基礎情報処理論Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和02年度 (2020年度)
授業科目 基礎情報処理論Ⅱ
科目番号 51029 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 経営情報学科 対象学年 1
開設期 前期 週時間数 1
教科書/教材 教員が配布するプリント 参考資料は情報処理試験の計算が解ける本を使用
担当教員 挾間 雅義

到達目標

・情報処理試験に必要な数学を理解できる
・コンピュータで扱う数字を理解できる
・コンピュータの性能について理解できる
・ソフトウェア、ネットワークについて理解できる
・企業活動に必要な計算を理解できる
・システム開発・運用に必要な計算を理解できる
・ITパスポートに合格できる計算レベルを身につける

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安(優)標準的な到達レベルの目安(良)最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
情報処理基礎数学情報処理に必要なやや複雑な基礎数学を電卓を使用しないで迅速に計算できる。情報処理に必要なやや複雑な基礎数学を理解できる。情報処理に必要な基礎数学を理解できる。基本的数学ができない
コンピュータ演算 (進数計算、変換、回路、演算、確率統計。式表現)進数計算、変換、論理演算、回路、ビット演算、確率統計、式表現の計算が電卓なしでできる。進数計算、変換、論理演算、回路、ビット演算、確率統計、式表現の計算ができる。進数計算、変換、論理演算、回路、ビット演算、確率統計、式表現の基本的な部分を理解できる 演算ができない
ハードウェア (コンピュータ性能) ハードウェア、処理性能システム性能についてやや複雑な計算をすることができる。 ハードウェア、処理性能システム性能についてある程度把握して、計算することができる。 ハードウェア、処理性能システム性能について把握することが出来る性能が理解できない
ソフトウェア (データ構造、アルゴリズム、サンプリング)基本データ構造、やや複雑なアルゴリズムの計算をすることができる。基本データ構造やアルゴリズムの計算量を求めることができる。基本データ構造やアルゴリズムの概要を理解できるアルゴリズムが理解できない
ネットワーク (伝送速度、IPアドレス)複雑な問題に対して、伝送速度を求めることができ、アドレス変換の概念を理解できる。伝送速度を計算し、IPアドレスの種類を把握できる伝送速度の概要、IPアドレスの仕組みを理解できる。速度計算ができない
ストラデジ分野 (企業活動)複雑な業務分析の計算をすることができる。業務分析の計算をすることができる。業務分析を理解できる。企業活動に必要な処理ができない
マネジメント分野 (システム開発・運用)マネジメントに必要な計算ができ、応用することができる。マネジメントに必要な計算ができ、理解することができる。人月計算、生産性などマネジメントに必要な知識を把握することができる。システム開発・運用の計算ができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
 情報処理技術者試験で出題される問題は、おおまかに「計算問題」、「知っているかどうかの知識問題」「応用的な考察が必要になる問題」に分類されています。経営情報学科の学生や文系の人、技術系の仕事に就いていない人は知識を問われる問題や応用的問題はなんとか出来ても、計算問題は苦手であまり理解できず試験でも不合格になることが多いです。今後、学年が進むにあたり、資格を取得することが将来において非常に重要になることは言うまでもありません。本授業では、1年生~2年生の段階でも取得可能なITパスポート合格に必要な計算問題、3年生以上で取得可能になる基本情報処理技術者さらには応用情報処理技術者を目指すことができるような基礎的知識を学習する。ただし、この授業では計算問題だけ扱うので知識の方は自学自習をする必要がある。
授業の進め方・方法:
・テキストは教員が配布するプリントを用いる
・授業はホワイトボードでおこなう
・課題は毎回あります
・毎回、授業終了後演習問題を配布します
・中間試験を実施します
・配布プリントは、授業内容をまとめたもの(資料①)、授業で扱う例題(資料②)、課題プリント(資料③)、演習問題(資料④)で構成される。B5サイズのプリントを配布し、ノートに貼り付けしやすいようにしています。
注意点:
計算問題のみを扱う授業なので、計算が得意な人、苦手な人がいると思います。特に苦手な人は授業についていくのが難しく感じたら遠慮なく研究室にお越しください。
進度が速いので、わからない場合もそのままにせず研究室に質問に来ること。
ITパスポートの計算だけでなく基本情報技術者レベルの計算も扱う回もあります。
希望者がおりましたら授業とは別にITパスポート試験の勉強会を開催する。この勉強会では知識の方も学習する。

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 オリエンテーション
情報処理に必要な数学
 ・数学の初歩
 ・数値の基本
 ・数字の単位
・授業内容を把握できる
・数学の初歩、数値の基本的性質、単位について理解できる
2週 コンピュ-タで扱う数学①
 ・進数計算
 ・進数変換
 ・負数と小数
・進数計算・変換をすることができる
・負数の性質を理解できる
・小数の場合の進数計算および変換が出来る
3週 コンピュ-タで扱う数学②
 ・論理演算
 ・論理回路
 ・ビット演算
 ・確率統計
 ・式
・論理演算と回路を理解できる
・ビット演算の性質を理解できる
・確率統計の基本的性質を理解できる
・正規表現をおこなうことができる
4週 コンピュータの性能に関すること①
 ・ハードウェアの性能
 ・コンピュータの処理性能
・ハードウェアの性能を理解できる
・コンピュータの処理性能の計算を理解することができる
5週 コンピュータの性能に関すること②
 ・OSの性能
 ・システムの性能
・スケジューリングに関する計算ができる
・稼働率の計算が出来る
6週 ソフトウェア①
 ・データ構造
 ・アルゴリズム
演習問題
・配列、キュー、木構造について把握できる
・代表的なアルゴリズムの性質を理解できる
・前半試験範囲の演習問題を解くことが出来る
7週 ソフトウェア②
 ・表計算ソフト
 ・サンプリング
演習問題
・表計算ソフトの基本を理解できる
・ディジタル→アナログ変換について理解できる
・前半試験範囲の演習問題を解くことが出来る
8週 中間試験
2ndQ
9週 試験返却
ネットワーク
 
・伝送速度を求めることができる。
・IPアドレスの基本的性質を理解できる
・ネットワークアドレスについて理解できる
10週 企業活動(ストラデジ分野計算問題)①
 ・業務分析
・業務分析に必要な計算をすることができる。
11週 企業活動(ストラデジ分野計算問題)①
 ・財務
・財務諸表の基本的計算をすることができる。
12週 システム開発・運用(マネジメント分野計算問題)
 ・システム開発
 ・マネジメント
・システム開発について仕組みを理解できる。
・マネジメントに必要な計算を理解できる。
13週 演習問題①
情報処理技術者試験 計算問題
・後半試験範囲の演習問題を解くことが出来る
・情報処理技術者試験に出題される計算問題を解くことができる。
14週 演習問題②
情報処理技術者試験 計算問題
・後半試験範囲の演習問題を解くことが出来る
・情報処理技術者試験に出題される計算問題を解くことができる。
15週 期末試験
16週 試験解説

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力工学基礎情報リテラシー情報リテラシー情報を適切に収集・処理・発信するための基礎的な知識を活用できる。3
論理演算と進数変換の仕組みを用いて基本的な演算ができる。3

評価割合

中間試験期末試験課題演習問題合計
総合評価割合35352010100
総合評価202501055
知識の基本的な理解101020040
思考・推論・創造への適用力50005