到達目標
制御理論とは人間が機械や装置をより有効に操作し制御するために現在までに積み重ねられた技術を理論的に集約したものである.本授業では科学技術計算用ソフトの一つであるScilabを用い,制御系の設計手法について演習形式で実践し習得することを目標とする.
①ScilabとMaximaの基本的な使用方法を説明し,これらを用いて基本的な計算ができる.
②Scilabを用いて時間応答と周波数応答,安定性,PID制御系の表現し,その内容を分析できる.
③Xcosの基本的な設計を行い,その内容について分析できる.
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目1 | ScilabとMaximaの使用方法を説明し,これらを用いた応用ができる. | ScilabとMaximaの使用方法を説明し,これらを用いて複雑な計算ができる. | ScilabとMaximaの基本的な使用方法を説明し,これらを用いて基本的な計算ができる. | ScilabとMaximaの基本的な使用方法を説明し,これらを用いて基本的な計算ができない. |
評価項目2 | Scilabを用いて時間応答と周波数応答,安定性,PID制御系の表現および分析ができ,応用事例に対応できる. | Scilabを用いて時間応答と周波数応答,安定性,PID制御系の表現ができ,その内容を分析できる. | Scilabを用いて時間応答と周波数応答の表現ができ,その内容を分析できる. | Scilabを用いて時間応答と周波数応答の表現ができない. |
評価項目3 | Xcosを用いて制御系のブロック線図を用いて信号の入出力を計算でき,その内容を分析できる. | Xcosを用いて制御系のブロック線図を表現でき,その内容を分析できる. | Xcosの基本的な設計を行い,その分析ができる. | Xcosの基本的な設計を行うことができない. |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
古典制御は数学や物理的な表現を主に用いる.自動車やロボットなどの制御対象に制御器を導入し,実際の動きを目で見ないと実際の動きが分からないので,数値表現では理解がと思うかもしれない.本講義で用いるScilabやMaximaは数値計算を行うためのフリーツールであり,図的に表現するためのオプションも豊富である.これらのツールを利用することで,現象の視覚化や計算結果の検証も容易にできる.これらを積極的に利用して制御の知識と現象の理解を深めてほしい.
授業の進め方・方法:
第1学期に実施します.
講義では計画に沿って内容を説明して行きます.
この科目は学修単位科目のため,事後学習として自学・自習レポートを課します.
また講義形式の説明の他,実際にScilabやMaximaを用いて演習を行ってもらいます.
注意点:
システム制御工学を受講するに当たっては,本科5年次までに習得した古典制御と微分方程式,応用数学の知識を用いることが必須となるので,よく復習しておくこと.
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
1stQ |
1週 |
Scilabの取り扱いについて Scilabの基本的な計算法について |
・Scilabの起動とコンソール画面への入力ができる. ・Scilabの基本的な計算ができる.
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2週 |
Maximaの基礎 ラプラス変換と逆ラプラス変換について |
・Maximaの基本的な計算ができる. ・ラプラス変換と逆ラプラス変換について,Maximaを用いて計算ができる.
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3週 |
伝達関数について 時間応答について1 |
・基本的な6要素の伝達関数について説明ができる. ・Scilabを用いて1遅れ要素の数値計算およびグラフ表示ができる.
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4週 |
時間応答について2 Xcosについて |
・Scilabを用いて2遅れ要素の数値計算およびグラフ表示ができる. ・Xcosを用いた制御系の基本設計ができる.
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5週 |
ブロック線図について 周波数応答について1 |
・Xcosを用いてブロック線図を設計し,シミュレーション演算ができる. ・ベクトル軌跡について説明でき,Scilabを用いてベクトル軌跡の描画ができる.
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6週 |
周波数応答について2 安定性について1 |
・ボード線図について説明でき,Scilabを用いてボード線図の描画ができる. ・ラウスの安定判別法について,Scilabを用いて判別ができる.
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7週 |
安定性について2 PID制御系について |
・根軌跡について,Scilabを用いて演算し,グラフの描画ができる. ・PID制御系について、Scilabを用いて基本的な設計ができる.
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8週 |
定期試験 まとめ |
・定期試験を実施する. ・試験返却および解説を行う.
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 学期末試験 | レポート | 相互評価 | 態度 | ポートフォリオ | その他 | 合計 |
総合評価割合 | 70 | 30 | 0 | 0 | 0 | 0 | 100 |
基礎的能力 | 35 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
専門的能力 | 35 | 15 | 0 | 0 | 0 | 0 | 50 |
分野横断的能力 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |