到達目標
(1) 確率の基本的性質,加法定理に基づいて様々な確率を計算できる。
(2) 確率の乗法定理,条件付き確率およびベイズの定理を理解し,実問題へ適用できる。
(3) 1次元データの整理においてデータの代表値を求めることができる。また,2次元データから相関係数および回帰直線を求めることができる。
(4) 確率変数の意味を理解し,二項分布・ポアソン分布に従う確率変数の期待値と分散を求めることができる。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安(優) | 標準的な到達レベルの目安(良) | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安(不可) |
評価項目1 | 確率の基本的性質,加法定理に基づいて様々な確率を計算できる。 | 確率の基本的性質に基づいて確率を計算できる。 | 積の法則・和の法則を用いて,場合の数を数えることができる。 | 積の法則・和の法則を用いて,場合の数を数えることができない。 |
評価項目2 | ベイズの定理を理解し,実問題へ適用できる。 | 確率の乗法定理,条件付き確率の役割を理解でき,確率を計算できる。 | 確率の乗法定理に基づいて確率を計算できる。 | 確率の乗法定理に基づいて確率を計算できない。 |
評価項目3 | 2次元データから相関係数および回帰直線を求めることができる。 | 1次元データのヒストグラムによる可視化および代表値を計算できる。 | 1次元データの代表値を計算できる。 | 1次元データの代表値を計算できない。 |
評価項目4 | 確率変数の意味を理解し,二項分布・ポアソン分布に従う確率変数の期待値と分散を求めることができる。 | 確率変数の意味を理解し,離散分布の場合の平均,分散,標準偏差を計算できる。 | 確率変数の意味を理解できる。 | 確率変数の意味を理解できない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
第1学期開講
統計学の基礎となる確率を取り上げる。最初に場合の数を復習し,様々な確率の求め方を学ぶ。特に条件付き確率はベイズの定理と関連が深いため,重要である。後半では1次元・2次元データの整理として,代表値(平均,分散,共分散)の計算,ヒストグラムによる可視化,回帰直線を取り上げる。終盤では,代表的な離散分布として二項分布とポアソン分布を取り上げ,その性質を説明する。
授業の進め方・方法:
90分間の授業時間を60分間の講義と30分間の演習に分割する。講義では,確率分布等の可視化を行い,確率・統計に関する概念を直観的に理解できるよう努める。また,実問題で取り扱う大規模データについても触れる。後半の演習の時間では,当日の講義と関連した演習問題を解く。
注意点:
本科目は第2学期に開講される経営統計学Ⅱと連動している。経営統計学Ⅱは統計の中心分野である推定と検定を取り上げるが,本科目ではその基礎となる離散分布に注目する。
確率を計算できるのは重要だが,実問題ではデータ量が大きいためソフトウェアを用いる。故に,回帰直線を求める際の最小二乗法の役割や確率分布の特性といった背景をしっかり理解して欲しい。
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
場合の数 |
積の法則と和の法則を用いて,簡単な事象の場合の数を数えることができる。組合せの基本的な計算ができる。
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2週 |
確率の定義,確率の基本性質,期待値 |
数学的確率,統計的確率の定義を理解できる。確率の加法定理および期待値の概念を理解し,演習問題に適用できる。
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3週 |
条件付き確率と乗法定理 |
条件付き確率の概念を図示できるとともに計算できる。乗法定理を用いて積事象の確率を計算できる。
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4週 |
事象の独立,反復試行 |
条件付き確率を用いて事象の独立性を証明できる。独立試行の反復による確率を計算できる。
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5週 |
ベイズの定理 |
ベイズの定理を理解し,事後確率の意味を説明できる。
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6週 |
1次元データの整理(1) |
度数分布表やヒストグラムを用いて1次元データの分布を可視化できる。平均,中央値などの代表値の意味を理解できる。
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7週 |
1次元データの整理(2) |
分散と標準偏差を用いて分布の散布度を表現できるとともに,分散・標準偏差の性質を証明できる。箱ひげ図を用いて散布度を表現できる。
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8週 |
中間試験 |
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2ndQ |
9週 |
2次元データの整理(1) |
2次元データから散布図を作成し,相関係数を計算し,その意味を理解できる。共分散と相関関係との関連性を理解できる。
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10週 |
2次元データの整理(2) |
最小二乗法による回帰直線の導出を理解できる。
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11週 |
2次元データの整理(3) |
2次元データから回帰直線を求めることができる。
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12週 |
確率変数と確率分布 |
確率変数の定義およびその平均(期待値)と分散・標準偏差の定義を理解し,演習問題へ適用できる。独立な確率変数の平均・分散の性質を理解できる。
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13週 |
二項分布 |
反復試行の結果として得られる二項分布の性質を理解できる。
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14週 |
ポアソン分布 |
二項分布の特殊なケースであるポアソン分布の性質を理解できる。
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15週 |
期末試験 |
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16週 |
学習事項のまとめおよび授業改善アンケートの実施 |
確率の基本法則,回帰直線,離散確率分布の特性を整理できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 試験 | 発表 | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | レポート | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 0 | 0 | 0 | 0 | 30 | 100 |
知識の基本的な理解 【知識・記憶、理解レベル】 | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 50 |
思考・推論・創造への 適用力【適用、分析レベル】 | 35 | 0 | 0 | 0 | 0 | 15 | 50 |
汎用的技能 【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
態度・志向性(人間力) 【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
総合的な学習経験と 創造的思考力【 】 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |