到達目標
本科目では特に機能性セラミックス材料に焦点をあて、その合成プロセス、合成された材料の分析手法、各種材料の性質についての知見を深める。
最終的な目標は以下の3点である。
(1) 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができる。
(2) 合成された機能性無機材料の分析手法に関して技術的観点からの説明ができる。
(3) 合成された機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができる。
そして、合成プロセス及び合成された機能性無機材料の特性との関係を分析し、特性向上のために必要な方策を提案できるきっかけをつかむことが目標である。
ルーブリック
| 理想的な到達レベルの目安 | 標準的な到達レベルの目安 | 最低限の到達レベルの目安(可) | 未到達レベルの目安 |
評価項目(1) | 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。 | 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができ、2,3の材料に適用できる。 | 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができる。 | 機能性無機材料の合成プロセスに関して技術的観点からの説明ができない。 |
評価項目(2) | 機能性無機材料の分析手法に関して説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。 | 機能性無機材料の分析手法に関して説明ができ、2,3の材料に適用できる。 | 機能性無機材料の分析手法に関して説明ができる。 | 機能性無機材料の分析手法に関して説明ができない。 |
評価項目(3) | 機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができ、多数の材料に適用でき、性能向上の方策を提案できる。 | 機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができ、2,3の材料に適用できる。 | 機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができる。 | 機能性無機材料の性質に関して技術的観点からの説明ができない。 |
学科の到達目標項目との関係
教育方法等
概要:
【第2学期開講】★物質工学専攻と共通
※実務との関係
この科目は企業でセラミックス材料及びプロセスの開発を担当していた教員が、その経験を生かし、無機機能材料工学について講義形式で授業を行うものである。
機能性無機材料(金属材料・半導体材料・セラミックス材料)は生活・産業に使用されているさまざまな機器や生産設備に組み込まれ快適で効率的な社会を支えている。本科目では、主としてセラミックス材料に焦点を当てる。まずセラミックスの構造の概要について学習する。次に、セラミックスの合成プロセスについて、そして合成されたセラミックスの分析手法について学習する。さらに、身近で重要なものや話題性のある機能性セラミックス材料をいくつか選びその機能を電子、原子レベルで理解し、材料の製造および応用製品の概要について学習する。ここまでの内容を習得すると、簡単な無機機能材料に関する文献を理解し、要約できることが期待される。また、無機材料分野における研究開発の基本的な内容を自ら理解し、自ら深堀するための基礎ができるものと期待される。
授業の進め方・方法:
本科目は本科の無機材料工学Ⅰ、Ⅱとの関連が強いため、復習しておくことが望ましいです。上述のように機能性無機材料は金属・半導体・セラミックスと広範囲にわたっており、講義ではその一端(セラミックス材料)を学習するにすぎません。私自身も社会人になってはじめてセラミックス材料に関わり、研究開発に携わりながら独学で勉強してきました。現在も研鑽を積んでいるところです。
みなさんには関連書物をしっかり読み、授業を受け、レポートを作成する過程で、無機機能材料工学に興味をもち、自ら学習して新しい知見を得ることの喜びを知り、本格学習へのきっかけをつかんでもらいたいと思います。そして、無機機能材料工学だけでなく物質工学各分野における研究開発のヒントをつかんでもらえれば幸いです。なお、この科目は学修単位科目のため、事前・事後学習としてレポート(や小テスト)を実施します。
注意点:
補助教材:はじめて学ぶセラミック化学(日本セラミックス協会編)
学期内に成績を再評価する場合があります。
授業の属性・履修上の区分
授業計画
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週 |
授業内容 |
週ごとの到達目標 |
前期 |
2ndQ |
9週 |
01 ガイダンス「無機機能材料の導入」 02 セラミックスの復習(1) |
・身の回りの製品の中に用いられている無機機能材料の種類と応用分野について概要を説明し、興味ある分野の調査ができる。 ・基本的なセラミックスの製造方法と伝統的セラミックスについて説明できる。
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10週 |
03 機能性セラミックスの基礎(1) 04 機能性セラミックスの基礎(2) |
・セラミックスの結晶構造についての概要を説明できる。 ・セラミックスを学ぶうえで重要な平衡状態図の考え方を説明できる。
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11週 |
05 機能性セラミックスの基礎(3) 06 機能性セラミックスの構造(1) |
・セラミックスを学ぶうえで重要な状態図の考え方を説明できる。 ・セラミックスの微細構造とそれが特性に及ぼす影響についての概要を説明できる。
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12週 |
07 機能性セラミックスの分析手法(1) 08 機能性セラミックスの合成プロセス(1) |
・セラミックスの結晶構造の解析に利用されるX線回折の原理および測定方法を説明できる。 ・セラミックスの微細構造観察に利用される電子顕微鏡の原理および測定方法を説明できる。 ・セラミックスの熱的安定性の評価に利用される熱分析の原理および測定方法を説明できる。 ・機能性セラミックス原料粉末の種々の合成プロセス・成形プロセスとそれらが物性に及ぼす影響について説明できる。
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13週 |
09 機能性セラミックスの合成プロセス(2) 10 機能性セラミックスの合成プロセス(3) |
・機能性セラミックスの種々の焼結プロセスの基礎となる拡散現象について説明できる。 ・機能性セラミックスの種々の焼結プロセスとそれらが物性に及ぼす影響について説明できる。
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14週 |
11 機能性セラミックスの特性(1) 12 機能性セラミックスの特性(2) |
・誘電セラミックスの性質とその用途について説明できる。 ・導電セラミックスの性質とその用途について説明できる。
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15週 |
13 機能性セラミックスの特性(3) 14 機能性セラミックスの特性(4) |
・構造セラミックスの性質とその用途について説明できる。 ・環境・エネルギー・医療分野のセラミックスの性質とその用途について説明できる。
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16週 |
"期末試験の答案返却・解答解説" "全体の学習事項のまとめ" |
試験問題の解説を通じて特に重要部分、誤答が多かった部分を復習し、説明できる。 特に重要部分の復習や講義全体の流れについて説明できる。
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モデルコアカリキュラムの学習内容と到達目標
分類 | 分野 | 学習内容 | 学習内容の到達目標 | 到達レベル | 授業週 |
評価割合
| 期末レポート | レポート(簡易小テスト含む) | 合計 |
総合評価割合 | 60 | 40 | 100 |
知識の基本的な理解 | 40 | 20 | 60 |
思考・推論・創造への適用力 | 20 | 10 | 30 |
態度・志向性(人間力) | 0 | 10 | 10 |