システム設計論Ⅱ

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 2017
授業科目 システム設計論Ⅱ
科目番号 0025 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 1
開設学科 経営情報学科 対象学年 4
開設期 後期 週時間数 1
教科書/教材 UMLモデリング入門,児玉公信 (日経BP社)
担当教員 武藤 義彦

到達目標

(1)多重度・ロールを付加したクラス図により業務のモデル化,(2)クラスの汎化・集約を含んだクラス図の作成,(3)ユースケース図・記述による機能の明確化,(4)シーケンス図によるオブジェクトの時系列な振舞い,(5) 状態機械図・活動図を用いてシステムの動的側面を記述である。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1小規模な業務に対して,多重度・ロールを付加したクラス図を作り,その整合性を検討できる。数ステップからなる業務に対して,多重度・ロールを付加したクラス図を作り,その整合性を検討できる。数ステップからなる業務に対して,クラス間の関連を特定できる。数ステップからなる業務に対して,クラス間の関連を特定できる。
評価項目2自ら汎化・集約の関係を特定したうえでクラス図を作り,その整合性を検討できる。汎化・集約のクラス間関係を提示された条件下で,クラス図を作り,その整合性を検討できる。クラスの汎化・集約の概念を整理できる。クラスの汎化・集約の概念を整理できない。
評価項目3クラス図と整合したユースケース図・ユースケース記述でき,それを評価できる。ユースケース図においてユースケース間の汎化・include・extendの関係を特定し,ユースケース図を作り,評価できる。ユースケース図において,業務を構成するユースケースおよびアクターを特定し,整理できる。業務を構成するユースケースおよびアクターを特定できない。
評価項目4シーケンス図を作成でき,クラス図・オブジェクト図との整合性を検討できる。小規模な業務に対して,関連するオブジェクトをまとめ,シーケンス図を作り,それを検討できる。数ステップからなる業務に対して,関連するオブジェクトをまとめ,シーケンス図を作ることができる。数ステップからなる業務に対して,関連するオブジェクトを抽出できない。
評価項目5状態機械図および活動図を用いて業務フローを記述でき,その整合性を検討できる。状態機械図を用いてインスタンスの変化を記述し,その整合性を検討できる。他者の作成した状態機械図・活動図を理解し,説明できる。他者の作成した状態機械図・活動図を理解し,説明できる。

学科の到達目標項目との関係

JABEE (d)-(3) 説明 閉じる
教育目標 (B)① 説明 閉じる
教育目標 (B)② 説明 閉じる

教育方法等

概要:
第4学期開講
静的モデリングを通してクラスの導出・決定法を,また機能モデリングとしてユースケース図・記述による業務機能の抽出・記述法を学ぶ.。次に動的モデリングにおいてオブジェクトのライフサイクルや相互作用を記述する記法を学ぶ。
授業の進め方・方法:
講義で取り上げる内容のうち重要なポイントをまとめたプリントを配布するが,教科書も併せて理解することが期待される。本講義で用いるテキストにはモデリングの考え方が随所に記述されており,「何故,このように記述するのか」という疑問への解答が散りばめられているためである。また,自学自習の時間を利用して演習課題は進めることを要求する。
注意点:
モデル化の結果はモデラーによって異なり,唯一無二の正解はあり得ない。故に,演習課題において各種の図を作成する上で,自分がどのように考えて最終的な結果に到達したかを説明できなければならない。そのためには自分の思考をトレースし,図上のノートとして記録を残すことを勧める。

(1) 多重度・ロールを付加したクラス図により業務をモデル化できる。(12%)
(2) クラスの汎化・集約を含んだクラス図を作成できる。(12%)
(3) ユースケース図・記述を用いてシステムの機能を明確化できる。(12%)
(4) シーケンス図を用いてオブジェクトの時系列な振舞いを記述できる。(12%)
(5) 状態機械図・活動図を用いてシステムの動的側面を記述できる。(12%)
(6) 自学自習の内容に挙げた各項目の演習課題を解くことができる。(40%)

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 モデリングの考え方
・問題分析・要求設計・要求分析におけるモデルの役割
・概念,型,インスタンスの関係
・UMLで用いられる図法の概観
・原要求と要求間のギャップを認識し,モデルに求められる要件を理解できる。
・インスタンスの抽象化が概念であり,複数のインスタンスに共通の性質が属性であることを理解できる。
・UMLで用いられる図法の役割を理解できる。
2週 静的モデリング(1)
・「概念」の位置づけ
・クラス図の基礎
・クラス同士の関わりとしての関連
・多重度とロール
・静的モデルにおけるモデリングの基本構造の完備性を理解する。
・クラス図の記法を理解できる。
・インスタンス間のリンクをクラス図に展開できる。
・多重度の概念を表現できる。
・ロールとクラス(概念)の違いを理解できる。
3週 静的モデリング(2)
・クラスの汎化と集約関連
・インスタンスの表記とオブジェクト図
・共通する属性の抽出・整理から汎化関係を見出すことができる。また,"is a part of" の関係性を集約によって表現できる。
・オブジェクト図の記法を理解できる。
・オブジェクト図の記述からクラス図をリファインできる。
4週 機能的モデリング
ユースケース図とユースケース記述の作成方針およびルール
・システムの有する機能を,その粒度を検討の上で抽出でき,ユースケース図に展開できる。
・ユースケース記述により機能を詳細に記述できるとともに,ユースケース図・記述を基にクラス図をリファインできる。
5週 動的モデリング(1)
・シーケンス図を用いた時系列なオブジェクトの振る舞いの記述
・状態遷移によるインスタンスの変化の記述
・オブジェクト間のメッセージのやり取りをシーケンス図に展開できるとともに,クラス図との整合から,クラス図をリファインできる。
・インスタンスの状態変化を状態機械図に展開できる。
6週 動的モデリング(2)
・活動図による業務フローの記述
業務フローの実行手順,実行主体を活動図に展開できる。
7週 要求のモデル化:
・インタビューによる期待の整理
・原要求の記述
施主へのインタビューにおける注意点(視点の置き方等)を理解できる。
8週 定期試験
4thQ
9週 学習事項のまとめおよび授業改善アンケートの実施 UMLを用いたオブジェクト指向設計手法について,各種図法の役割を整理できる。
10週
11週
12週
13週
14週
15週
16週

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

試験発表相互評価態度ポートフォリオレポート合計
総合評価割合60000040100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】2000002040
思考・推論・創造への 適用力【適用、分析レベル】4000002060
汎用的技能 【  】0000000
態度・志向性(人間力) 【  】0000000
総合的な学習経験と 創造的思考力【  】0000000