応用数学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 平成30年度 (2018年度)
授業科目 応用数学
科目番号 0063 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 履修単位: 1
開設学科 経営情報学科 対象学年 4
開設期 前期 週時間数 2
教科書/教材 「微分積分Ⅱ」 高遠 節夫・斎藤 斉 他 著 (大日本図書) 
担当教員 服部 勝己,堀田 一敬

到達目標

① 基本的な1階微分方程式の型を判別でき,一般解および条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.また,階数降下法により,線形でない2階微分方程式を1階微分方程式に直すことによって解くことができる.
② 線形微分方程式の性質について理解でき,一般解および条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1基本的な微分方程式の型を自分で判別し,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.型が明記された基本的な微分方程式について,一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.変数分離形,同次形および斉次1階微分方程式を解くことができる.変数分離形,同次形あるいは斉次1階微分方程式を解くことができない.
評価項目2連立線形微分方程式や,定数係数でない斉次線形微分方程式の一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.線形微分方程式の性質が理解でき,定数係数の2階斉次線形微分方程式の一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.斉次線形微分方程式の性質が理解でき,定数係数の2階斉次線形微分方程式の一般解および初期条件や境界条件を満たす特殊解を正しい手順で計算できる.斉次線形微分方程式の性質が理解できず,斉次方程式の一般解と非斉次方程式の特殊解から非斉次方程式の一般解を求めることができない.

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
運動する物体の位置や速度・加速度,あるいは生物の増殖や化学反応の様子などを調べるとき,対象となる量を表す関数のみならず,その導関数含む方程式,すなわち微分方程式を解くことが必要になる.2年次および3年次の解析で修得した微分・積分の内容に基づき,微分方程式とその解法および工学分野への応用について講義する.
授業の進め方・方法:
前半は,求積方による1階微分方程式の解法について講義する.後半は2階微分方程式を扱い,線形微分方程式の解法,および線形でない2階微分方程式を階数降下法により1階微分方程式に直して解く解法について講義する.
注意点:
本講義は学生の皆様の自宅での予習を前提のもとで進められます. 毎回シラバスで指定された箇所の予習を必ず行ってください. さもなくば講義に参加したところで十分な理解ができずにあなたたちの貴重な時間を無駄にすることになりかねません. 本講義中のどこかで3回程度簡単な小テストを行いますのでしっかり勉強してください. 試験前に課題をレポートとして提出していただきます. 他人のレポートの丸写しというのは,試験の不正行為と同等とみなされます. 自分の力でレポートの作成を行ってください.

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
1stQ
1週 微分方程式の意味
微分方程式の解(1)
関数の式からパラメータを消去して微分方程式を導くことができる.理論や仮説に基づいて,工学的な現象に関する微分方程式を導くことができる.
一般解の式が与えられたとき,初期条件や境界条件を満たす特殊解を求めることができる.
2週 微分方程式の解(2)
変数分離形(1)
特殊解と特異解を識別できる.
変数分離形の微分方程式の一般解を求めることができる.
3週 変数分離形(2) 変数分離形の微分方程式について,条件を満たす特殊解を求めることができる.
4週 同次形 変数変換により,同次形の微分方程式を変数分離形に直して解くことができる.
5週 線形微分方程式(1) 定数変化法を用いて,1階非斉次線形微分方程式を解くことができる.
6週 線形微分方程式(2)
1階微分方程式の応用
1階非斉次線形微分方程式について,条件を満たす特殊解を求めることができる.工学的現象に関する微分方程式に適切な条件を与えて解くことができ,その現象を説明できる.
7週 2階線形微分方程式 (1) 一般的な線形微分方程式の解の性質に関する基本的な計算ができる.ロンスキアンを用いて,関数の線形独立が判別できる.
8週 2階線形微分方程式(2) ロンスキアンを用いて,関数の線形従属が判別できる.線形独立な解や特殊解を用いて,線形微分方程式の一般解を構成することができる.
2ndQ
9週 定数係数斉次線形微分方程式 特性方程式を解くことにより,2階定数係数斉次線形微分方程式を解くことができる.
10週 定数係数非斉次線形微分方程式(1) 斉次方程式の解の項と重複しない特殊解を用いた未定係数法により,2階定数係数非斉次線形微分方程式を解くことができる.
11週 定数係数非斉次線形微分方程式(2) 斉次方程式の解の項と重複する特殊解を考慮した未定係数法により,2階定数係数非斉次線形微分方程式を解くことができる.
12週 いろいろな線形微分方程式(1) 1階連立線形微分方程式を解くことができる.簡単なオイラー型の斉次微分方程式を解くことができる.
13週 いろいろな線形微分方程式(2)
線形でない2階微分方程式 
定数変化法が必要なオイラー形の斉次微分方程式を解くことができる.
階数降下法を用いて, 線形でない2階微分方程式を一階微分方程式に直して解くことができる.
14週 関数の展開 べき級数の収束半径を計算できる.
15週 定期試験
16週 試験答案の返却・解説 試験で間違った箇所を確認し訂正できる.

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学微分方程式の意味を理解し、簡単な変数分離形の微分方程式を解くことができる。3
簡単な1階線形微分方程式を解くことができる。3
定数係数2階斉次線形微分方程式を解くことができる。3

評価割合

試験小テストレポート態度ポートフォリオその他合計
総合評価割合701515000100
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】305500040
思考・推論・創造への 適用力 【適用、分析レベル】305500040
汎用的技能 【論理的思考力】105500020