到達目標
(1) 連続型確率分布,特に正規母集団からの標本分布の有する性質を理解できる。
(2) 確率分布に応じた母数の点推定,区間推定ができる。
(3) 仮説検定を用いて,標本サイズに応じた母平均の検定ができる。
(4) 適合度検定,独立性の検定の意味を理解し,実問題へ適用できる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | 連続型確率分布,特に正規母集団からの標本分布の有する性質を理解できる。 | 確率変数の標準化により任意の正規分布における確率を求めることができる。 | 標準正規分布において確率を求めることができる。 | 標準正規分布において確率を求めることができない。 |
評価項目2 | 確率分布に応じた母数(母平均,母分散,母比率)の点推定,区間推定ができる。 | 母平均の点推定,区間推定ができる。 | 点推定量と母数との関係を理解できる。 | 点推定量と母数との関係を理解できない。 |
評価項目3 | 仮説検定を用いて,標本サイズに応じた母平均の検定ができる。 | 母分散が未知かつ標本サイズが小さい場合,t 検定を適用できる。 | 母分散が既知または標本サイズが十分に大きい場合,母平均の検定ができる。 | 母分散が既知または標本サイズが十分に大きい場合,母平均の検定ができない。 |
評価項目4 | 適合度検定,独立性の検定の意味を理解し,実問題へ適用できる。 | 独立性の検定の実問題へ適用できる。 | 適合度検定を実問題へ適用できる。 | 適合度検定を実問題へ適用できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
第2学期開講
最初に連続型確率分布として一様分布,正規分布,t分布を取り上げ,それぞれの分布の性質を説明する。次に,推定量もまた確率変数である点に注意し,母平均・母分散・母比率の区間推定の手法を取り上げる。最後に,区間推定の考え方を裏返した仮説検定を取り上げる。
授業の進め方・方法:
90分間の授業時間を60分間の講義と30分間の演習に分割する。講義では,確率分布等の可視化を行い,推定・検定の概念を直観的に理解できるよう努める。また,実問題で取り扱う大規模データについても触れる。後半の演習の時間では,当日の講義と関連した演習問題を解く。
注意点:
本科目は第1学期に開講される経営統計学Ⅰと連動している。前期に学んだ離散確率分布や平均(期待値),分散の概念を理解していることを前提とする。
本講義で取り上げる正規分布は多くの場面で現われる確率分布であり,データが正規分布に従うことを前提としたデータ分析手法が数多く提案されている。データ量が大きくなるとソフトウェアを用いて区間推定や検定を行うこととなるが,それらの理論や狙いを理解していないと,ソフトウェアの出力を評価できない。故に,計算できることも大切だが,それ以上に推定・検定のもつ意味を掴んで欲しい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
連続型確率分布 |
確率密度関数,累積分布関数の概念を理解するとともに,確率密度関数から確率を計算できる。連続型確率変数の平均と分散を計算できる。
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2週 |
正規分布 |
正規分布に従う確率変数の標準化を理解し,標準正規分布へ変換した後,確率を計算できる。
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3週 |
確率変数の関数,母集団と標本 |
互いに独立な確率変数の関数の期待値・分散に関する性質を理解できる。標本調査から得られる標本平均,標本標準偏差の定義を理解できる。
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4週 |
統計量と標本分布,中心極限定理 |
正規母集団の標本分布の性質を理解できる。互いに独立な確率変数の和が近似的に正規分布に従うことを理解できる。
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5週 |
いろいろな確率分布 |
カイ2乗分布,t分布,F分布の性質を理解できる。
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6週 |
点推定,母平均の区間推定 |
点推定における推定量の不偏性,一致性,有効性を理解できる。母分散が既知/未知の場合の区間推定において,適用する分布の違いを理解できる。
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7週 |
母分散,母比率の区間推定 |
カイ2乗分布を用いた母分散の推定,および正規分布を用いた母比率の区間推定を理解できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
母平均の検定(1) |
仮説検定の考え方を理解し,母分散が既知または標本サイズが十分に大きいときの母平均の検定を行うことができる。
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10週 |
母平均の検定(2) |
母分散が未知かつ標本サイズが小さい場合の t 検定の必要性を理解するとともに,正規分布に基づく分布との違いを理解できる。
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11週 |
母分散の検定 |
カイ2乗検定により母分散の検定を行うことができる。
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12週 |
母平均の差の検定,母比率の検定 |
正規分布を用いた母平均の差の検定および母比率の検定を理解できる。
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13週 |
適合度検定 |
データが特定の分布に従うかを検定する手法を理解し,問題に適用できる。
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14週 |
独立性の検定 |
母集団のもつ2つ以上の特性が互いに独立であるかを検定する手法を理解し,問題に適用できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
学習事項のまとめおよび授業改善アンケートの実施 |
連続型確率分布の特性,および連続型確率分布を用いた推定・検定手法の関係を整理できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】 | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 50 |
思考・推論・創造への 適用力【適用、分析レベル】 | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 50 |
汎用的技能 【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
態度・志向性(人間力) 【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
総合的な学習経験と 創造的思考力【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |