1. 地球の内部・大気と海洋・生物に関する知識を理解できる.
2. 公害・環境汚染が与える影響を理解できる.
概要:
第3学期および第4学期開講
技術者リテラシーは,現代の技術者が有するべき知識・素養の修得を目指す科目であり,その内容は多岐にわたる.ライフサイエンス,アースサイエンスでは大気と海洋と生態系等を学び,これらの知識をベースとして公害,食糧技
術,再生可能エネルギー等の地球規模で取り組むべき諸問題に目を向ける.
授業の進め方・方法:
本講義では知識を深めるのはもちろんだが,得た知識の実問題への適用や環境問題における地球規模の視点を必要とする.最終的に,グローバル化を前提とした技術者として活躍するための「幅広い視野」を身に付け,技術偏重に陥
ることなく,地球環境の保全や他国の文化・宗教等の尊重を前提とした視点・能力を身につけることにある.
注意点:
従来型の座学のように,教員から降ってくる知識を吸収するのみという受け身型の学習を想定していない.上記に示したように,知識と実問題を結び付けるため,それらの関連性に常に注意を払い,知の構造化を図って欲しい.以上の意識を持って取り組むことで,自らの視野を広げられるとともに,一般科目・専門科目を学ぶ必要性を理解でき,自らのキャリア形成に役立てることができると確信している.
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
後期 |
3rdQ |
1週 |
ガイダンス |
技術者リテラシーについて,評価方法や授業内容等の説明を行う
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2週 |
【アースサイエンス】 ・地球の概観 |
太陽系の構造,惑星の公転軌道および自転・公転方向,地球を構成する大気と水,陸地および海底の大地形とその形成について知識を得る.
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3週 |
【アースサイエンス】 ・地球の内部と活動 |
地球の内部構造(地殻,マントル,核),マグマの生成と火山活動,および地震と断層運動の関連,プレートテクトニクス,地震活動と地殻変動,大気圏の構造・成分の知識を得る。
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4週 |
【アースサイエンス】 大気と海洋 |
大気圧,大気の熱収支(太陽放射と地球放射),大気の大循環(緯度毎の熱収支)と気象現象,海水の運動(潮流,高潮,津波)について理解できる.
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5週 |
【ライフサイエンス】 ・生物の多様性と共通性 ・地球上の植生 |
地球上の生物の多様性・生物の共通性と進化の関係を把握できる. 森林の階層構造(森林・草原・荒原の違い)・植生の遷移と仕組み・世界のバイオーム(=生物群系)とその分布・日本のバイオームの水平分布と垂直分布を知識として身につけることができる.
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6週 |
【ライフサイエンス】 ・生態系
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生態系の構成要素(生産者,消費者,分解者,非生物的環境)とその関係,生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて理解できる.
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7週 |
【ライフサイエンス】 ・人間活動と地球環境の保全 |
熱帯林の減少・生物多様性の喪失・有害物質の生物濃縮・地球温暖化(問題点,原因,対策)と人間活動が地球環境に与えた影響を把握し,地球環境の保全に要な取組を理解できる.
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8週 |
【技術者倫理】 環境倫理 |
グループ単位でのディスカッションを通して食糧問題・エネルギー問題を議論し,自らの意見を確立するとともに他者による異なる視点を受け入れることができる.
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4thQ |
9週 |
【環境・安心・倫理】 食糧技術と宇部高専 |
世界の食糧問題および日本との関連を把握できる.また,植物工場と宇部高専の専門分野の関連を把握できる.
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10週 |
【環境・安心・倫理】 再生可能エネルギー |
日本における再生可能エネルギーの割合・再生可能エネルギーの発電方法と蓄電方法に関する知識を得る.発電資源の確保の必要性を理解できる.
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11週 |
【環境・安心・倫理】 日本のエネルギー問題 |
日本におけるエネルギーの現状と原子力発電における高レベル放射性廃棄物とその処分方法を説明できる.
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12週 |
【技術者倫理】 水技術と宇部高専 |
・地球上の水の量について ・日本人が使っている水の量について ・仮想水(バージャルウォーター)について ・日本における水を作る技術と宇部高専の専門分野につい て ・今後の水ビジネス市場について
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13週 |
【環境・安心・倫理】 ・日本の公害問題の歴史 ・日本における4大公害 |
アースサイエンスの知識をベースに大気汚染が我々の健康・生活に与える影響を知り,日本における4大公害を事例として具体的な公害問題を把握できる.
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14週 |
【環境・安心・倫理】 別子銅山における公害解決の取り組み |
別子銅山:亜硫酸ガスによる大気汚染(煙害)が農作物に与えた影響を把握できる.住友電気工業:植林による自然再生の取組を理解できる.
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15週 |
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16週 |
まとめ |
本講義にて学んだ内容を整理するとともに,グローバルに活躍する技術者に必要な素養や視野の広さを理解できる.
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分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 自然科学 | ライフサイエンス/アースサイエンス | ライフサイエンス/アースサイエンス | 太陽系を構成する惑星の中に地球があり、月は地球の衛星であることを説明できる。 | 3 | |
地球は大気と水で覆われた惑星であることを説明できる。 | 3 | |
陸地および海底の大地形とその形成を説明できる。 | 3 | |
地球の内部構造を理解して、内部には何があるか説明できる。 | 3 | |
マグマの生成と火山活動を説明できる。 | 3 | |
地震の発生と断層運動について説明できる。 | 3 | |
地球科学を支えるプレートテクトニクスを説明できる。 | 3 | |
プレート境界における地震活動の特徴とそれに伴う地殻変動などについて説明できる。 | 3 | |
地球上の生物の多様性について説明できる。 | 3 | |
生物の共通性と進化の関係について説明できる。 | 3 | |
生物に共通する性質について説明できる。 | 3 | |
大気圏の構造・成分を理解し、大気圧を説明できる。 | 3 | |
大気の熱収支を理解し、大気の運動を説明できる。 | 3 | |
大気の大循環を理解し、大気中の風の流れなどの気象現象を説明できる。 | 3 | |
海水の運動を理解し、潮流、高潮、津波などを説明できる。 | 3 | |
植生の遷移について説明でき、そのしくみについて説明できる。 | 3 | |
世界のバイオームとその分布について説明できる。 | 3 | |
日本のバイオームの水平分布、垂直分布について説明できる。 | 3 | |
生態系の構成要素(生産者、消費者、分解者、非生物的環境)とその関係について説明できる。 | 3 | |
生態ピラミッドについて説明できる。 | 3 | |
生態系における炭素の循環とエネルギーの流れについて説明できる。 | 3 | |
熱帯林の減少と生物多様性の喪失について説明できる。 | 3 | |
有害物質の生物濃縮について説明できる。 | 3 | |
地球温暖化の問題点、原因と対策について説明できる。 | 3 | |
工学基礎 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 技術者倫理(知的財産、法令順守、持続可能性を含む)および技術史 | 説明責任、製造物責任、リスクマネジメントなど、技術者の行動に関する基本的な責任事項を説明できる。 | 3 | |
現代社会の具体的な諸問題を題材に、自ら専門とする工学分野に関連させ、技術者倫理観に基づいて、取るべきふさわしい行動を説明できる。 | 3 | |
技術者倫理が必要とされる社会的背景や重要性を認識している。 | 3 | |
社会における技術者の役割と責任を説明できる。 | 3 | |
情報技術の進展が社会に及ぼす影響、個人情報保護法、著作権などの法律について説明できる。 | 3 | |
高度情報通信ネットワーク社会の中核にある情報通信技術と倫理との関わりを説明できる。 | 3 | |
環境問題の現状についての基本的な事項について把握し、科学技術が地球環境や社会に及ぼす影響を説明できる。 | 3 | |
環境問題を考慮して、技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
国際社会における技術者としてふさわしい行動とは何かを説明できる。 | 3 | |
過疎化、少子化など地方が抱える問題について認識し、地域社会に貢献するために科学技術が果たせる役割について説明できる。 | 3 | |
知的財産の社会的意義や重要性の観点から、知的財産に関する基本的な事項を説明できる。 | 3 | |
知的財産の獲得などで必要な新規アイデアを生み出す技法などについて説明できる。 | 3 | |
技術者の社会的責任、社会規範や法令を守ること、企業内の法令順守(コンプライアンス)の重要性について説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、諸外国の文化・慣習などを尊重し、それぞれの国や地域に適用される関係法令を守ることの重要性を把握している。 | 3 | |
全ての人々が将来にわたって安心して暮らせる持続可能な開発を実現するために、自らの専門分野から配慮すべきことが何かを説明できる。 | 3 | |
技術者を目指す者として、平和の構築、異文化理解の推進、自然資源の維持、災害の防止などの課題に力を合わせて取り組んでいくことの重要性を認識している。 | 3 | |
科学技術が社会に与えてきた影響をもとに、技術者の役割や責任を説明できる。 | 3 | |
科学者や技術者が、様々な困難を克服しながら技術の発展に寄与した姿を通し、技術者の使命・重要性について説明できる。 | 3 | |