及びグラフ作成をすることがあるので、関数電卓及び方眼用紙(普通目盛、片対数、両対数グラフ用紙)を持参すること。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 0.ガイダンス 学習の意義,実験の進め方,実験のテーマ内容,評価方法を説明できる
2週 1.流動 流量・流速の測定方法、レイノルズ数、管摩擦係数について説明ができ、流量、流速、レイノルズ数、管摩擦係数の計算ができる。
3週 2.円管内の境膜伝熱係数 温度の測定方法、境膜伝熱係数について説明ができ、境膜伝熱係数の計算ができる。
4週 3.補足実験および口頭試問 流動及び伝熱の内容について口頭によって説明ができる。
5週 4.精留および機器分析 蒸留操作の原理、メタノール濃度の分析方法について説明ができ、理論段数など蒸留塔に関する計算できる。
6週 5.物質収支および熱収支 都市ガスを用いて物質移動について説明ができ、燃焼による物質収支と熱収支の計算をすることができる。
7週 6.補足実験および口頭試問 精留及び物質収支の内容について口頭によって説明ができる。
8週 7.工程設計 エクセルを用いてグループ毎に単位操作を組み合わせた計算ができ、工程設計に必要なチームワークの必要性、ルール、マナーを説明ができる。また、グループの一員として他者の意見を尊重し、適切なコミュニケーションを持って共同作業を進めることができる。
2ndQ
9週 8.工程設計発表会 パワーポイントを用いて、工程設計した内容が発表できる。
10週 9.まとめ 実施した実験について、全体的な内容が説明できる。
11週
12週
13週
14週
15週
16週
後期
3rdQ
1週
2週
3週
4週
5週
6週
7週
8週
4thQ
9週
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
専門的能力分野別の工学実験・実習能力化学・生物系分野【実験・実習能力】化学工学実験流量・流速の計測、温度測定など化学プラント等で計測される諸物性の測定方法を説明できる。4
液体に関する単位操作として、特に蒸留操作の原理を理解しデータ解析の計算ができる。4
流体の関わる現象に関する実験を通して、気体あるいは液体の物質移動に関する原理・法則を理解し、物質収支やエネルギー収支の計算をすることができる。4

評価割合

小テスト実験レポート口頭試問および発表その他合計
総合評価割合10651510100
基礎的能力10406056
専門的能力0256031
汎用的技能(コミュニケーションスキル)00358
態度・志向性(責任感、リーダーシップ)00055