オペレーティングシステム工学

科目基礎情報

学校 宇部工業高等専門学校 開講年度 令和05年度 (2023年度)
授業科目 オペレーティングシステム工学
科目番号 62003 科目区分 専門 / 選択
授業形態 講義 単位の種別と単位数 学修単位: 2
開設学科 生産システム工学専攻 対象学年 専2
開設期 2nd-Q 週時間数 4
教科書/教材 コンピュータサイエンスで学ぶオペレーティングシステム-OS学-)(柴山潔・近代科学社)
担当教員 内堀 晃彦

到達目標

(1) OSのプロセス管理を理解し,スケジューラ等の適切な選択や管理が行える。
(2) OSのメモリ管理を理解し,適切なメモリ量の選択や仮想記憶の管理が行える。
(3) OSのファイルシステムを理解し,適切なファイルシステムの選択や管理が行える。
(4) OSの入出力処理を理解し,周辺機器のデバイスドライバの設定を管理に行える。

ルーブリック

理想的な到達レベルの目安標準的な到達レベルの目安最低限の到達レベルの目安(可)未到達レベルの目安
到達目標(1)実現しようとするシステムに対して,スケジューラ等のプロセス管理の手段を適切に選択・設定できる。既存のシステムに対して,スケジューラ等のプロセス管理を適切に行うことができる。OSのプロセス管理について考察できる。OSのプロセス管理について考察できない。
到達目標(2)実現しようとするシステムに対して,仮想記憶等のメモリ管理の手段を適切に選択・設定できる。既存のシステムに対して,仮想記憶等のメモリ管理を適切に行うことができる。OSのメモリ管理について考察できる。OSのメモリ管理について考察できない。
到達目標(3)実現しようとするシステムにとっての,適切なファイルシステムを選択・設定できる。既存のシステムに対して,ファイルシステムの管理を適切に行うことができる。OSのファイルシステムについて考察できる。OSのファイルシステムについて考察できない。
到達目標(4)実現しようとするシステムに対して,ハードウェアとのデータの入出直方法の選択等の適切な入出力処理方法を選択・設定できる。既存のシステムに対して,デバイスドライバ等の管理を適切に行うことができる。OSの入出力処理について考察できる。OSの入出力処理について考察できない。

学科の到達目標項目との関係

教育方法等

概要:
第2学期開講
オペレーティングシステム(OS)のハードウェアの仮想化,リソースの共有等がどのように行われているのかを,OSの各構成要素ごとに説明し,コンピュータを扱う際の問題に対応できるようになることを目標とする。
授業の進め方・方法:
基本的に座学形式で,OSのプロセス,スケジューラ,メモリ管理,ファイルシステム,入出力システムについて講義する。また,現実の問題に対応するこれらの構成要素の選択・設定について,グループワーク等で議論する。
注意点:
本講義の理解には,コンピュータハードウェアやソフトウェアのアーキテクチャに対する理解が欠かせない。講義最初の2回でその概略を解説し,その他の講義中でも適宜説明を行うが,これまでにこの関連の講義を受けていない学生は,各自で資料等を参照する等の自学をすることが求められる。

授業の属性・履修上の区分

アクティブラーニング
ICT 利用
遠隔授業対応
実務経験のある教員による授業

授業計画

授業内容 週ごとの到達目標
前期
2ndQ
9週 ハードウェア・アーキテクチャ
ソフトウェア・アーキテクチャ
CPU,メモリ,I/O装置等のコンピュータハードウェアの基礎について理解できる。
OS,ライブラリ,UI(シェル,ウィンドウシステム),ユーザプログラム等の基礎と,その協調動作について理解できる。
10週 OSの概要
プロセス・スレッド
OSの概要について理解できる。
プロセスとスレッドの概念について理解できる。
11週 マルチタスク
スケジューラ
プリエンティブマルチタスクを実現するための,ディスパッチャと各種スケジューラについて理解できる。
適応型やリアルタイム型等の,用途に応じた各種スケジューラについて理解できる。
12週 メモリ管理
メモリ管理機構の実装
仮想記憶,ページング等のメモリ管理について理解できる。
仮想記憶やページングの,ハードウエアとの協調した実装方法について理解できる。
13週 ファイル・システムの基礎
ファイル・システムの実装
ファイルシステムの基礎について理解できる。
ファイルシステムの実装例(FAT,UFS)について理解できる。
14週 入出力の基礎
入出力の実装
入出力機能,デバイスドライバ,割り込みハンドラについて理解できる。
各種OSの入出力機能,デバイスドライバの実装方法について理解できる。
15週 排他制御とデッドロック
セキュリティ
排他制御の概念とオペレーティングすステム内での使用例を理解し,デッドロックの概念とその回避方法についても理解できる。
セキュリティ保護に関する基本概念と,それがオペレーティングシステムにどのように使われているかについて理解できる。
16週 定期試験
試験返却
試験問題の解説を通じて間違った箇所を理解できる

モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標

分類分野学習内容学習内容の到達目標到達レベル授業週

評価割合

定期試験小テストレポート合計
総合評価割合80020100
知識の基本的な理解1001020
思考・推論・創造への適用力1001020
汎用的技能【論理的思考力】600060
態度・志向性(人間力)0000
総合的な学習経験と創造的思考力0000