到達目標
①ネットワークインターフェースを設定し,単一のセグメントから構成されるネットワークを構築できる。
②複数のセグメントを有するネットワークにおけるブリッジの必要性を理解でき,NameSpace上で実装できる。
③クライアント・サーバ環境を構築し,HTTP等のアプリケーション層プロトコルの挙動を理解できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
到達目標① | ネットワークインターフェースを設定し,単一のセグメントから構成されるネットワークを構築・評価できる。 | ネットワークインターフェースを設定し,単一のセグメントから構成されるネットワークを構築できる。 | 教員の指示に従い,ネットワークインターフェースを設定し,単一のセグメントから構成されるネットワーク構築に必要な要件を理解できる。 | 単一のセグメントから構成されるネットワーク構築に必要な要件を理解できない。 |
到達目標② | 複数のセグメントを有するネットワークにおけるブリッジの必要性を理解でき,NameSpace上で実装・評価できる。 | 複数のセグメントを有するネットワークにおけるブリッジの必要性を理解でき,NameSpace上で実装できる。 | 教員の指示に従い,複数のセグメントを有するネットワークにおけるブリッジの必要性を理解できる。 | 複数のセグメントを有するネットワークにおけるブリッジの必要性を理解できない。 |
到達目標③ | クライアント・サーバ環境を構築でき,アプリケーション層プロトコルの挙動を理解し評価できる。 | クライアント・サーバ環境を構築でき,アプリケーション層プロトコルの挙動を理解できる。 | 教員の指示に従い,クライアント・サーバ環境を構築できる。 | クライアント・サーバ環境を構築できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
現在の情報ネットワークの基盤技術である TCP/IP について,その挙動を学ぶ。知識ベースに加えて,Network Namespace を利用した仮想ネットワークの構築やパケットの観察を通して,パケットの状態,プロトコルのヘッダ値,ルーティングの実際を把握するといった実践的な演習を行う。また,後半ではクライアント・サーバ環境を構築し,HTTP および DNS の実際を明らかにする。
※実務との関係
この科目は企業でTCP/IP関連のシステム設計・構築を担当していた教員が、その経験を生かし,ネットワーク構築およびプロコトルの実際について講義形式で授業を行うものである。
授業の進め方・方法:
初回こそ情報ネットワークの概念を座学形式で説明しますが,2回目以降はほとんど全てが演習となります。
事前に提示するマテリアルを読み解き,可能な限り授業の時間内でネットワーク構築等を済ませてください。
この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポートを課します。
注意点:
情報ネットワークの学習においては,座学形式で知識を教授する形式が多い。しかし,エンジニアとして実務に携わる場合,知識のみでは太刀打ちできない。現在は Docker 等のコンテナを用いた仮想環境にてシステム構築が行われるケースも増えており,従来の管理者にネットワーク設定を丸投げするのでなく,エンジニアがプロトコルを理解し,環境構築を行える必要がある。このような時代の要請に応じて,「手を動かして TCP/IP を理解する授業」を提供する次第である。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
2ndQ |
9週 |
TCP/IP の基礎 |
TCP/IP階層モデル,IPアドレス,名前解決,ルーティング等,情報ネットワークを構成する基礎概念を理解できる。
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10週 |
Linuxシステム上でのネットワークの挙動観察 |
ip, ping, tcpdump, traceroute 等のコマンドを利用し,現実のネットワークの挙動を理解できる。
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11週 |
Network Namespace を用いた TCP/IP 実験環境の構築 |
実験環境としてネットワークインタフェースを設定し,単一のセグメント内での通信を実現できる。
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12週 |
ルーティング |
複数のセグメントを有するネットワーク内でルーティングできるよう,ネットワークを構築できる。
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13週 |
ブリッジの導入 |
ひとつのセグメントに3つ以上のノードが存在する場合,ブリッジを介した仮想的なネットワークを構築できる。
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14週 |
トランスポート層のプロトコル |
nc(netcat)コマンドを利用してクライアント・サーバ環境を構築し,three way handshake の様子およびTCPヘッダの各フィールドの値を観察できる。
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15週 |
アプリケーション層のプロトコル |
クライアント・サーバ環境を構築し,HTTP および DNS においてネットワーク上を流れるパケットを観察できる。
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16週 |
学習事項のまとめおよび授業改善アンケートの実施 |
情報ネットワークを支える基盤技術であるTCP/IPについて,その特性や挙動を整理できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
基礎的能力 | 工学基礎 | 情報リテラシー | 情報リテラシー | 情報伝達システムやインターネットの基本的な仕組みを把握している。 | 3 | 前9 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 40 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 60 | 100 |
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 10 | 40 |
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】 | 10 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 | 60 |
汎用的技能【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
態度・志向性(人間力) 【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |