線形代数

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和04年度 (2022年度)
授業科目 線形代数
科目番号 61006 科目区分 専門 / 必修
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専1
開設期 後期 週時間数 後期:2
教科書/教材 問題集:「明解演習 線形代数」小寺平治 著(3Q:第4章、第5章、4Q:第8章の一部、第9章)
担当教員 川村 晃英

到達目標

(1) 線形空間の定義が理解でき、その例として数列の空間、多項式の空間、関数空間等を理解できる。
(2) Jordan標準形の計算ができ、それを微分方程式の問題等」に適用できる。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
評価項目1ベクトル空間の定義が理解でき、説明することができる。また、例を十分に説明することができる。ベクトル空間の定義が理解でき、説明することができる。また、例を少なくとも一つ挙げることができる。ベクトル空間の定義が理解でき、説明することができる。ベクトル空間の定義が理解できない。
評価項目24次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができる。また、それを用いて数列の漸化式や微分方程式を解くことができる。3次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができる。また、それを用いて数列の漸化式または微分方程式を解くことができる。3次以下の正方行列のジョルダン標準形を求めることができる。ジョルダン標準形を求めることができない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
線形代数とその応用を講義する。前半(3Q)では、本科で習得した線形代数を基礎とし、ベクトル空間、部分空間、線形写像などの抽象的理論を講義する。
後半(4Q)では,行列のジョルダン標準形について学び、前半の抽象理論と合わせて、数列の漸化式や微分方程式等への応用を扱う。
授業の進め方・方法:
週に1度の講義と、各自の予習・復習で授業を構成する。
試験は、3Qと4Qの最後にそれぞれ行う。
また、本講義は学修単位科目であることから、自学のためのレポートを毎回出題する。
成績は試験とレポートによる。
注意点:
抽象的な事柄を学ぶときに心がけたいのは、具体的な計算を欠かさないことである。そのために、本授業では具体例を多く取り扱う。
講義では、定理の証明、抽象的な概念の解説(レポート課題に関連する話を含む)、および問題解説と演習を行う。
問題集(小寺著)は主に自習用とし、テストもここから類題を多く出す。予習・復習に活用してほしい。
講義、問題集で理解できない箇所は、図書館などを利用して文献を調べる習慣をつけてほしい。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
後期
3rdQ
1週 ガイダンス、本科の線形代数の復習(ベクトル、行列、線形変換) 2次元、3次元の数ベクトルと、3次までの行列について、計算を行うことができる。
数ベクトルの線形変換を表す行列を求めることができる。
2週 ベクトル空間 一般的なベクトル空間の定義を述べることができる。
その例を挙げ、それらがベクトル空間であることの証明ができる。
3週 部分空間、交空間・和空間 ベクトル空間の部分空間の定義を述べることができる。
具体的な例において、交空間、和空間を求めることができる。
4週 1次従属・1次独立、基と次元 ベクトルの1次独立、ベクトル空間の次元について理解できる。
具体例において、基底と次元を求めることができる。
5週 線形写像 線形写像の定義を述べることができる。
具体的な写像について、それが線形写像かどうか判定できる。
6週 線形写像の表現行列、基底変換 具体的な線形写像の表現行列を求めることができる。
基底変換の原理について説明できる。
7週 線形写像の階数と次元定理 線形写像の階数について説明できる。
次元定理を用いて、線形写像の像と核の次元を求めることができる。
8週 【中間試験】
4thQ
9週 本科の線形代数の復習(行列式、固有値)
4次までの行列式の計算、固有値の計算が行える。
行列の対角化の意義を説明できる。
10週 固有値、線形変換の標準化
線形変換の固有値の計算が行える。
線形変換の標準化の意義を説明できる
11週 単因子、最小多項式 単因子、行列式因子の定義を理解できる。
具体的な行列について、最小多項式を求めることができる。
12週 ジョルダン標準形 ジョルダン標準形の構造を理解できる。
具体的な行列について、ジョルダン標準形を求めることができる。
13週 線形差分方程式 数列の問題に線形代数が応用できることを理解できる。
線形回帰数列の一般項を求めることができる。
14週 線形微分方程式 微分方程式の問題に線形代数が応用できることを理解できる。
線形微分方程式の一般解を求めることができる。
15週 【定期試験】
16週 【答案返却】

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週
基礎的能力数学数学数学行列の定義を理解し、行列の和・差・スカラーとの積、行列の積を求めることができる。4
逆行列の定義を理解し、2次の正方行列の逆行列を求めることができる。4
行列式の定義および性質を理解し、基本的な行列式の値を求めることができる。4
線形変換の定義を理解し、線形変換を表す行列を求めることができる。4
合成変換や逆変換を表す行列を求めることができる。4
平面内の回転に対応する線形変換を表す行列を求めることができる。4

評価割合

レポート中間試験定期試験合計
総合評価割合403030100
知識の基本的な理解【知識・記憶、理解レベル】20202060
思考・推論・創造への 適用力【適用、分析レベル】0101020
汎用的技能 【論理的思考力】200020