到達目標
①自身がこれから社会に参画していく主体であることを自覚し、国内の経済活動や国際社会の動向についての基本事項を理解し、他者に対しその課題を説明できる。
②国内の経済活動や国際社会の動向をめぐって現代社会がどのような課題を抱えているのかを理解し、自ら問題を設定し他者と共に考察することができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限のレベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1
【経済、国際社会の分野についての基本事項の理解】 | 自身がこれから社会に参画していく主体であることを自覚し、国内の経済活動や国際社会の動向についての基本事項を理解し、他者に対し課題を十分に説明できる。 | 自身がこれから社会に参画していく主体であることを自覚し、国内の経済活動や国際社会の動向についての基本事項を理解し、他者に対しその課題を概ね説明できる。 | 国内の経済活動や国際社会の動向についての基本事項を理解しているが、他者に対してはその課題を説明できない。 | 自身がこれから社会に参画していく主体であることを十分に自覚できておらず、国内の経済活動や国際社会の動向についての基本事項が理解できていない。 |
評価項目2
【現代社会の課題の理解と考察】 | 国内の経済活動や国際社会の動向をめぐって現代社会がどのような課題を抱えているのかを理解し、自ら問題を設定し他者と共に考察することができる。 | 国内の経済活動や国際社会の動向をめぐって現代社会がどのような課題を抱えているのかを理解し、自ら問題を設定し考察することができる。 | 国内の経済活動や国際社会の動向をめぐって現代社会がどのような課題を抱えているのかを理解し、問題を設定できる。 | 国内の経済活動や国際社会の動向をめぐって現代社会が抱える諸課題について理解が十分でない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
■第4学期開講
■本講義の目的
本講義高専5年間で学習する社会科諸科目の導入的な役割も担っています。そのため、1つのテーマについて深く掘り下げていくよりも、現代社会の抱える様々な問題について幅広く確認することを目的としていきます。特に現代社会Bでは、経済、社会保障、国際社会の問題といったテーマを中心に取り上げ、教科書と資料集、配布資料を中心に講義を行っていきます。学習の過程で現代社会の諸制度の基本的な理解を目指す(ルーブリックでいう【経済、国際社会の分野についての基本事項の理解】)ことと同時に、学んだ内容を踏まえて受講者自身が現代社会の抱える問題について自ら問いを立て、考える姿勢や方法を身につけてもらうこと(ルーブリックでいう【現代社会の課題の理解と考察】)も目指していきます。特に国際社会の問題を考えるうえでは、SDGsが掲げる目標にも言及していきます。グローバルな課題に対して国際社会がどうやって取り組もうとしているのかも授業の中で捉えていきましょう。
■目的を達成するために
上記の目的を達成するために、教員による講義のほかに、「授業担当者の専門分野である「哲学対話」という教育実践を参考に、対話の時間やグループワークの時間を設けます。哲学対話とは、容易に答えの決まらない問題について問いを立て粘り強く周囲とともに考えていく話し合いのことを指します。哲学と名はつきますが、哲学者の知識や理解は問いません。大切なのは、「自分たちの言葉を使って、容易に割り切れないようなまだうまく言葉になっていないモノ・コト・問題についてその場で考えながら言葉を与えていくこと」だと思っています。ちょっと難しく書きすぎてしまいましたが、基本的にはいろんな意見を聞くことのできる楽しい時間になるはずです。肩の力を抜いて、リラックスした気持ちで取り組んでください。
授業の進め方・方法:
■講義
授業計画において「哲学対話」や「グループワーク」といった表記がない回については、原則として教員による講義を中心に進めます。その際は資料集や映像資料、ICTツールなども活用しながら、問題を具体的に捉えることを目指します。
■哲学対話
対話的活動を行う際には必ずしも発言を必須とはしません。(発言の量・質を成績評価には結び付けません。)その代わりに、他者の発言をよく聴き、共に考えているかどうか、を確認するためにワークシート(レポート)の提出を課し、成績評価の資料とします。
■学科横断グループワーク(2021年度は中止)
第7回(時期は変更の可能性あり)には、他学科と合同で授業を実施し、社会の課題について考えるグループワークを行うことを予定しています。多様なメンバーと話し合いをしながら考えをまとめていくプロセスを体験すること、それを通して初めて気づく社会の課題や解決策のヒントが見えることを期待しています。グループワークで作成するワークシートおよび各自のふりかえりのレポートを成績評価の資料とします。
■各自の作成したレポートをもとにしたグループワーク
授業後半では、国際社会の様々な課題をテーマに、各自にレポートを作成してもらい、それをもとにグループでの発表、ワークを行う予定です。事前の説明をよく聞き、よく調べてレポートを作成してください。これらレポートおよびグループワークの際のワークシートは成績評価の資料とします。
■定期的なポートフォリオの作成
それぞれのテーマについて、課題に対して自身の考えを記述することで受講者の授業の理解度を確認したり、対話的活動を通してなにを考えたのかを記録し、さらにどのような問いを発見したかを書き留めていくためのポートフォリオ(大福帳)を継続的に実施し、成績評価の資料とします。
注意点:
■授業の約束
教員からは以下のことをお約束します。
・みなさんにとって意味のあることだと信じた内容を一生懸命授業します。
・評価や授業の進め方を含むさまざまなことについて理不尽なやり方をしません。
・ほぼすべての正当なしかたでなされた質問、問い合わせ、要望については真摯に対応します。
受講生のみなさんには以下のことを約束してもらうようお願いをします。
・一緒に授業を受けているクラスメイトにも、授業担当者にも、迷惑となる言動はしないてください。
・教室を授業を真面目に楽しみ、哲学しようとしている人のための空間にすることに協力してください。
※グループワーク中などのスマホの使用を見つけた場合、指摘し、回収することもあります。
■その他注意点
・課題の実施や提出の際には、TeamsまたはBlackboradなどのツールを使用することがあります。
そのため、あらかじめ自身のアカウントとパスワードを確認し、ログインができるようにしておくこと。
・授業計画は,授業の進捗や実際の社会の動向などの状況に応じて内容や順番を変更する可能性があります。
・現在宇部高専では、英語系科目以外でも日常的に英語に触れることを目的とし、授業内で英語による説明を取り入れることとしています。本講義でもそれに順じ、必要に応じて授業で取り上げる語句などに対応する英単語を紹介する、重要な文については短い英文で説明する場合があります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
4thQ |
9週 |
第1回 ガイダンス・紙上哲学対話 第2回 経済と会社:いかに効率的に、いかにバランスよく、いかに公平に |
・シラバスの意図するところがが概ね理解できたうえで、紙上哲学対話を楽しむことができる。 ・経済のしくみや様々な会社の形態について概ね理解できる。
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10週 |
第3回 市場・需要と供給:なぜスーパーマーケットは夜になると値下げをするのか? 第4回 景気変動と財政:景気がよいとき悪いとき国はなにをする? |
・具体的な値上がり、値下がりが起きる状況について需要と供給の関係から説明できる。 ・景気変動への対策としての財政の仕組みについて概ね理解できる。
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11週 |
第5回 雇用と労働問題:なんのために働く? 第6回 社会保障と福祉社会:元気で健康な自分がなぜ保険料を払わなくちゃいけないの?」にどう答えますか? |
・労働問題の現状とそのための法制度について理解し、自身が今後出会う可能性のある問題として捉えることができる。 ・日本の社会保障制度の仕組みとその課題を概ね理解できる。
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12週 |
第7回 哲学対話① 第8回 授業前半のふりかえり |
・哲学対話を通して、現代社会を取り巻く問題を捉えることができる。 ・これまでの授業をふりかえり、現代社会における諸課題を見つけ、的確にそれを表現できる。
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13週 |
第9回 国際政治の動向:戦争をなくせる日はくるのか? 10回 国際経済の動向:グローバル化によって何が起きている? |
・二度の世界大戦以降の国際政治の動向について概ね理解できる。 ・グローバル化する国際経済の動向について概ね理解できる。
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14週 |
第11回 私たちの生きる社会とその課題①:地域紛争と人種・民族問題、環境問題などについてのグループワーク 第12回 私たちの生きる社会とその課題②:資源・エネルギー問題、国内外の人口問題などについてのグループワーク |
・地球規模で私たちが現在抱える問題の現状とその背景について理解し、問われば自身で十分に説明できる。
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15週 |
第13回 SDGsとその課題:グローバルな課題にどう立ち向かっていくのか 第14回 授業後半のふりかえり・哲学対話② |
・SDGsの目指す目標とその課題を理解し、これまでの授業内容との結びつけて考えることができる。 ・これまでの授業をふりかえり、現代社会における諸課題を見つけ、的確にそれを表現できる。
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16週 |
第15回 期末試験 第16回 試験返却・授業全体のふりかえり |
・第4学期の内容について試験を行う。 ・試験を返却し、解説を行う。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 人文・社会科学 | 社会 | 地理歴史的分野 | 世界の資源、産業の分布や動向の概要を説明できる。 | 2 | |
民族、宗教、生活文化の多様性を理解し、異なる文化・社会が共存することの重要性について考察できる。 | 1 | |
第二次世界大戦後の冷戦の展開からその終結に至る日本を含む世界の動向の概要を説明し、そこで生じた諸問題を歴史的に考察できる。 | 3 | |
19世紀後期以降の日本とアジア近隣諸国との関係について、その概要を説明できる。 | 1 | |
公民的分野 | 人間の生涯における青年期の意義と自己形成の課題を理解し、これまでの哲学者や先人の考え方を手掛かりにして、自己の生き方および他者と共に生きていくことの重要性について考察できる。 | 1 | |
自己が主体的に参画していく社会について、基本的人権や民主主義などの基本原理を理解し、基礎的な政治・法・経済のしくみを説明できる。 | 3 | |
現代社会の考察 | 現代社会の特質や課題に関する適切な主題を設定させ、資料を活用して探究し、その成果を論述したり討論したりするなどの活動を通して、世界の人々が協調し共存できる持続可能な社会の実現について人文・社会科学の観点から展望できる。 | 3 | |
評価割合
| 期末試験 | ポートフォリオ(=各種提出物) | レポート(国際社会の課題) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 30 | 10 | 100 |
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】 | 50 | 10 | 5 | 65 |
思考・推論・創造への 適用力【適用レベル】 | 10 | 5 | 0 | 15 |
汎用的技能 【理解レベル】 | 0 | 5 | 5 | 10 |
態度・志向性(人間力) 【理解レベル】 | 0 | 5 | 0 | 5 |
総合的な学習経験と 創造的思考力【 】 | 0 | 5 | 0 | 5 |